て
〔完了の助動詞「つ」の連用形からでたものといわれる。ガ・ナ・バ・マ行五段活用の動詞に付く場合には「で」となる。形容詞型活用の語の後では「って」の形をとることもある〕
(接助)
動詞型および形容詞型の活用語の連用形に接続する。前後の句を単に接続するのが本来の用法である。
(1)動作・作用・状態が継続し、または引き続いて起こる意を表す。…てそれから。
「冬がすぎ―、春がくる」「顔をあげ―じっと見つめる」「薬を飲んで寝る」
(2)原因・理由などを表す。ので。
「人にすすめられ―、本を読む」「金が欲しく―、盗みをした」「直接会っ―、渡す」
(3)方法・手段を表す。
「無理をし―、学校に行く」「塩を入れ―、味を調える」
(4)並列・添加・対比などを表す。
「つよく―、やさしく―、ほんとにすてきよ」「重要にし―、かつ緊急を要する議案」
(5)(「…て…て」の形で)強意を表す。
「買っ―買っ―買いまくる」
(6)逆接的に用いる。…のに。
「よく知ってい―、知らせてくれないとはいじわるな人だ」「手は、生先き見え―、まだ、よくも続けたまはぬ程なり/源氏(橋姫)」
(7)〔「について」「において」「に関して」などの形をとって〕事態・状況や関連する物事などを示す。
「本案件につい―、質疑はありませんか」「予想に反し―、大敗した」
(8)あとに補助動詞が続く形で、動作・作用の様態をさまざまに表現するのに用いる。
「見上げ―いる」「書い―しまう」「行っ―みる」「し―やる」「読んであげる」「木を切っ―くる」
(9)動作・作用の内容を表す。…していると。
「間遠に聞きならひ給へる御耳にさしあてたるやうに鳴き乱るるを、なかなかさまかへ―おぼさるるも/源氏(夕顔)」
(10)「ては」「ても」の形で条件句を作る。 |