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楼主: ophelia

経済あっとらんだむ

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发表于 2004-3-15 23:00:00 | 显示全部楼层
谢谢楼主,真的非常感谢!!!
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 楼主| 发表于 2004-4-9 23:00:00 | 显示全部楼层
金融政策とスペイン・ショック (2004.03.17)

  日銀の決定会合は、大方の予想通り「現状維持」となった。日銀では景気が緩やかながらも着実に回復しているとし、先行きの景気判断も個人消費などで上方修正している。更に物価もゼロ近辺に落ち着き、「物価の基調は少しずつ改善しつつある」(福井総裁)としている。円高も110円前後まで修正されてきたから、さすがに追加緩和は言い出しにくい。それにしても、数年前であれば、少なくとも緩和の出口論くらいは出てもおかしくない状況だが、今日の日銀の政策スタンスは、かなり緩和方向に傾いてしまった感が否めない。



  この福井日銀体制も、この20日でまる1年になる。海外からは「機動的、積極的に流動性を供給した」ことを高く評価する声があるが、国内からは「政治的な配慮が強すぎ、日銀の独立性が損なわれた」、「ゼロ金利の広がりで市場機能が低下した」、「全般粋な金利低下で、企業収益は回復したが、金融機関の収益が圧迫された」などの副作用も指摘される。

  評価が分かれるにしても、これだけ政治的に緩和バイアスがかかっている背景には、やはり日米関係重視の小泉政権があり、これを支持する米国のブッシュ政権がある。この大前提が崩れない限り、このまま景気が回復を続け、物価上昇率が水面に出るようになっても、しばらく緩和スタンスは続き、この超緩和、ゼロ金利政策の修正は来年度以降になるとみられる。

  しかし、その大前提に影響を及ぼしかねない問題が発生した。スペインのマドリードでは、選挙の直前に大規模な列車爆破事件があり、結局米国のイラク攻撃を支持した与党が敗北した。サパテーロ次期首相は、早速公約どおり、事態の大きな変化がない限り、スペイン軍をイラクから引き揚げる意向を示した。今年は世界中で選挙が行われるが、日本でも7月に参院選が、米国では11月に大統領選挙が控えている。米国並びにその協力国に対しては、改めてテロ・リスクが意識されるようになったこともあるが、選挙前に反イラク戦争のムードが広まると、ブッシュ政権、小泉政権には大きなダメージになる。支援国のなかからイラク撤兵をする国が続けば、日米が孤立するリスクもある。

  ブッシュ大統領、小泉自民党のどちらかでも選挙で敗北し、政権が交代するようであれば、これまでの日米の協力体制は揺らぐことになる。もちらん、根幹にある日米関係は変らないとしても、今日の極端なまでの金融緩和・為替介入政策は、一旦仕切りなおしとなる可能性がある。日本で自民党が敗北すれば、この7月以降、市場には少なくとも「不透明感」が漂う。米国でも選挙そのものは秋だが、イラク戦略に対する国民の批判が高まると、それを前面に出すケリー候補がそれだけ有利になり、選挙を待たずに市場が新体制を先取りする可能性がある。

  新たな協調体制が確認されるまで、市場では今日の米国財政赤字吸収型の為替介入や、量的超緩和が修正される可能性を見るようになるのではないか。その場合、為替は円高に振れ、債券相場は下落しやすい状況が予想される。
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 楼主| 发表于 2004-4-28 23:00:00 | 显示全部楼层
利上げ観測を呼んだ米雇用統計 (2004.04.07)

  3月の米国雇用が大幅な増加となったことを受けて(正確に言えば、その発表の2分前から)、米国債券相場は急落した。4%を大きく下回っていた10年国債の利回りは、95年以来の急騰をみせ、一時4.2%まで上昇した。そして金先市場は、FRBがこの8月に25bpの利上げに出ることを織り込み始めた。

  308千人の雇用増は、確かに予想を上回るものであった。そして前の2ヶ月分の数字も上方修正された。しかし、これでFRBが利上げに出られるかどうかは、まだ微妙だ。3月の数字には、前月のストや寒波の反動もあって、実勢よりも強めに出ている。1-3月平均でみた17万人増がより実勢に近い。この数字でも前10-12月期の平均6万人増から、明らかに改善しているから、雇用環境が良くなっているのは間違いない。



