料理用語か
掻敷<かいしき>
料理の下にしく、木の葉、紙、笹の葉等。
細工野菜の添え物もこう呼ぶ。
改敷、皆敷と書いてもよい。
掻式<かいしき>
松竹梅を形どった料理、三掻式の事。
おめでたい席で使う。
懐石<かいせき>
元は禅の修行僧が寒をしのぐために懐に入れた
温石の事。
後に粥になり、茶道が始まると軽食をさす言葉に
基本は一汁三菜、箸洗い、八寸。
山海の食材を旬の時期に持ち味を引き出す。
近年は豪華になり、【お向こう、汁、椀盛り、
焼き物、吸い物、八寸、強肴、香の物、水菓
子(果物)】などの献立である。
会席料理<かいせきりょうり>
懐石を崩した宴会、集会料理で、口取りを折り
詰めにした弁当であった。
今は酒宴向きの、宴会料理になっている。
基本は懐石だが、自由な発想で何でもありとい
ったところ。
貝塚煮<かいづかに>
下煮なしでいきなり味をつける煮びたし。淡煮。
貝取り<かいとり>
すり身をかきとって湯に落とし、貝形にする。
鰹節煮<かかに>
おかか(削り節)を加えて煮たもの。
掻き卵<かきたまご>
掻き卵椀のことで略して「かきたま」
葛や片栗の水溶きを加えた椀づゆに、卵を少し
ずつ落として仕上げる。
掻き身<かきみ>
ハモや白身の魚のそぎ身。
隠し味・隠し包丁<かくしあじ・かくしぼうちょう>
めだたない様にする技法。
わさびを隠す、甘味に塩を隠す等の味付け。
魚等の材料を盛ったときに見えない包丁目。
影<かげ>
微量の調味料、香辛料を用いるとき使用する
粕汁<かすじる>
塩鮭、塩鰤を酒粕に入れた椀もの。
霞汁<かすみじる>
魚のすり身を出汁でのばす。
それを白味噌で調味する。
かっぱ
きゅうりをさす寿司屋の隠語。
河童がキュウリを好んだという事から。
割烹<かっぽう>
割は包丁で裂く事、烹は火を入れ煮る加減。
上は中国語であり、料理と調理の合体の意味。
今では日本料理を出す店を割烹店、割烹屋と
呼ぶようになった。
紙塩<かみじお>
魚の身に最も柔らかく塩をふるやり方。
和紙で身をはさみ、紙の上に塩をふる。
魚の旨味を引き出す奥義かも知れない。
空揚げ<からあげ>
唐揚げの文字は用いない。
材料に下味を付け、素揚げまたは
粉をして揚げること。
辛子揚げ<からしあげ>
卵黄にときからしを入れた衣で揚げる。
辛煮<からに>
しょう油としょうが、しょう油と少量の味醂、
辛く煮付ける。
空蒸し<からむし>
素蒸し。
具無しの茶碗蒸し。
薄い塩味だけの蒸し物。
ガリ<がり>
切るときの様子、食べる食感からの由来。
新生姜を薄く切り湯引きし甘酢に漬ける。
寿司の他、卵焼き、酢の物の前盛りにも。
皮ざく<かわざく>
ハモ皮のきゅうり酢等。皮なます。
皮霜<かわしも>
皮にだけ霜降りする技法。
湯霜、焼き霜の二種がある。
これを刺身にするのを「焼き霜作り」
替り鉢<かわりばち>
煮物を蒸し物に
焼き物を揚げ物に
基本の一汁三菜を替えた献立。
関西料理<かんさいりょうり>
砂糖と醤油をきかす江戸前と逆に薄味。
京は野菜、大阪は魚の持ち味を引き出す特徴。
出汁も昆布を用い淡くする事が多い。
「京の着倒れ、大阪の食い倒れ」
現在日本料理の主流になっているが、
にぎり寿司(江戸前)と蕎麦も吸収する柔軟な文化ゆえか。
上方料理ともいう。
岩石卵<がんせきたまご>
固ゆで卵を荒みじんにして塩、砂糖で調味する。
それを簾で巻いて蒸し、さまして小口切り。
関東焚き<かんとうだき>
関東煮。大阪風のおでんの事。四条流。
観音開き<かんのんびらき>
包丁技法。
肉厚の材料に縦に包丁目を入れ左右に切り開く。
甘露煮<かんろに>
材料を素焼きか風干しにし、番茶煮か水煮
柔らかくなったら味醂、砂糖
最後に醤油を入れ煮汁が無くなるまで煮る。
こげつかぬ様に煮ざるを使うか植物の葉を。
鮒、鯉、沙魚、小女子、公魚などを使う。