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本音と建前
李さんは会社の仕事にも次第に慣れ、上司の信頼も徐々に増やしました。今回は新しい取引先メーカーとの交渉を任され、無事、商談成立に漕ぎ着けました。
小李在公司工作基本已经习惯了,也逐渐受到上司的信任。这次就受权接到和新客户的交涉,经过不懈努力最终商谈顺利完成。
木下課長は今後の付き合いを考慮にいれて、先方の長谷川部長を接待することにし、李さんはその準備を頼まれました。
木下课长考虑到今后的交往招待了对方长谷川部长,此事的一切准备也都交由小李负责。
場所は長谷川部長の好みに合わせてカラオケスナックになりました。李さんは長谷川部長に楽しんでもらうには、雰囲気を盛り上げようと考え、まず、演歌を二、三曲歌いました。
地点根据长谷川部长的喜好定在了卡拉OK包厢。小李为了能让长谷川部长开心,提高气氛就先唱了两三首歌。
けれども、日本人の場合は、自分が楽しむより相手を立てて楽しませることを第一に考え、接待します。ですから、木下課長は困った顔をしていたのです。
虽然如此,作为日本人的话比自己快乐更重要的是尊重对方并使对方快乐。因此,木下课长一脸为难的表情。
カラオケに招待された長谷川さんが、楽しかったといったのは「建前」なのです。「本音」を言えば、自分が歌えなくて余り楽しくなかったはずです。しかし、長谷川さんは、会社の代表として、個人の感情を抜きし、不愉快な感情を表に出さず、接待した側の会社に感謝したのです。
在卡拉OK被招待的长谷川先生说很开心,其实是“原则话”。如果说“真心话”,那就是我没能唱到歌所以不开心。但是,长谷川先生作为公司的代表,放弃个人的感情,所以没能把不愉快的心情表现出来,而是感谢招待自己的公司。
「建前」は、「原則として」とか、「表向きには」という意味です。公的な立場からの見解について述べる時に使われます。それに対して、「本音」というのは、その人の本当の気持ちです。日本人社会は、人間関係を優先し、「和」を大切にします。この和を保つためには、私的な感情を表面に出さず、原則である「建前」でコミュニケーションすることが必要になるわけです。
“原则话”是作为原则性、公开性、表面性的一种意思。站在公共立场来叙述见解所用的。与此相对的,所谓“真心话”是此人真正的一种心情。日本人社会最优先的是人际关系,所以“和气”是至关重要的。为了维持这种和气的气氛,不公开表现出私人感情。作为原则的“原则话”在交流中是比不可少的。 |
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