  それでもFRBの利上げはすんなりといかないだろう。生産性上昇率が高いだけに、足元年率4%以上の実質成長が見込まれているが、それでも労働投入量は年率1.5%増に止まっている。これでは働きたいと思って、職を求める人々を吸収して、失業者を減らしてゆくには力不足だ。現に、家計調査ベースでは、失業率が5.7%に上昇している。時間給も0.1%の微増に止まっている。労働者から見た雇用環境は、引き続き「job hard to get」(職を見つれるのが困難)で、これは消費マインドにも足かせになる。

  物価の「必要以上の安定」が一段落しつつあるが、原油価格上昇の影響が間接的にも出始めた面があり、米国の購買力、需要が海外に流出していることにもなる。これは「デフレ懸念の後退」といって喜んでいられる問題ではない。減税の景気刺激効果も次第に消滅する。

  未利用資源が大きいもとでは、景気回復のもとでも利上げを急ぐべきでない、との見方がFRB内には根強い。ところが、市場は早くも「8月利上げ」を見始めた。市場との軋轢、すれ違いを嫌うグリーンスパン議長は、これまで政策変更をするにあたって、市場の意向をかなり重視してきた。市場の利上げ期待が今後強まった場合に、これを無視して「忍耐」を続けると、市場から「対応が後手に回っている」との悪評を買う。悩ましいところだ。

  少なくとも、今般の雇用統計で、長期金利の異常な低さは修正されつつある。市場のお膳立てが整えば、利上げに出られないこともないが、長期金利が上昇して、引き締めの代用をしてくれるから、これを活かせば、FRBも慌てて利上げに出なくてすむ。いずれにしてもグリーンスパン議長は暑い夏を迎えることになりそうだ。
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 楼主| 发表于 2004-4-28 23:00:00 | 显示全部楼层
1-2%のインフレ (2004.04.21)



  市場では米国のグリーンスパン議長がいつ利上げに出るのかに関心が寄せられているが、期せずして、日米の中央銀行から、望ましいインフレ率は1-2%、とのメッセージが伝えられた。米国では、サンフランシスコ連銀のパリー総裁が先週、「望ましいインフレ率は1-2%」と発言。日本では、3月15、16日の金融政策決定会合において、やはり一部の委員から「消費者物価上昇率については1%以上を目指し、かつ2%程度の上限をおくことを明らかにするのは有益」との意見が表明された。同じ1-2%の上昇でも、それが示唆するところは、日米でかなり異なる。

  まず日本だが、こちらはデフレが後退し、インフレ率がゼロ近辺まで戻ってきたが、まだ金融緩和を継続するための手段、との色合いが強い。金融政策の超緩和状態をいつまで続けるかについて、従来の「消費者物価が安定的にゼロ以上」では心もとなくなったので、よりハードルが高く、明示的なレンジを示そう、ということだ。だから、「1-2%」の提示は、出口論を封じ込め、時間軸の強化を意図したものということになる。

  一方、米国ではこれが「利上げ近し」ととられる。3月の雇用が30万人強の増加となったのに続き、3月の小売が前月比1.8%増と、予想外の高い伸びとなった。これらだけならまだ「特殊要因による一時的なもの」、「RETAIL SALES(小売)は、別名REVISE(修正) SALESとも言われ、後で修正される」などとして、目をつぶることもできる。

  しかし、3月の消費者物価が、コアで前月比0.4%、前年比では1.6%も上昇したから、にわかに「1-2%」のレンジが重みを増す。2月の前年比上昇率は1.2%で、このレンジの下半分に位置していたが、3月はその上半分にシフトした。更に、この半年間の限界的な上昇率は、年率2.8%の上昇となり、いまのペースで上昇すると、米国のインフレ率は、まもなく「1-2%」のレンジを上抜けすることになる。

