Author:直美
特別じゃない
ただ特別な病気に選ばれてしまった
少女の記録━━━━
「お母さん、これがお嬢さんの脳の画像ですが、こちらの正常な脳の画像と比べてみてください。小脳が萎縮しているのがわかると思います。お嬢さんの病気は何らかの理由で小脳が萎縮し、そこに存在するさまざまな神経細胞が次第に失われて行くと言うものです。つまり、壊れて行くと理解してください。」
「壊れる?」
「最初はほとんど自覚症状はありませんが、まず、歩行時にふらつきが見られるようになります。転倒も多くなり、自分とものの距離がうまくとれなくなり、あるいは、字がうまく書けなくなったり、言葉をうまく話せなくなります。症状はゆっくりですが、確実に進行します。」
衝撃の医師の告知場面から、スタートです。
池内亜也(沢尻エリカ)は豆腐店の娘。父・池内瑞生(陣内孝則)と母で保健師(元看護士)の池内潮香(薬師丸ひろ子)、それに三人の兄妹がいる。
毎日の日課は家業の豆腐店を朝、手伝うこと。これでみんなお小遣いをもらっている。
高校受験の当日、いつものように家の手伝いをして、受験に向かう。しかし、バスの中で居眠りしてしまい、乗り過ごしてしまう。
慌てて次の停留所で降りて、会場へ向かうが途中で転んで怪我をし、しかも自転車を倒してします。ちょうどその時、麻生遥斗(錦戸亮)が受験を辞めて帰る途中だったが、雨も降り出し、怪我をしている亜也を見かねて、受験会場まで送る。しかし、遥斗は受験するつもりがなかったのだが、ことの成り行きで、受験してしまう。遥斗には受験したくない理由があったのだろうが、まだわからない。ただ、家庭環境はうまく行っているとは思えないけど。
亜也は受験に合格し、念願の高校に進学する。そして、同じクラスには助けてもらった遥斗がいた。しかも、亜也と遥斗はクラス委員に選ばれる。ただ、名簿順が一番と言うことで。まあ、だいたい、一学期ってそんなものかな。
しかも、合唱コンクールの指揮者に亜也が指名される。
亜也の体調は異変を見せ始める。登校時に転んでしまうが、手でかばわずに顔からぶつけてしまうとこや、これまでの亜也の異変に不安を感じた母は検査を希望する。
亜也を担当したのは大学病院の水野宏(藤木直人)は日々のちょっとした異変を書き留めておくように勧める。
その頃亜也は自習中のクラスメイトに合唱コンクールの曲についてみんなで曲について話しあうことを提案するが、クラスメイトに相手にされない。
実力テストのために、自習したいと言うクラスメイトに、
亜也は
「時間はいくらでもあるじゃないですか」
亜也は父の経歴をしゃべり始める。クラスメイトに遮られるが、
「父はそうやって遠回りをしたけど、でも何一つ無駄なこことなんてなくって、遠回りをしたからこそ、豆腐屋さんを継ごうと思ったんです。
だから、寄り道をしたり、遠回りしたって良いんじゃないかなって。焦らずに、いろんなことに挑戦したり夢中になったりして。みんなで無駄なことするのも、悪くないんじゃないかな。だって、私たちにはまだまだたくさん時間があるんだから。」
冷たかったクラスメイトも少しずつ彼女の言葉に耳を傾けていた。
水野は検査結果を両親二人で来るように連絡する。
こう言うの怖いよね。つい悪い方に思っちゃう。
潮香は結局、ひとりで、水野に会いに行った。そこで、重大な事実を知らされる。
水野は
「お嬢さんの病気は脊髄小脳変性症だと思われます。症状はゆっくりですが、確実に進行します。
ただし、身体を動かす神経を破壊されても、知能にはなんら問題はありません。身体を動かしたいのに動かない。しゃべりたいのにしゃべれない。そういう自分をしっかりと認識出来てしまうんです。非常に残酷な病気です。」
「治りますよね?・・・・・・治るんですよね?」母の必死な問い掛けに、水野の答えは非常なものだった。
「私の知る限り、完治した例は一例もありません・・・・」
辛い、辛すぎるよ。普通、病気って、悪くなればなるほど、意識はなくなって行くよね。でも、この病気は意識がちゃんとあって、しかも、病気の進行を自覚出来てしまう。ほんとに残酷な病気です。
花ならつぼみの私の人生
この青春の始まりを、
悔いのないように大切にしたい
実話のドラマ化と言うことで、期待していたドラマだったけど、一話を見て、けっこう良かった。いきなり病気のことが語られたり、びっくりしたが、主役の沢尻エリカが輝いていたように見える。また、今後の錦戸亮にも魅かれる。陣内さんは相変わらずの演技。良くも悪くも、彼にはそういう演技しか出来ない。(笑) |