料理用語 ま
舞子丼<まいこどんぶり>
どじょうの柳川を丼にしたもの。
近江舞子産の泥鰌からの名。
前盛り<まえもり>
器の主体になる料理の手前につける料理。
巻き柿<まきがき>
干し柿を藁縄で巻いていぶしたもの。
巻き独活<まきうど>
かつらむきにしたウドを斜めに切る。
『よりうど』よりいくぶん幅広にする。
巻き簾<まきす>
竹を編んだすだれ。
三角形の竹が鬼の刃を想わせる『鬼すだれ』
横長で幅のせまい『すしすだれ』
細巻用の『細巻きすだれ』
竹が細い京すだれは和食で多用『西京すだれ』
万能すだれで、太巻きなどを巻く『丸巻きすだれ』
巻き鮨<まきずし>
細巻き(小)、中巻き、太巻きの三種。
他に手巻きがあるが、範疇外。
細巻きはおよそ60~80グラムで焼き海苔を縦半分
中巻きは細巻きの三倍、
太巻きは細巻きの五倍が基準である。
「うず巻き」や「伊達巻き」や「裏巻き」等色々。
「素まき」は海苔無しで巻く。
巻き蒸し煮<まきむしに>
すだれ巻きにした材料をそのまま蒸したあと煮る。
巻き焼き<まきやき>
イカや魚、鶏などを巻いて端を楊枝などで止めて焼く。
八幡巻きなどもこれにあたる。
鮪茶<まぐちゃ>
まぐろ茶漬けのこと。
幕の内<まくのうち>
弁当の一種で『幕の内むすび』の略語。
すなわち「おむすび弁当」である。
観劇の幕間に食べやすい俵形のむすびが原型で
名の由来でもある。
現在は俵に作ったご飯がつけば幕の内とする。
枕飯<まくらめし>
あるいは「まくらご飯」。また「仏しゃり」という人もいる。
「一杯飯」、「枕許飯」、「枕つき飯」の別名もある。
亡くなった人の枕元に供えるご飯。
死者の使用していた箸と茶碗に
ご飯を山盛りにし、箸を二本刺すように立てる。
日常で上の名称や行いはしてはいけない。
(仏式であるが、もはや国式でもある)
真砂<まさご>
浜の砂のことであるが、
料理では細かくした材料、
あるいは魚卵など元から細かいもの、
これらをいかしたものにつける名称。
真砂和え、真砂揚げなど色々。
松毬<まつかさ>
松笠とも書く。
イカやアワビに斜めから縦横に包丁し、
火を入れて松笠状に仕上げる『松笠作り』
松風焼き<まつかぜやき>
表面にケシの実をふって焼く焼き物。
松皮牛蒡<まつかわごぼう>
太いゴボウを皮付きで煮たりする料理。
皮を松の皮にみたてる。
松皮作り<まつかわづくり>
鯛などを皮付きで湯霜、焼き霜にして
切る刺身刀法。
松葉切り<まつばぎり>
松葉に似せて材料を切る刀法。
小短冊に切った材料に縦一本包丁で開く、
又は交互に縦二本包丁で開いて組む。
松前<まつまえ>
昆布の別名。
松前漬け、松前鮨、松前酢、松前蒸しなど
昆布を使った料理の冠につける。
真魚<まな>
「真菜」と意味は同じ。
食膳に出す魚ということで、主菜は魚であるから。
「まな箸」、「まな板」もこれに由来。
「まな始め」、「まな祝い」は
幼児に始めて魚を食べさせる儀式であった。
真菜箸<まなばし>
料理用の鉄箸で一般には『盛り箸』
『真魚箸』とは儀式用の箸。
矢に奉書を巻いて水引きでとめ箸とする。
これと式包丁だけで料理し
材料には一切触らない。
真蒸し<まぶし>
あるいは『まむし』
関西での鰻の呼び名。
これは毒蛇を連想するので
あまり使われなくなった。
名古屋から西では『まぶし飯』は一般用語。
飯借り<ままかり>
瀬戸内海のサッパというコハダに似た魚。
飯が足らなくなり仮に行くほど美味という意。
主に酢漬け。夏から秋が旬のイワシの仲間。
丸<まる>
すっぽんのこと。
丸煮、丸鍋。
丸十<まるじゅう>
さつま芋のこと。
丸解き<まるほどき>
うずらやつぐみ、雀など小鳥を切断することなく
骨だけ取り去る刀法。
鶏でやることもあるが技術が要る。
万年煮<まんねんに>
調味料を強くし保存を重視した煮方。
万年酢<まんねんず>
酢、味醂、塩、薄口醤油、梅干し
これらを弱火で煮た調味液。