  米国金融市場は既に8月以降、複数回の利上げを織り込んだ。グリーンスパン議長はもともと市場の意向を重んじるタイプ。20日の議会証言で彼は「デフレの脅威を示す兆候はもう見られない。明らかに状況は変った。」と、暗に政策変更の可能性を示唆した。この夏に利上げに踏み切るとすれば、その前にFOMCで物価のバイアスをインフレサイドに変えてくるだろう。その時点で債券相場はもう一度崩れる可能性がある。
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 楼主| 发表于 2004-4-29 23:00:00 | 显示全部楼层
流動性相場の修正 (2004.04.28)



  日米からの流動性供給が、曲がり角に差し掛かっている。そして流動性相場の修正が随所に見られる。米国では「デフレ懸念が明らかに後退」(FRB)し、強い景気指標と消費者物価の上昇を受けて、利上げ期待が高まっている。FRBは、インフレがまだ広がる状況にはない、として、行過ぎた金利先高観を冷やそうとしたが、市場では夏場の利上げをはじめ、年内50bpの利上げを織り込んだ。当面、4月の雇用が前月に続いて強い場合、あるいは1-3月のGDPが年率5%を越える成長率となるか、はたまたGDPデフレーターが年率2%以上の上昇となれば、利上げ前倒しムードが高まる可能性がある。

  一方、日本ではまだ「金融緩和の出口を論ずる時期にはない」とされるが、当局の緩和姿勢は、一頃に比べると明らかに後退している。前回決定会合にあたって、マネタリー・ベースの伸びが落ちるのを承知で、「現状維持」を採択した。金利についても、一頃みられた「長短金利はともに低いほうが良い」との認識が後退し、円安、株価上昇のもとでは金利が上がることも受け入れるようになった。また、為替介入を見合わせるようになり、この面からの流動性供給も滞るようになった。4-6月の生産が再加速しそうで、足元の景気も良好だ。

  こうした環境変化は、相場にも反映されつつある。まず、米国をはじめとして、主要国の債券相場が大きく崩れている。過剰流動性相場であれば、債券から流出した資金は、株など、周辺市場にシフトすることも考えられるが、今回は欧米の株には資金が向かっていない。

  また、米国の利上げ期待の高まり、長期金利急上昇の中で米ドルが反発している。しかし、為替市場でドルが反発したにもかかわらず、前述のように積極的にドル資産が買われた形にはなっていない。むしろ、ドル資金調達によって対外資産や国際商品などに投資(ドル・キャリー)していた資金が、米国金利の急騰にあって、急遽巻き戻しを行ったとも考えられる。その過程で金などの商品相場が下がり、新興市場の株価が下がり、後ろ向きにドルが買い戻された。

  以上のように、日米の流動性供給が曲がり角に差し掛かる中で、米国を中心に主要国の債券相場が崩れ、その資金が他にシフトすることなく、株式市場、国際商品市場など、多くの市場で相場が下落を見るようになっている。金利急騰の弊害も伝えられるだけに、当局は金利の上がり方にも注意、配慮が必要になっている。
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发表于 2004-5-14 23:00:00 | 显示全部楼层
どこでこの、、、、でもなんとなくどうも1
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发表于 2004-5-14 23:00:00 | 显示全部楼层
どこでこの、、、、でもなんとなくどうも1
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 楼主| 发表于 2004-5-15 23:00:00 | 显示全部楼层
[B]米雇用統計は利上げを前倒し[/B] (2004.05.12)

  つい先ごろまで「ジョブロス・リカバリー」と言われた米国経済が、一転して「雇用を伴う高成長」に姿を転じた。この2ヶ月の雇用は60万人以上の増加となり、職を求める人が増える中でも、失業率が低下する形になってきた。FEDにとって、成長と雇用の拡大が実現してきたことになる。これで米国の利上げはかなり近づいたと見てよいだろう。



  その前に開かれたFOMC(連邦公開市場委員会)でも、既にFEDが利上げ準備に入っていることが窺われた。物価や景気のバイアスこそいじらなかったものの、これまで使ってきた「緩和解除への忍耐(patient)」の言葉を外し、むしろ「超低金利を慎重なペースで解除できる」とした。そして市場が予想している「8月25bp、年内50bpの利上げ」をあえて否定するような発言も見られなかった。

