第10次五ヵ年計画綱要では、多くの新語が誕生している。本日から専門のコラムとして、こうした新語を説明する。
1、「毛入学率」
「毛入学率」とは、在学中の学生の総数と政府が定めた入学年齢人口の総数との比率。
2、「種子工程」
「種子工程」は、国が第9次五ヵ年計画期間から実施している農業重点プロジェクト。その目的は、種子産業の体系と科学的な管理制度を確立し、種子生産の専門化、経営の集団化、管理の規範化、育成と普及の一体化、耕作用種子の商品化を実現することである。
3、「三大合成材料」
「三大合成材料」とは、合成樹脂、合成ゴム、合成繊維。
4、「差別化繊維」
差別化化学繊維の略称。化学的・物理的変性により、通常の繊維の形態や組織が変化し、繊維の物理的・化学的性能が向上もしくは変化し、ある特定の性能や特徴をもつ化学繊維。
5、「混合動力系統」
電気エネルギーとガソリン(ディーゼル)を動力源とし、エンジンや電動モーターの動力を最適の状態にし、これまで浪費していた機械エネルギーを効果的に回収利用し、さらには排気ガスの排出を減少させる動力システム。
6、「高速寛帯信息網(ブロードバンド情報網)」
情報(音声、データ、画像、動画)を高速に伝送できるバンド幅の広いネットワーク。「伝送網」と「業務網」からなる。「高速」や「広帯域」という言葉は、常に変化する相対的な概念である。現時点での伝送速度はギガビット級に達している。
7、「深亜微米集成電路(ディープサブミクロントランジスタ)」
トランジスタのゲート長0.8~0.35ミクロンを「亜微米(サブミクロン)」、0.25ミクロン以下を「深亜微米(ディープサブミクロン)」、0.05ミクロン以下を「納米級(ナノメートル級)」とする。現在世界で主流の半導体製造技術は0.18~0.25ミクロンで、2006年には0.1ミクロン、2012年には0.05ミクロンが主流となると見られている。
8、「生物技術(バイオテクノロジー)」 分子生物学、細胞生物学、生物化学、生物物理学、生物情報学などを応用し、生命システムを研究、設計、改良して、品種を改良し、さらには新品種を創造すること。もしくは、生物システムと工学を結合させた手段を応用して、製品を生産し、サービスを提供する総合的なハイテク技術。
9、「新型渦扇噴気支線旅客機」
タービンエンジンと最先端の機内用機器を採用し、30~50人が利用できる小型旅客機。
10、「数字化電子製品(デジタル電子製品)」
デジタル技術を利用し、従来のアナログ信号の代わりにデジタル信号を用い、品質や性能が改善・向上した電子製品。
11、「光電子材料、光電子器件(部品)」
「光電子材料」とは光・電子信号を生成、転換、伝送、処理、記録できる材料を指す。「光電子器材」とは光輻射エネルギーと電子信号間での機能転換を実現する部品、もしくは光・電子信号の伝送、処理、記録を実現する部品を指す。
12、「電子商務(電子商取引)」 ネットワークをプラットフォームとし、最先端のITと通信手段を利用して展開する経済活動。インターネット、金融電子システム、物流配送システム、セキュリティ保障システムは、電子商取引の物理的基礎。電子商取引は、「情報流」「資金流」「物流」を通じて実現する。「BtoB(企業間)」と「BtoC(企業と消費者間)」に分けられる。
13、「電子認証(オンライン認証)」
電子商取引において、オンラインサービスの安全性を保障するため発行される電子証明書、および電子証明書を認証する過程を指す。認証を行う機関は、電子商取引認証センターもしくはCA(certificate authority)センターと呼ばれる。
14、「条碼(バーコード)、代碼(コード)」
バーコードは一組の棒を並べ合わせて表示する符号。一定の情報を表示するために使用される。コードはコンピューターのデータや命令の表現規則。または符号のレコードを指す。
15、「寛帯接入網(ブロードバンド接続網)」
回線や通信機器から構成される。通信サービスのノードポイントとユーザーをつなぎ、高速広帯域な情報通信を可能にする情報システム。
16、「第三代移動通信網(第3世代移動通信ネットワーク)」 現在のGSMデジタルセルラーネットワークとCDMAネットワークに続き、国際電気通信連合(ITU)が定義した第3世代移動通信技術と規格(IMT-2000)を採用し、データ通信をメインとする高速、広帯域な移動通信ネットワーク。385Kbps以上の高速なデータ通信業務をサポートし、動画の転送も実現する。
17、「地理空間信息系統(GIS、地理情報システム)」
地図(地形)データや統計データを地図上に表示し、管理、記録、検索、分析などを視覚的に行えるシステム。
18、「三網融合(3つのネットワークの融合)」
通信、ラジオ・テレビ、コンピュータの3つのネットワークのサービスを融合したもの。各ネットワークの相互接続、相互サービス、統一使用を実現する。3つのネットワークを融合することにより、ネットワーク資源を最大限に共有できる。
