値段を表わす接尾語には「代」「料」や、「費」「賃」などがあります。おおまかな傾向をまとめると次のようになりそうです。ただ、これらの使い分けには、慣用によるところが大きく、明確なルールがあるとはいえないように思います。「…代」と「…料」とを自然に使い分けるためには、それぞれの用例をよく確認しておく必要があるでしょう。
「…代(だい)」
何かと交換に支払う(または、受けとる)お金を表わす。商品(経済的に価値のあるもの)に対して支払う金額であることが多い。
電話代、バス代、ガソリン代、部屋代、電気代、ガス代、お茶代、バイト代
「…料(りょう)」
何かの利益(サービスなど)を受けた(または、与えた)ことに対して支払う(または、受けとる)お金を表わす。あらかじめ決まった一定の値段である場合が多い。
使用料、レンタル料、入場料、紹介料、授業料、送料、サービス料、延滞料
「…費(ひ)」
(自分または相手が)何かをするために必要なお金を表わす。支払わなければならない(または、用意しておかなければならない)お金という意味合いがある。
医療費、教育費、交通費、学費、会費、生活費、食費、交際費
「…賃(ちん)」
労働や借りものに対して支払うお金を表わす。
家賃、電車賃、手間賃(てまちん)、哔U、船賃(ふなちん)、借賃(かりちん)
例えば、アルバイトの報酬として受けとるお金に対しては、「バイト代」と「バイト料」という言い方が一般的だと思いますが、「バイト費」や「バイト賃」といわれることもあります。「バイト代」「バイト料」「バイト費」「バイト賃」の間に明確な意味の違いがあるようには思えませんので、これらの使い分けは、おおむね個人的なもの(人によってどの語を使うかが違う)なのではないでしょうか。また、「バイト代」と「バイト料」とは(一般的な言い方であるため)同じ話の中で混用されることがありますが、その場合の使い分けも語感や語呂によるものだと思います。