二の足を踏(ふ)む (一歩目は進みながら、二歩目はためらって足踏みする意から)
思いきって物事を進めることができないさまをいう。どうしようかと迷う。
にのうで【二の腕】
1 肩から肱(ひじ)までの間の腕。上膊(じょうはく)。
2 肱と手首との間の腕。〔日葡辞書〕
二の裏(うら) ⇒に(二)の懐紙(かいし)
二の表(おもて) ⇒に(二)の懐紙(かいし)
二の=懐紙(かいし)[=折(おり)] 連歌、連句の懐紙で、連句一巻のうち、折紙の二枚めの称。百韻ではその表を「二の表」、裏を「二の裏」といい、歌仙では、「名残りの表」、「名残りの裏」という。
二の替(か)わり
1 江戸時代、京坂地方の歌舞伎で、顔見世興行(一一月)の次の興行。また、その狂言。一二月下旬より始める。また、一月一五日より興行される春狂言もいう。二番目。二の替わり狂言。
2 演劇興行中で、演目を入れ替えた二度目の興行。また、その演目。
二の木戸(きど) 砦などの、表から二番目の門。
二の句が継げない (朗詠の二の句は高音に歌うので、独唱からその高音を続けて合唱に移ると、息の切れることもあり、「二の句を続けるのは容易でない」の意で)あきれたり、驚いたりして、言うべき次のことばが出てこない。
二の膳(ぜん) 本膳料理の中の一つで、本膳の次に出る膳。
二の対(たい)
1 寝殿造りで、一の対に対して、東北・西北の対をいう。
2 寝殿造りの配置形式が崩れ、後方に対屋がいくつか並んだとき、その二番目の対屋。
二の太刀(たち) 二度目に切りつけること。また、その太刀。
にのつぎ【二の次】
二番目。そのつぎ。あとまわし。「勉強は二の次にして遊びまわる」
二の鼓(つづみ) 雅楽に用いる鼓の一種。一の鼓より大きく、首にかけて一本の桴(ばち)で打つという。現在は伝わっていない。
二の手(て)
1 戦陣で一番手の次に出る軍隊。二番手。
2 あとまわし。二の次。
二の胴(どう)
1 人体の胴の上部で、一の胴より少し下の肋骨八枚目の上部の称。
2 和船の船梁(または櫓床)で区切られた間(ま)の呼称の一つ。間数の多い大型船では、胴の間と淦間(あかま)とのあいだの間をいう。
二の酉(とり) 一一月の第二回目の酉の日。また、その日に行われる市。《季・冬》
二の人(ひと) 一の人につぐ人。摂政関白などにつぐ地位の人。
にのまい(‥まひ)【二の舞】
Ⅰ 舞楽の曲名。沙陀調(現在は壱越調)の古楽。安摩(あま)の舞の次にそれを見ていた二人の舞人(笑い顔の面の老爺と腫れただれた顔の面の老婆)が滑稽な所作で安摩の舞をまねて舞う舞。唐楽に属する。
Ⅱ
1 人のあとに出てそのまねをすること。*万寿二年阿波守義忠歌合「闇はあやなしと詠めるは、色こそ見えねといふ歌のにのまゐのをこがましきに」
2 前の人の失敗を繰り返すこと。「二の舞を演ずる(ふむ)」
二の町(まち) (「町」は等級、階級の意)第二級。二流どころ。「上(かみ)の町」に対していう。また、のちには、特に容貌のかんばしくない女性をいう。
二の松(まつ) 能舞台の橋懸(はしがかり)の前面にある三本の松のうち、正面舞台寄りから二本目のもの。また、そのあたり。
二の丸(まる) 城郭で、本丸の外がわの郭。
二の宮(みや)
1 第二番目に生まれた皇子、または皇女。
2 諸国の由緒ある神社で、その国の第二の神社。また、一郡、一郷あるいは一社中の各社殿のうち、二位に遇せられるもの。
二の矢(や)
1 一の矢の次に射る矢。二度目に放つ矢。
2 二度目に行うこと。次にうつ手段。