  同じ時期に、ハバード前CEA委員長も、「大統領選挙前に利上げが出来ないということはない。8月に50bpの利上げも否定しきれない」とコメントしている。今般の雇用統計から見ると、この「8月50bp」、ないしは「6月25bp」の利上げもあながち否定しきれなくなった。

  景気が良いから金利が上がる。だから利上げ当初は株価も上昇を続けるのが一般的だ。米国では最初の利上げはもちろん、2度目の利上げから1年間でも株価は4%程度上昇し、3度目の利上げ後もしばらくは上昇するのが「平均像」だ。

  ところが今回は、現実に利上げがなされる前の段階で、つまり金利先高観だけで、早くも株価が下落している。これは、これまでの市場がかなり「流動性」によって支えられていたことの証左でもある。1%という歴史的低金利でドル調達し、積極的に投資を拡大できる状況が終焉しようとしている。そして時を同じくして、1年間に30兆円もの為替介入をして米国へ資金供給してきた日本の通貨当局が、3月半ば以降、バルブを閉めにかかった。金融相場から業績相場への移行前に、今回は流動性相場の「つけ払い」が回ってくる。主要国ばかりか、新興市場の株価下落や、金、銅などの商品相場の下落などにも波紋が広がっている。
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 楼主| 发表于 2004-5-19 23:00:00 | 显示全部楼层
[B]新たな日本売りも克服へ[/B] (2004.05.19)

  先週、日本のトリプル安は短命、としたが、その後新たな日本売り材料が出て、株や円相場の重しになった。しかしこれも克服可能と考える。

  まず設備投資の先行指標である機械受注が、予想外の弱い数字となったことから、「日本のマクロ景気は良い」との認識に不安が投げかけられた。3月の「船舶・電力を除く民需」が予想外のマイナスとなったことから、1-3月期全体が前期比5.6%もの減少となり、更に4-6月期の計画まで前期比3.2%の減少となったからだ。今回の景気回復を担ってきた輸出と設備投資のうち、輸出に対して中国の引き締め、需要抑制の影響や、米国の利上げ観測から、先行き不安が出かかっていた。そこへもう一つのエンジンである設備投資がこれから減少するようになれば、OECDが今年の成長率を3%に引き上げたとはいえ、不安が広がりかねない。そうなると、これまであまり材料視されなかった原油高まで景気を圧迫する要因、との認識が広まった。

  しかし、これも1-3月のGDPが、実質年率5.6%成長という、大方の予想を上回り、米国の成長率をまたもや凌駕するものとなったことで、弱気ムードがかなり後退した。内容も申し分ない。この高成長は、個人消費、設備投資と輸出の3つのエンジンによって、バランスよく生み出されているためだ。だから、仮に中国の引き締めが効いて輸出が伸び悩んでも、内需が支えるだけの力を持ち、設備がいち早く息切れしたとしても、まだ消費が控えている。

  機械受注が先行き弱気見通しを提示したが、一方で日銀短観や日経新聞社の設備投資調査などは、設備投資計画が引き続き底固いことを示している。企業の収益見通しが悪化しているわけでもなく、足元の需要が、予想以上にしっかりしているとなれば、機械受注の数字をもって即座に設備投資が減少すると見る必要もなさそうだ。



  政治面からも日本に対する不安ととられる材料がいくつか出たが、ここにも小泉首相にとっては救いの「風」が吹いた。一つは年金問題が政界を大きく揺さぶり、民主党党首が小沢氏になれば、小泉自民党に対する攻勢が一段と強まり、場合によっては政局にいたる可能性も指摘されていた。ところが、その小沢氏も首相と同様の年金未払いがあったとして、代表を辞退した。これは小泉自民党にとっては救いの風になる。

  また、首相が急遽北朝鮮を訪問することになったが、6カ国協議との兼ね合いや、米国の思惑との違いなどから、海外からこれに対する批判の声もあがり、国内にも米国を配慮した慎重論があった。しかし、これもぎりぎりになってブッシュ政権から「小泉支持」の表明があり、なんとか形が整った。

