第6回 第三の株式市場「未公開株取引」
証券会社による証券取引所未上場かつ株式店頭市場未登録株式、いわゆる未公開株の売買、投資勧誘が解禁されました。これにより、取引所、店頭に次ぐ第三の株式市場が誕生することになったのです。新たにこの未公開株の取引を専門に扱う証券会社も登場しており、既存の証券会社のなかにも気配値提示を行う所も出ています。
動き始めた未公開株取引
未公開株を専門に扱うはじめての証券会社として97年7月に設立されたディー・ブレイン証券は、12月18日、初の未公開株の気配値を公表、その日のうちに初めての売買取引が成立しました。ちなみに、同社が「店頭取扱有価証券気配公表銘柄」として気配値を公表したのは、一昨年設立されたばかりの中古船舶エンジンの売買仲介会社「芙蓉インテリジェンス」の株式です。気配値は、買いが額面と同じ50,000円、売りが53,000円でしたが、午前中に53,000円で10株、午後に53,200円で10株、それぞれ売買が成立したとのことです。
例えば、米国では、株式の公募発行は、証券取引委員会への登録などの手続きを踏めば、どんな企業でも自由に行え、株式を公募発行したり流通させたりすることと、特定の市場で株式を上場することは直接結び付けられていません。実際、米国では、創業間もないベンチャー企業の主たる資金調達手段は株式発行であり、米国のベンチャーブームを支えている一因ともいわれています。また、昨今ではインターネットを活用した取引も活発化しています。
|