19、「系統集成(システムインテグレーション)」
システムを構成する各部を融合させて効率化、統一化すること。多種多様の製品、技術、サービスを組み合わせて最適なシステムを構築すること。
20、「南水北調」
中国北方地区の水不足を解決し、水資源の合理的な配置を実現することを目的として計画された流域の枠を越えて水を輸送するプロジェクト。数十年に及ぶ計画策定、調査・測量、設計作業により、東部、中部、西部の3本の水路を建設することが計画されている。第10次五ヵ年計画期間には、その準備作業が進められ、水路に適当な地を選び、建設が開始される。
23、「五縦七横」 中国が建設を進めている高速道路を主とした道路網。総延長3万5000キロ。「五縦」は、同江-三亜、北京-珠海、重慶-北海、北京-福州、二連浩特-河口。「七横」は、連雲港-霍爾果斯、上海-成都、上海-瑞麗、衡陽-昆明、青島-銀川、丹東-拉薩、綏芬河-満洲里。
24、「三縦両横」
「五縦七横」において最初に建設される部分。「三縦」は同江-三亜、北京-珠海、重慶-湛江。「両横」は上海-成都、連雲港-霍爾果斯。
25、「八縦八横」
中国が重点的に建設・改良する主要鉄道。「八縦」は京哈、東部沿海鉄路、京滬、京九、京広、大(同)湛(江)、包柳、蘭昆。「八横」は京蘭、煤弑蓖ǖ馈⒚哼南通道、陸橋鉄路(隴海と蘭新)、寧(南京)西(安)、沿江鉄路、滬昆、西南出海通道。
26、「青蔵鉄路(鉄道)」 青海省の西寧と西蔵(チベット)自治区の拉薩(ラサ)を結ぶ鉄道。全長1963キロ。
西寧-格爾木(ゴルムド)間845キロは1979年に開通している。第10次五ヵ年計画期間には格爾木-拉薩間1118キロが新たに建設される。年内の着工が予定されている。
27、「京滬高速鉄路(鉄道)」
北京-上海間の高速鉄道。全長1307キロ。車輪とレールによる従来方式の鉄道を採用するか、超電導磁気浮上式鉄道を採用するかについて関係部門が比較検討を進めている。
28、「網叻蛛x」
このほど制定された鉄道管理体制の方針。国による鉄道網管理と咻斒聵Iを分離すること。
29、「潔浄煤技術(クリーン石炭技術)」
石炭の開発から利用までの全過程において、汚染物質の排出を減らし、利用効率を上げることを目的とした、石炭の加工、燃焼、リサイクル、汚染対策などに関する技術の総称。
30、「西電東送」 西南部、西北部の豊富な水力エネルギー資源と石炭資源の開発を通じて、大容量、長距離、超高圧の送電ルートを建設し、東部の沿海地域へ輸送するプロジェクト。北部、中部、南部の3ルートに分けられる。北部ルートとは、「三西(山西、陝西、内蒙古西部)」の坑口発電所と黄河上流部の水力発電所から河北、山東に送電するルート。中部ルートは、三峡ダムを中心に華中と華南に送電。南部ルートは、西南部の水力発電所、坑口発電所および三峡ダムから広東に送電。
31、「西気東輸」
新疆ウイグル自治区のタリム盆地の天然ガスを河南、安徽、江蘇、浙江、上海に輸送するプロジェクト。タリム盆地の天然ガス資源の調査・開発、タリムから上海までのパイプライン建設、天然ガス利用施設の建設などが含まれる。
32、「民族特需用品」 少数民族の日常生産生活の特殊な需要を満たす、一定の民族文化的伝統を備えた物品を指す。
33、「設市・設鎮標準(市・鎮を設置する基準)」
現行の主要な市設置基準は次の通り。(1)非農業人口が6万人以上、年間国民総生産(GNP)が2億元以上で、経済の中心となっている鎮は、市として設置することができる、(2)総人口が50万人以下の県は、県人民政府の所在地である鎮の非農業人口が10万人以上で、常住人口における農業人口が40%以下、年間GNPが3億元以上の場合は、県を廃止して市を設置できる、(3)総人口が50万人以上の県は、県人民政府の所在地である鎮の非農業人口が通常12万人以上で、年間GNPが4億元以上の場合は、県を廃止して市を設置できる、(4)民族自治州人民政府または地区(盟)行政公署の所在地である鎮の非農業人口が10万人以下で、年間GNPが3億元以下でも、確かな必要性がある場合は、県を廃止して市を設置できる。
現行の主要な鎮設置基準は次の通り。(1)県級地方人民政府の所在地はすべて、鎮を設置する、(2)総人口が2万人以下で、郷政府の所在地の非農業人口が2000人を超える郷は、鎮を設置できる、(3)総人口が2万人以下で、郷政府の所在地の非農業人口が、郷の人口全体の10%を超える郷は、鎮を設置できる、(4)少数民族地区、人口が極めて少ない辺境地区、山間区、小型鉱区、小港区、景勝地、国境地区などで、非農業人口が2000人に満たない場合も、確かな必要性があれば、鎮を設置できる。
34、「高性能計算機(高性能コンピュータ)」 情報処理能力が毎秒1億回以上のコンピュータ。
35、「超大規模集成回路(超大規模集積回路)」
集積回路とは、トランジスタ、ダイオード、抵抗などの素子を基盤に装着し、各種の機能を持たせた電子回路。超大規模集積回路とは、1チップに収められた素子数が10万を超えるもの。