  市場では相変わらず米国資産の相場下落がドル・キャリーの圧縮、ドル買戻しを呼んでいる。実際、米国債が大崩れした時や、米国株が大きく下落するとドルが上昇する「ねじれ現象」が目立つ。最近でもイラクで統治評議会のサリム議長が暗殺され、米国への不安、負担が高まるとの懸念で米国株が売られ、その中でドルが上昇した。これが基調としてのドル高要因でないことは明らかだ。
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 楼主| 发表于 2004-5-31 23:00:00 | 显示全部楼层
原油の上昇一人旅 (2004.05.26)

  金利先高観の強まりのなかで、ドル・キャリー(低金利のドルで資金調達し、海外の株や国際商品などに投資)の巻き戻しが続き、すでに各方面の相場に少なからず影響を及ぼしている。中でも新興市場の株価の急落や、国際商品相場の下落が目立つ。例えば、この春以降の株価についてみると、アルゼンチン、ブラジル、ロシア市場で2割以上も下落し、アジア市場でも韓国、香港、台湾、タイでも2割前後の下落が見られる。同様に、国際商品相場でも、銅やアルミの相場が1割から2割下落し、小麦やトウモロコシが1割以上下げ、金価格も1割ほど下げている。



  その中で、国際商品相場では原油価格が「別格」の強さを見せている。まず2大需要源である米国と中国での需要増加に歯止めがかからないことが大きい。米国はこれから夏場のガソリン需要が高まる時期になるが、この在庫が依然として不足している。石油精製業者に政府から圧力がかかっているようだが、既にフル稼働の状況で、これ以上の増産は容易でない。米国の原油輸入は、これからも増える見込みとされ、米国の原油需要は冷えそうにない。

  もう一つの需要源である中国は、金融政策を引き締め気味としているが、中国の成長率は依然として高い状況にあり、原油需要は逼迫している。しかも石油備蓄が極めて少ないことから、政府は急遽備蓄タンクを増設して備蓄量を増やそうとしている。その間、原油輸入も増える。2大需要地の原油輸入は増えることはあっても減る可能性は極めて小さい。

  一方の供給サイドは、サウジが増産を呼びかけたものの、これに応えられる国はサウジ以外には乏しい。そのサウジも、国内でテロの脅威にさらされ、パイプライン爆破の影響が懸念される。今回の原油高は、かつてのような一時的な供給不安「油断」によるものではなく、持続的な需給逼迫が背景にあるだけに、短期的な価格下落は期待しがたい面がある。これは消費国の購買力を蝕むと共に、コスト・プッシュの形で物価に上昇圧力をかけ続けることになる。
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 楼主| 发表于 2004-6-4 23:00:00 | 显示全部楼层
  変質する原油とドルの関係 (2004.06.02)

  今週に入ってドル円が一時110円を割り込み、再び円高気味の展開となった。米国の景気指標にこのところ弱いものが続き、金利上昇が一服したことや、サウジアラビアでの治安悪化も一因とされる。しかし、サウジでの襲撃事件を機に原油価格が42ドル台(WTI)に急反発すると、ドル円は再び110円台に戻った。

  ところで、このところの為替相場を見ると、二つの傾向が窺える。一つは、株であれ債券であれ、米国資産が大きく売られると、ドルが上昇する。逆に米国株が上昇ないしは相場が安定しているとドルが下がる。もう一つは、原油価格が上昇するとドルが上昇し、原油相場が下げるとドルも下げる。この二つがリンクする時もある。つまり原油価格が急騰して株が下がるような場合だが、それぞれが個々に影響するケースも見られる。

  例えば今週初の円高は、先週らいの米国指標の悪化に加えて、原油価格が増産期待でやや軟化し、米国の株価や債券相場が落ち着いている中で生じている。これは、短期的にドル・キャリーの巻き戻しがドルを支えていたが、これが剥落すると、根っこにはドル安地合が続いていることを示唆する。このドル・キャリーの戻しは、低金利ドルの前提が崩れ、調達金利が上昇したために起きたと考えられる。米国金利の上昇は今後も続きそうだが、そもそもドル・キャリーの巻き戻しが一巡すれば、後ろ向きのドル買いが一巡し、改めて根っこのドル安が表に出やすくなる。



