料理用語 ち
血肝<ちぎも>
鶏の肝臓。砂肝は胃の一部で砂嚢。
千切り蒟蒻<ちぎりこんにゃく>
指、玉杓子、スプーン、茶碗の縁
これ等で一口大にかきとる。むしり蒟蒻ともういう。
竹紙昆布<ちくしこんぶ>
昆布を薄く削ったもの。
筑前焚<ちくぜんだき>
炒った鶏を野菜と煮る。
いりどり・筑前煮とも言う。
福岡の亀煮(がめ煮)も同じもの。
骨付き鶏のぶつ切りを油で炒め、大根
人参、牛蒡、蓮根、里芋、椎茸等を加え
さらに炒り、水を加え両味(砂糖、醤油)で煮込む。
千草<ちぐさ>
ちぐさ和え、ちぐさ蒸し、ちぐさ焼き、ちぐさ揚げ。
ちぐさの意味は大量/沢山。または青いもの。
知久焼き<ちくやき>
竹焼きとも書く。
京都東山の名物料理である。
太い青竹を節付きで縦割りにし、
片側に山海の材料を入れ、もう片方を蓋にして
天火で蒸し焼きにする。竹の香が材料に移る趣。
池鶏子<ちけいし>
食用かえるの別の呼び方。
字のごとく鶏の味がするからである。
稚児餅<ちごもち>
蝋燭形のもち。
外側は求肥、中は白味噌。
元々は京都三条の若狭屋の特製品。
血抜き<ちぬき>
魚鳥獣肉の血を抜くこと。
1 魚の血抜き
2 鯉は尾4枚目の鱗から包丁。折ってしぼる。
3 鯨、獣肉の内臓は水に放つ。
4 鳥は頭部動脈を切断する。
粽<ちまき>
もち米にうるちを混ぜて練り蒸したものを
ちぎって円錐形にし、笹や菰で包み再度蒸す。
起源は非常に古い。
粽鮨(ちまきずし)はなれ鮨を速成あるいは即製したもの。
笹巻きも同種である。
茶菓子<ちゃがし>
古い作法によれば
濃茶は生菓子
薄茶は干菓子
番茶は種類を選ばず
茶粥<ちゃがゆ>
茶を入れた粥。
茶飯<ちゃめし>
ほうじ茶で米を炊くのが本来。
しかし醤油で茶汁の代わりとする事が多く、
これを桜飯、黄がら茶(黄辛茶飯)などとも言う。
茸(各種)筍、栗,牡蠣、これらの炊き込み飯の基本飯。
茶巾絞り<ちゃきんしぼり>
あんを布巾に包み絞り上げる。
菓子用だけでなく料理全般で多用する。
茶巾鮨<ちゃきんずし>
別名、大内山。
昔赤坂田町の『有職寿司』の茶巾が有名であった。
薄焼き卵で五目鮨を包み干瓢で結ぶ。
点茶のふくさ様に包む他団子状の舎利をくるみ
両端をたらすやり方もある。
茶筅切り<ちゃせんきり>
茶道の茶せんに似せた刀法。
代表的なのがナスの茶せん切り。煮れば茶せん煮。
茶碗吸物<ちゃわんすいもの>
淡白に仕立てた吸い物。
塗り物椀を使わず陶器の器を使う。
あっさり少量が基本。
茶碗蒸し<ちゃわんむし>
空蒸し 卵と出汁だけ。
空也蒸し 豆腐を入れる
小田巻き蒸し(苧環) うどん入り。
鰻蒸し 蒲焼きをのせる。
柱蒸し 貝柱のせる。
栗蒸し 甘煮栗を入れる。
一般的なものは、鶏肉、海老、椎茸、
銀杏、筍、蒲鉾、三つ葉など。
忠七飯<ちゅうしちめし>
炊きたてのご飯に海苔、山葵、柚子をのせ
熱い汁をかけて食べる。
埼玉小川町の郷土飯。
中串<ちゅうぐし>
鰻蒲焼の中サイズ。
茶屋鰊<ちゃやにしん>
両味に生姜をきかせ身欠きニシンを煮たもの。
旅籠や茶屋で旅人に出したと云う。
挺<ちょう>
ご存知食べ物屋で使う「何々いっちょうお願い」
のちょうである。個数の単位を指す。
駕籠かき、人力車夫が用いた言葉が
料理に転用された。
従って丁ではなく挺が正しい。
調理師<ちょうりし>
調理師には【調理師】【製菓衛生師】【船舶料理士】
などがあり
いずれも免許を取得しなければ名称を使用出来ない。
さらに専門調理師・調理技能士・職業訓練指導員
という高度な専門資格も存在する。
しかし実際の現場において必要性があると言えるのは
(資格により待遇が向上するのは)
【ふぐ調理師】と【職業訓練指導員】くらいのものである。
名称も曖昧であり板前全般を【板前】と呼称するのと同じく
洋食でも一般のキュイジニエをシェフと混同する。
さらに全体を料理人と呼称するのであるから、
この免許制度の意味合いは薄いと言わざるを得ない。
栄養士についてはここでは説明しない。
散らし盛り<ちらしもり>
一箇所にかためず、器全体を使い離して盛る
刺身や口代わりの等の盛り付け方である。
散らし鮨<ちらしずし>
五目ちらし(吹き寄せちらし)
鮨飯の上に具を並べたもので主に江戸前(関東)
ばらずし(おこしずし)
鮨飯に具を混ぜ込んだもので主に関西
生ネタを使い始めたのは戦後である。
ちり鍋<ちりなべ>
たんに「ちり」とも言う。鍋物のひとつ。
白身魚・鶏肉・豆腐・野菜などを昆布出汁
を沸かして煮、別にポン酢や酢醤油を添える。
発祥は長崎あたりで、外国人が刺身を避けて
湯引きした事かららしい。
語源は刺身が湯ではぜる様子からと云う。
ちり酢<ちりず>
ポン酢と同じ。だいだいの絞り汁と醤油を同割
それに昆布や鰹節を入れ煮て漉す。
ちり作り<ちりづくり>
刺身刀法のひとつ。
そぎ作り、ふぐ作りした身を皿に並べる。
ちり蒸し<ちりむし>
ちりの材料を蒸したもの。
強火短時間で蒸し上げ同じくポン酢で食べる。
「徳利蒸し」と呼ぶことがあるのは、
五段重ねの徳利型の器で蒸したからである。