料理用語 ほ
包丁<ほうちょう>
元の字は庖丁、古代中国の人名である。
庖丁(ホウテイ)は牛料理が得意であったらしい。
大きく分けて和包丁と洋包丁に分かれる。
ここでは主な和包丁の種類をあげる。
古来日本では庖刀と呼ぶ人が多いが、
上記のように語源は人名(もしくは役職名)なので
これは正しくない。
1 出刃包丁 (大・中・小)
相出刃
身おろし出刃
身おろし
鯵割
アジ切り
他に加工出刃やマグロ解体出刃など色々
2 刺身包丁
柳刃(正夫)
蛸引
ふぐ引き(関西呼び てっさ包丁)
マグロ切り
マグロおろし(はんちょう包丁)
切りつけ
3 薄刃包丁(鎌型/関西型・関東型/東型)
むきもの
菜切
皮むき
4 骨切り/鱧切(ハモ専用)
5 裂き包丁
うなぎ裂き(関東・名古屋・大阪・京都・九州)
6 寿司切
7 麺切(蕎麦切)
8 菓子切(ようかん切・カステラ切)
特殊用途に
付け包丁、式包丁(四条流・生間流)
他にも間切、貝ナタ、スイカ切など、
細かく分ければ和包丁はおよそ40種類になる。
関連記事・包丁
奉書焼き<ほうしょやき>
魚を奉書紙に包んで焼く料理。
同様に揚げる料理を『奉書揚げ』
法湯<ほうとう>
かぼちゃほうとう。あずきほうとう。
薄味噌仕立てがかぼちゃ。
小豆煮汁に紐皮うどんを入れるのがあずき。
紫紐(ほうとう)とも書く。
乾飯<ほしいい>
蒸した米(もち、うるち)を乾燥させたもの。
水で戻して食べる他そのままでま食べられる。
干し海鼠<ほしなまこ>
なまこを乾燥させたもので「きんこ」とも言う。
これを戻すのは非常に難しい。
湯に入れ冷めるまでおき、
取り出して内臓を捌く、
水から沸騰させ火から下し一晩放置。
夏は3日、冬は6日これを繰り返す。
油気が混入したり一回で長時間煮れば
身が溶けて失敗となる。
和食でも中華でも高級食材とされる。
牡丹切り<ぼたんぎり>
野菜を牡丹の花にみたてる刀法。
クワイで蕾、ゆり根や大根で大輪。
牡丹作り<ぼたんづくり>
白身や赤身で作る刺身刀法。
薄切りにした刺身を並べて牡丹の花を模す。
中央にはいり卵。
牡丹鱧<ばたんはも>
霜降りした鱧に卸人参をのせ葛を打ち蒸す。
別名「紅葉はも」
骨切り<ほねきり>
ハモ、アイナメ、コハダ等小骨の多い魚の
骨を断ち口あたりを良くする。
皮を切らぬ様に注意して細かく包丁を入れる。
これ専用の包丁が「鱧切/骨切り」
骨酢<ほねず>
キスやアジの小型の中骨を焼いて干し、
当たって漉し、黄身酢や吉野酢に混ぜる。
骨の髄の旨味を引き出すことができる。
牡丹餅<ぼたんもち>
ぼたもちの正しい名。
ぼったら焼き<ぼったらやき>
お好み焼きの古名。
本味<ほんあじ>
下味をつけておいたものを器に盛る直前に
味付けする仕上げ調味。
素材の持ち味を引き出す和食にはこれが多く
材料の味を損なわない手法と言える。
本煮<ほんに>
上と同じで「仕上げ煮」とも言う。
下煮しておいたものを仕上げる。
本膳料理<ほんぜんりょうり>
日本料理とはこの様式を指すと言ってもよい。
室町時代の武家で完成した食作法。
略式となったが現在まで基本は継がれている。
一から三までの膳で構成されている。
関連記事 日本料理とお盆料理
本膳<ほんぜん>
本膳料理の「一の膳」のこと。
膾、平、香の物、味噌汁、飯
または、椀、香の物、飯。