  もう一つの原油価格との関係は、あまり単純でない。一般には、原油価格が上昇すると、取引通貨ドルの需要が高まり、ドル高になると考えられる。あるいは、かつて産油国はドルで受け取った収入を、ドル資産で哂盲工毪长趣啶盲郡长趣猡ⅳ搿¥筏贰ⅳ长呈辘卧蛠瘠去丧雽g効レートの動きを対比してみると、99年が昨今と同様に原油高とドル高が同時進行したものの、その後は原油価格が反落してもドル高が続いたり、逆に2002年のように原油価格が上昇する中でドルが大きく下落したりするケースも見られた。こうした事実を見る限り、原油価格は、ドルを左右する要因としては決定的なものでない。

  むしろ最近では原油高が必ずしもドル高に結びつかない面も出てきている。まず、産油国の中には、対米関係の悪化もあって原油収入をドルではなく、ユーロや円などに分散する動きが見られる。次に、景気好調下の米国では、原油価格の上昇が所得の流出よりもインフレ圧力を高め、利上げを促進する面がある。これが債券相場や株価を圧迫するが、ドル・キャリーが一巡したあとは、これがドル売り圧力になる。さらに、昨今の原油高には、イラクやサウジでの反米テロや、これに伴う供給制約を懸念する要素もある。米国にしてみれば、石油をはじめとする世界のエネルギー資源に対する支配力を高めることが、そのままドルの信認向上につながる、との狙いもあっただろうが、さすがに米国の強硬な中東戦略には、多くの周辺国から批判の声が高まり、逆に米国への投資、資金還流を阻害する結果ともなっている。原油高は必ずしもドルをサポートする要素ではなくなっている。

  為替でもう一つ注目したいのは、日銀券の収縮だ。日銀当座の追加が難しくなっているところへ、このところ日銀券が収縮気味になっているため、マネタリー・ベースの伸びが目立って落ちている。日銀といえども、日銀券のコントロールは事実上不可能だ。円の供給が落ちることで、為替には円高圧力がかかる。
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 楼主| 发表于 2004-6-11 23:00:00 | 显示全部楼层
  米「慎重な利上げ」を脅かすもの (2004.06.09)

  5月の雇用統計は、二つの面から今月末の利上げにゴー・サインを出した。一つは言うまでもなく、雇用が着実に拡大する状況が確認されたことだ。5月は24万8千人の増加と、概ね予想通りの数字であったが、最近3ヶ月の増加ペースは、月平均30万人を超えている。そして、今回の景気回復が始まって以来の雇用者数がプラスに転じ、いわゆる「ジョブレス・リカバリー」の汚名が返上された。

   

  もう一つは、労働コストの上昇がいずれ米国産のインフレにつながる可能性を暗示し始めたことだ。これまでFEDは「原油や資源価格が上昇しても、これらの影響は小さい。消費者物価の3分の2を占める単位労働コストが上がらないうちは問題ない」との認識を示していた。ところが、この1-3月の単位労働コストは、年率0.8%ながら、前期に続いて上昇し、いずれ米国にも「国産のコストプッシュ・インフレ」が生じる可能性を否定しきれなくなった。原油や鉄鋼などの価格がこれから落ち着いてきても、この単位労働コストが上昇を続けると、物価への影響はずっと大きく、金融当局は「慎重な利上げ」と言っていられなくなる。

  この単位労働コストは、生産性上昇率と賃金コストのバランスによって決まるが、足元では生産性上昇率が年率3.8%上昇する一方で、賃金コストがこれを上回ってきたことによる。それもいわゆる賃金ではなく、フリンジ・ベネフィットの部分が大幅な上昇となっていることが寄与した形になっている。

  そこへ最近になって、これまで抑制されていた賃金の部分も上がり始めた。5月の時間あたり賃金は前月比0.3%(年率3.6%)の上昇となったが、この2月までの1年間に1.6%しか上昇しなかったのが、5月までの1年では2.2%に高まり、そして足元の瞬間風速では年率3%をも超えるようになっている。労働需給の改善に伴って、労働者の賃金交渉力も高まってゆく。フリンジ・ベネフィットの上昇に賃金上昇が加われば、労働コストの上昇テンポは加速する。一方の、生産性上昇率は金融当局も次第に低下すると見ているようだ。そうなれば、米国の単位労働コストの上昇もこれまで以上に加速することになる。

