料理用語き
生<き>
混じり気の無い純粋な物。生酒、生醤油、生酢等。
生揚げ<きあげ>
日本酒のしぼりたて。生一本。
生上げ<きあげ>
茹でた素材を、水に放たずザル等に取り自然にさます。
祇園料理<ぎおんりょうり>
総菜、大菜、小菜、箸洗い、の献立。
京料理に長崎卓袱料理を加味した享保から続く料理。
足の高い膳で出すのが特徴。
菊花膾<きくかなます>
蒸してアクを抜いた菊の花を三杯酢。
ぎざ包丁<ぎざほうちょう>
羊羹や蒲鉾を切る、波形包丁。
パン切り包丁もぎざ包丁だが、波形の断面にはならない。
木酢<きず>
レモン、柚子、橙等の柑橘類をしぼったものを調味に。
儀助煮<ぎすけに>
博多の宮野儀助なる人の考案した料理。
もとは天日で乾燥させた小魚や海老を、
甘辛く煮て芥子の実や青のり加えたものであった。
水飴と砂糖で煮、唐辛子を入れ、ほうろくで乾燥させるかたちは、
戦後、松浦喜久三という人が再興して後という。
酒の肴で福岡の名産。
生清汁<きすまし>
出汁と醤油だけ、又は出汁と塩だけで作った清汁。
出汁と醤油だけが正しい。
擬製豆腐<ぎせいどうふ>
豆腐に他の材料を加えて調味し、焼くか蒸す。
北山<きたやま>
寒い吹きおろしからか。冬の空腹をさす言葉。
生鮨<きずし>
いわゆる寿司のことではないが、しめ鯖とやり方は同じ。
酢に漬ける時間は短い。
亀足<きそく>
1 祝い膳の足の形。
2 料理材料などを亀の足に似せる。
雉焼き<きじやき>又は素地焼き
雉は最初に醤油、味醂をかけてから焼く。
同様にした他の食材をソテーしたもの。
菊花作り<きっかづくり>
菊の花に似せて作ること。
格子状に包丁した、タコや小かぶ。
かつら剥きにした大根や人参や蕪など巻き込むもの。
他にクワイや蓮根でも造る。
丸菊、乱菊、糸菊、重ね菊の種類がある。
刺身の掻敷にする場合の葉は、菊の葉を使う。
衣被<きぬかつぎ>
衣担ぎと書く場合もある。
里芋を皮ごと蒸すか茹でたもの。新里芋が好い。
蒸す前に横に包丁するとやりやすい。
松茸に似せる松茸むきもある。ふり塩もよい。
砧巻き<きぬたまき>
かつらにむいて塩水でしんなりさせた大根や胡瓜
又は生湯葉で魚や鶏を巻き、甘酢に漬ける。
砧とは衣を打つ台で、それと対の槌の形からこの名が。
杵生姜<きねしょうが>
酢取りしょうがともいうが板前はハジカミと呼ぶ事が多い。
新しょうがの根を杵形に切り、塩を入れ軽く茹で、三杯酢へ。
焼き物や卵焼きに添える。
木の芽<きのめ>
山椒の柔らかい若芽。
①木の芽和え
イカ、竹の子、エビ、アワビ、ウド等を、
菜寄せ(木の芽だけでは苦いので青野菜を加える。青よせ)
と木の芽で当たり、白味噌を甘く調味して和える。
天盛りに木の芽。
②木の芽味噌
③木の芽酢
④木の芽佃煮
⑤木の芽焼き などに使う。
擬宝珠<ぎほうじゅ>
ゆり科の多年草で巻いた若芽の浸しもの。
黄身返し<きみがえし>
逆卵。ゆで卵の卵白と卵黄を逆転させるゆで方。
伝来の方法は複雑で成功率も低いが、
中身を、小穴から抜き出し、
黄身と白身を時間差で蒸す強引な方法もある。
これが料理といえるかは意見が分かれるところ。
黄身揚げ<きみあげ>
金ぷら。イカや白身魚、野菜を、
卵黄、水、小麦粉で溶いた衣で揚げるのが一般的。
黄身醤油<きみしょうゆ>
合わせしょうゆの一つで、黄身と土佐醤油を合わせたもの。
生うに、イカ、ナマコ、オクラ、トロロイモ等に。
黄身白玉<きみしらたま>
主に椀種に使う、黄身ともち米粉を合わせ加熱したもの。
黄身酢<きみず>
和え物、酢の物に多用する。
