料理用語 ふ
麩<ふ>
小麦粉のグルテン(たんぱく質)を澱粉と分離
そのグルテンから作るもの。
元であるグルテンを「かすみ麩」または「麩素」
これを加工して「生麩」と「焼き麩」にする。
風味漬け<ふうみづけ>
香味野菜や香辛料を加えた漬け物。
ぶうぶう
湯茶をさす京都言葉。
「ぶうぶう漬け」(ぶぶづけ)はお茶漬けの事。
風味焼き<ふうみやき>
葱や生姜と焼いた焼き魚。
共に焼いて香りを移す。
深川飯<ふかがわめし>
深川丼。
むき身のアサリを炊き込んで葱を薬味にした丼。
発祥は日本橋(旧市場)だという説もある。
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富貴豆<ふきまめ>
乾燥そら豆をもどして甘煮したもの。
煮方が難しい。蜜を分けて入れること。
吹き寄せ<ふきよせ>
秋から冬の木枯らし、吹き寄せられた葉、
これを模した料理又は干菓子の盛り合わせ。
煮物仕立て、鍋仕立てが多いが、
各種の料理を配するケースが多い。
ちらし寿司も吹き寄せの一種である。
複合化学調味料<ふくごうかがくちょうみりょう>
グルタミン酸系やイノシン酸等の旨味成分を、
複数ブレンドして旨味を増強させたもの。
化学調味料と聞くだけで毛嫌いする人が多いが
誤った考えである。毒ではない。
使い方の問題であろうと思う。
袱紗卵<ふくさたまご>
覆紗卵という書き方もある。
二種の材料を合わせたものを指す。
茶道の袱紗に由来している。
袱紗には「柔らかい」という意味もあり、
ふくさ卵は半熟に仕上げた卵料理、
もしくは焼き卵をほぐしたもの。
「袱紗味噌/福紗味噌」は合わせ味噌のこと。
「袱紗料理」は本膳を略式にしたもの。
福神漬け<ふくじんづけ>
東京下谷『酒悦』の商標登録であった。
七種の野菜(れんこん、なす、にんじん、
きゅうり、なたまめ、干しだいこん、しそ)を
不忍池の弁財天に模した、みりんしょう油漬け。
水飴で仕上げている。
含ませ<ふくませ>
含めとも言う。
多用される和食の煮方である。
栗、豆、くわい等を砂糖煮し、
その汁(シロップ地)に漬けて味を含ませる。
砂糖の多用が問題だが、
現在は砂糖不使用で作れる。
含ませ煮<ふくませに>
大量のつゆで時間をかけて作る煮物。
脹ら煮<ふくらに>
アワビを煮たもの。
「福良煮」とも。
福茶<ふくちゃ>
正月や節分用のお茶。
番茶、ちょろぎ、昆布、小梅、かちぐり
さんしょうの実、大豆
この七種を煎じる。
普茶<ふちゃ>
中国の隠元禅師(隠元隆琦)が
黄檗山萬福寺で大衆に施した茶。
煎茶道の祖でもある。
同時に料理も始め、精進料理に影響を与えた。
これが【普茶料理】
脹らし粉<ふくらしこ>
ベーキングパウダー。
重曹を元に酸を加えたもの。
目的は炭酸ガスを発生させること。
覆輪<ふくりん>
「りんかけ」とも言う。
材料の外側に別の材料を被せた料理。
節卸し<ふしおろし>
主に「まぐろおろし」をさす言い方。
身を四つ割にしてブロック(一と車)にする。
サクドリ前の作業にあたる。
藤作り<ふじづくり>
刺身刀法のひとつ。
例えばイカを輪切りにする、
それを縦に包丁する、
行儀良く皿に回し並べる、
こうすると藤の花を表現できる。
麩<ふすま>
小麦のぬかの事。胚芽と外皮の混合物。
栄養価が高くほとんどが飼料に使われる。
これに勝る食物繊維はあまりなく、
筆者は10年来愛用している。
伏せ出汁<ふせだし>
精進出汁の一種。
カンピョウ、昆布、シイタケの三種に湯を入れ
しばらくおいて出汁とする。
二身焼き<ふたみやき>
二色焼きのこと。
二種の異なる材料をあわせて焼く。
蓋を切る<ふたをきる>
蒸し物、煮物の蓋をずらすこと。
吹きだしや蒸気の水滴防止。
葡萄酒煮<ぶどうしゅに>
マトロートに習った煮方をする場合
葛仕立てにする場合が多い。
健康効果を期待してワインを多飲する人がいる
これは逆効果にしかならない。
程々に楽しむべきもの。
葡萄茄子<ぶどうなす>
小ナスを含め煮にしたもの。
他の素材をぶどう色に煮上げるのを
『ぶどう煮』または『甲州煮』
葡萄豆<ぶどうまめ>
大豆を両味で堅めに煮たもの。
プランキット
あく止めに使う業務用の漂白剤。
振り海鼠<ふりなまこ>
茶ふりなまことも言う。
番茶の煮だし汁でさっと茹でる。
茶振りは他にタコを茹でるときも使う。
振り分け<ふりわけ>
胡瓜や人参などの長い野菜の切り方の一。
端を少し残し蛇腹切りの様に薄く切り込む。
ただし蛇腹のように裏は切らない。
風呂吹き大根<ふろふきだいこん>
「風炉吹き」と書いてもよい。
大きめの大根を一寸(3㎝)の厚さに輪切りにし
柔らかく煮て、主に味噌だれで食べる。
いちじく、かぶ、冬瓜、御所柿でも作る。
文銭切り<ぶんせんぎり>
長い野菜やゆで卵の芯を正方形に抜き、
小口から切ったもの。
文銭卵<ぶんせんたまご>
黄身返し、逆卵。
1 生卵の上部に小さい穴を開ける
2 その穴から身を抜き塩か砂糖で味を
3 黄身と白身を分け黄身だけ穴から戻す
4 大根を長角にし穴にさしこむ
5 固定させて蒸す
6 できたら大根を抜く
7 抜いた穴に卵白を入れる
8 再び蒸す
9 出来たら冷まして殻をむく
10 小口から切って盛る 長方形に切った人参を茹で
白身だけを戻し人参をさして蒸し
そのまま仕上げる手法もある
これは『文銭人参』
切ると芯が赤、周りが白になって縁起よい。