  消費者物価上昇に最も影響する単位労働コストの上昇は、いわば「国産のインフレ」圧力になる。原油や資源価格が落ち着いても、国産インフレの圧力が高まることは、FEDにとっては脅威であり、これが実際にインフレと結びつくようになれば、金利を「中立」水準に戻すだけではすまなくなる。そこでは「慎重な利上げ」を選択する余裕も無くなる。だからこれは早めに抑えておかねばならない問題だ。利上げが遅れれば、その分大幅な利上げが必要になる。
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 楼主| 发表于 2004-6-18 23:00:00 | 显示全部楼层
~ 今週の「経済あっとらんだむ」はお休みです。次回更新は、6月24日(木)です ~
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 楼主| 发表于 2004-6-28 23:00:00 | 显示全部楼层
  金融の「非常事態」も修正へ (2004.06.23)

  先週は、10年国債の利回りが一時1.94%まで上昇した。わが国の景気が順調に回復を続け、日銀の超金融緩和策の「出口論」が意識されるようになったことが背景にある。この日銀による「超金融緩和策」に対しては、当局と市場との間に、少なからずパーセプション・ギャップがあるように見える。市場はこの10年余り続いた金融緩和に浸りきってしまったために、その修正や金利上昇をイメージしにくい面がある。

  そもそも、日銀による「ゼロ金利政策」も「日銀当座預金30-35兆円」も、いずれも「非常事態対応」だ。これは、日本経済が「デフレの淵にある非常事態」にある、との認識のもとにとられた、いわば臨時異例の措置、ということになる。



  その日本経済だが、日銀は先の金融経済月報で、はじめて「緩やかな」の言葉をはずし、普通の「回復」にあるとの認識を示した。これは、バブル崩壊後、3回目の回復で初めてのことでもある。少なくとも、日本経済が今なお非常事態型政策を要する状況にあるのかどうか、チェックする必要があるだろう。

  日本経済が非常事態にある、との認識の背景にあったのは、前述のように、日本経済がデフレの淵にあり、デフレ・スパイラルに陥る、との不安であった。しかし、少なくとも、日本経済がデフレ・スパイラルに陥ることはなく、一般物価下落の中でも景気は上昇し、企業収益も拡大した。今日ではその物価の下落にも歯止めがかかりつつある。

  こうした議論に対しては、次のような反論も予想される。つまり、消費者物価や企業物価の下落には歯止めがかかったものの、GDPデフレーターは依然、年率2%以上の下落が続いている、というものだ。ではデフレの認定にあたって、消費者物価とGDPデフレーターとでは、どちらが尺度として適しているのか。

  一般に、先進主要国の間では消費者物価指数をメルクマールとして使っているようで、日本でも日銀はこの消費者物価の騰落率を尺度としている。これはそれでよいと考える。GDPデフレーターは、付加価値部分の物価指数、あるいは日本株式会社の「単位採算」を表す、限定的で特殊な尺度だからだ。単位採算、という側面で見ると、企業のビジネス・モデルが、攻撃的な価格戦略によって販売量を増やし、収益の極大化を図るような場合、マージンはやや縮小しても、全体の収益が増えるケースがままある。これは「デフレ・スパイラル」とは程遠いものだが、今日の日本では、マージンであるGDPデフレーターがやや縮小するものの、販売数量にあたる実質GDPが最近では年率6%もの拡大を示し、総利益にあたる名目GDPも拡大するようになっている。需給ギャップも急速に縮小している。こうした状況では、GDPデフレーターの下落をもって、直ちに「デフレ」と言うのは適切でない。

  もっとも、一般物価の下落には歯止めがかかりつつも、資産デフレの面ではまだ地価の下落が続いている。この面からのマイナス効果がまだ出てくるが、そもそも地価の騰落を金融政策で管理することは、およそ不可能に近い。幸い、金融機関への影響が大きい都心部の地価に下げ止まり感が出てきており、株価も上昇傾向にある。そうした中で、足元ではマネーサプライM2が2%台の増加率を回復した点に注目したい。金融機能が回復すれば、バブル崩壊の後遺症はかなり軽減されたと考えられる。

