千尋:あの...ここで動かせてください。
湯バーバ:馬鹿なお喋りは止めとくれ。そんなヒョコヒョコに何が出来るのさ。ここはね、人間の来るところじゃないんだ。八百万の神様たちが疲れを癒すしに来るお湯屋なんだよ。それなのに、お前の親はなんだよ!お客様の食べ物を豚のように食い散らして!当然の報いさ。お前も元の世界には戻れないよ。子豚にしてやろう...、あっ石炭という手もあるね。ハハハハハッ...震えているんね。でもまあ、よくここまでやって来たよ。誰かが親切に世話を焼いたんだね、。褒めてやらなきゃ。誰だい、それは?教えておくれな。
千尋:あ、ここで動かせてください。
湯バーバ:まだそれを言うのかい
千尋:ここで働きたいんです。
湯バーバ:だーまーれー!何であたしがお前を雇わなきゃならないんだい。見るからにぐずで甘ったれで泣き虫で頭の悪い小娘に、仕事なんか有るもんかね。お断りだね。これ以上ゴク潰しを増やしてどうしろっていうんだい。それとも、一番つらーい、きつい仕事を死ぬまでやらせてやろうか。
千尋:はっ
赤ん坊:(泣き出す)アダー
湯バーバ:ああ、止めなさい。如何したの?えっ...今すぐ行くからいい子でいなさいね。まだいたのかい。さっさと出ていきな。
千尋:ここで働きたいんです。
湯バーバ:大きなな声を出すんじゃないよ。(赤ん坊に)ああ、ちょっと待ちなさい。ねっ、ねっいい子だから、ほらほら。
千尋:動かせてください。
湯バーバ:分かったから静かにしておくれ!(赤ん坊に)ああよーしよーし...契約書だよ。そこに名前を書きな。動かせてやる。その代わりいやだとか帰りたいとか言ったらすぐ子豚にしてやるからね!
千尋:あの、名前ってここですか?
湯バーバ:そうだよ。もうぐずぐずしないで、さっさとかきな。まったく、つまらない誓いを立てちまったもんだよ、働きたいものには仕事をやるだなんて、ハッ!書いたかい?
千尋:ハイ。あつ...(契約書は湯バーバの方へ舞い上がっていく)湯バーバ湯バーバ:ふん、千というのかい。
千尋:ハイ
湯バーバ:贅沢な名だね。今からお前の名前は千だ。いいかい、千だよ。分かったら返事をするんだ。千!
千尋:ハ。。。ハイ
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