料理人よって違う事も多いが、基本は、
1 酢、甘(味醂、砂糖)、出汁を加熱。
2 吉野酢に卵黄を加え加熱。
3 固ゆで卵黄を当たり、甘酢と合わせる。
黄身鮨<きみずし>
1 卵黄に砂糖、酢、片栗粉を練りあわす
2 固ゆで卵黄を甘と裏ごし
これをシャリにみたてて、寿司の形にする。
黄身そぼろ<きみそぼろ>
黄身を強調したいり卵。
黄身のみを使う事が多い。
これに甘酢を加えたら、黄身酢そぼろ。
黄身煮<きみに>
霜降りした白身魚に片栗を打ち、卵黄をぬって煮る。
黄金煮ともいう。
黄身蒸し<きみむし>
①魚に卵黄をぬって蒸す
②半熟卵黄を魚にのせて蒸す
③蒸した魚に固ゆで卵黄の裏ごしをのせる
黄金蒸し、菜の花蒸しともいう。
黄身焼き<きみやき>
ハケで卵黄をぬりながら焼き上げる。
黄金焼き、菜の花焼き。
黄身寄せ<きみよせ>
黄身を寒天とあわせて流し固めたもの。
肝酢<きもず>
魚介の肝臓を加熱し裏ごし、それを黄身酢と合わせる。
アワビ、アンコウ、鯛など。
肝と身が同一だと『とも和え』になる。
伽羅煮<きゃらに>
伽羅とは「黒い」の意。
ゴボウ、フキ、ウドなどを生醤油で黒く煮たもの。
味醂と唐辛子も加える。
牛乳豆腐<ぎゅにゅうどうふ>
卵豆腐の一種で牛乳約1・5リットルに卵6個を、
砂糖と少量の塩で調味して蒸す。
九助<きゅうすけ>
吉野くずの事。
ぎゅうひ
求肥 白玉粉に砂糖を加え練った餅。
牛皮
牛皮昆布
真昆布を砂糖と酢で柔らかく煮たもの。
求肥昆布、竜皮昆布ともいう。
これではさんで押したものが「牛皮押し」
巻いたものが「牛皮巻き」ともに白身魚を使う。
字に混同があるのは、
日本で「牛皮」が「求肥」に変化したからである。
京菓子<きょうがし>
京都伝統の干菓子。
足利氏の時代から茶道にからんで発達した。
山水、花鳥、風月に関連した物が多い。
現在の京都は生菓子も盛ん。
京都料理<きょうとりょうり>
一口に京料理といっても、
庶民の料理、普茶料理、御所料理(生間流、四条流)
これらは別々に考えるべきである。
杏仁豆腐<きょうにんどうふ>
杏仁の香りをうつした寄せ豆腐。
御菜<ごさい>
懐石で焼き物をさす。
魚田<ぎょでん>
田楽味噌を塗りながら焼いた白身魚。
魚飯<ぎょはん>
1 魚をのせた汁かけご飯
2 魚の炊き込みご飯
切りご飯<きりごはん>
熱いご飯を枠でかため、角形に切る。
切り胡麻<きりごま>
煎ったゴマを包丁で切ったもの。
切り溜め<きりだめ>
漆塗りの料理を入れる箱。
切り味噌<きりみそ>
八丁や三州の豆味噌を包丁で荒く切ったもの。
銀餡<ぎんあん>
薄い色に仕立てた、くずあん。
銀皮作り<ぎんかわづくり>
かつお、さば等の皮の綺麗な魚を、
皮付きのまま刺身に作る。
金銀豆腐<きんぎんどうふ>
1卵黄と卵白を分けた卵豆腐。
2絹ごしと卵豆腐を合わせた盛り付け。
錦紙卵<きんしたまご>
薄く紙状に焼いた薄焼き卵。
錦糸卵はそれを糸状に切ったもの。
魚や肉を巻いたものを錦紙巻き。
切らず<きらず>
おから・卯の花の事。
切り揚げ<きりあげ>
材料を細かく切って揚げる。
銀紙焼き<ぎんしやき>
ホイル焼きの事である。銀箔焼きともいう。
金平<きんぴら>
千切り、またはササガキにしたゴボウ、ウド、ニンジン
レンコン、ダイコン、シラタキ、ミツバの根、姫皮(筍)
などを、油炒めした後、醤油、砂糖の両味で煮る。
金麩羅<きんぷら>
小麦粉と卵黄の衣で黄色に揚げる。
本来の金ぷらは椿油で揚げたもの。
銀麩羅<ぎんぷら>
小麦粉と卵白で白く揚げる。