  日本経済がもはや「非常事態」にないとすれば、金融政策だけがいつまでも非常事態対応を続けると、「過剰緩和」、「ビハインド・ザ・カーブ(対応が後手に回る)」を通じて、かえって長期金利を上昇させる面がある。これは財政当局の負担を高めることにもなる。

  1%のインフレ率をメルクマールにしたり、あるいは「総合判断」と称して政治配慮をしたりして、現実に物価が上昇基調に入るまで超緩和を続ければ、対応が後手に回って、長期的な物価の安定をみずから阻害することにもなりかねない。中央銀行への信認が損なわれると、その分長期金利は高くなる。経済が正常化すれば、金融政策も通常の形に戻すのが筋だ。
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 楼主| 发表于 2004-7-3 23:00:00 | 显示全部楼层
  長期金利の動き~市場は正常 (2004.06.30)

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  日銀はやはり長期金利の上昇を容認しているように見える。先週の日銀決定会合後に行われた福井総裁の会見は、表向きは「速すぎる長期金利の上昇を冷やした」ように見えて、実は「市場は正常に動いている」として、金利の動きを容認している。また、景気回復が続く中で早くも緩和の「出口論」が出てきていることに対し、「3つの条件が満たされるまで、粛々と今の緩和を続ける」、「3つの条件がクリアされるまでかなり長いと思う」として、市場の思惑を牽制したように受け止められた。

  しかし、量的緩和解除後のゼロ金利期間も含めて、「ゼロ金利が長く続くとか、続かないとか、何か判断しうる材料は今何一つない」、「3つの条件を修正するつもりは全く無い」と、あくまで自然体。今すぐ動くことは無いが、状況が変れば別の話しだ、とも受け止められる。そもそも、根底にある景気判断について、「生産活動や企業収益から雇用者所得への好影響の波及は、次第に明確化していく」と、自信の程をみせている。

  結局、「3つの条件が揃うまでは緩和を続ける」、としか言っていないわけで、景気が回復を続ければ、いずれ政策変更がある、として長期金利が上昇する事態に対して、多少先走りはあるが、自然な動き、との認識を示したことになる。

  では物価上昇率がプラスになったときに、日銀はどう動くのか。おりしも、欧米主要国が利上げモードに入ってきたが、日本は「総合判断」を盾にして金融緩和の「アンカー」役を果たすのか。はたまた世界の流れに仱盲凭徍亭涡拚讼颏Δ韦

  まず消費者物価の上昇率だが、10月の「展望」までに単月では前年比プラスで出る月があるりそうだ。これが今年度下期になると、プラスの月が複数回出るようになるとみる。この10月時点で、消費者物価予想をプラスと見る審議委員が一部に出る可能性がある。もっとも、3つの条件のうち、再びマイナスに転じる可能性や「総合判断」によって、日銀はかなり裁量的な判断が可能になる。しかし、現実に物価がプラスになる状況を前にすると、市場は次の当局の動きを先取りして動く。日銀内部にも「物価がプラスの状況でゼロ金利を続けるのは不自然」との見方がある。そこで「アンカー」機能を果たそうとすれば、先週も示したように、「ビハインド・ザ・カーブ」ととられてますます長期金利に上昇圧力をかける。

  従って、異常な量的緩和を解除すべき状況となれば、やはり異常なゼロ金利政策の修正も必要になる。そこにインフレ参照値を設けて時間軸を長期化し、ゼロ金利の維持を図ることは、ビハインド・ザ・カーブの感を助長するだけで、財政負担がかえって高まる。しかも、金融がグローバル化した今日、主要国が緩和を修正し、流動性を吸収するときに、日本だけが蛇口を全開にしても、お互いの政策効果を減殺するだけだ。IMFも主要国に行過ぎた緩和の修正を求めている。マクロの回復がこのまま続けば、日銀の出口対策は予想外に早まる可能性がある。
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