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《龙马奔走》之《三 去江户(2)》

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发表于 2007-6-11 12:56:28 | 显示全部楼层 |阅读模式
竜馬がゆく
三 江戸へ(2)

 船が、天満八軒家から五里さかのぼって河州枚方(かしゅうひらかた)についたときは、岸辺の村々から一番鶏の声が聞こえてきたが、水面をこめている闇は、なお深い。
 名物のくらわんか船が群がってきた。はじめ竜馬は、喧嘩を売りに来たのか、と思った。
 餅、煮物、酒、小間物(こまもの)、絵草紙(えぞうし)など、さまざまのもの売り舟が、
 「餅食わんか」
 「酒くらわんか」
 「絵草紙買いさらせ」
 などと口ぎたなく叫びつつ漕ぎ寄せ、客が買わないと散々悪態をついて漕ぎ散ってゆく。乗り合船だけでなく、相手が大名、堂上(どうじょう)の座乗船でもこの悪態は変わらない。
(たいそうもない土地だな)
 伝説では、大坂ノ陣のときこの河内の川沿いの村人が徳川方に便宜を図ったため家康が喜び、「褒美を取らせよう。望みを申せ」というと、里長(さとおさ)がつつしんで、
 「されば当地の言葉は汚うござりまする。淀を上下する旅船に物を売りまするときに、汚きままにて物売りをしてよし、とお許し下されば仕合せに存じまする」
 このため天下御免の悪態になったというのだが、むろん俗説に相違ない。他国の者には悪口雑言に聞こえるが、この土地の人にとっては普通の言葉なのである。
 竜馬は小銭を出して餅を買い、再び布団をかぶってまるで子供が盗み食いするようにもぐもぐと食い始めたが、いつの間にか、また寝入ってしまった。
 目が覚めたときは、天がほのかに白みはじめている。
 (どこだろう)
 と、とまの下から、闇をのぞいてみると、かすかに対岸の山の姿が浮かびあがっていた。
 このとき横で、不意に煙管で舷側をたたく大きな音がした。竜馬は音に誘われるようにして振り返って、
 「どこかね、ここは」
男は、黙っている。
旅の行商人ふうの男で、ひどく背が低いが顔は不釣合いに大きい。
たしか天満の八軒家で乗船したときからこの男は竜馬の横に座っていた。竜馬が今改めて気づいてみると、この男は最初から席に座ったきり、横にもならず、黙然と一晩中たばこを吸い続けてきたような気がする。
「あんた、耳が、ないのかね」
 男はじろりと竜馬をみて、
 「あるさ」
 ぞんざいな口のきき方であった。さすがに竜馬もむっとして、
 「ここはどこか、聞いている」
 「淀にちかい」
 どうやら旅になれた江戸の薬商人といったところらしい。
 話はそれきり途切れたが、しばらくして男は不意に微笑をして見せた。
 「坂本の旦那、でしたね」
 「……」
 今度は竜馬が黙る番だった。

 なぜ、名前を知っているのか。
 「なぜ、おれの名前をしっている」
 旅に出てから、竜馬が始めて油断のならない人物に出遭ったような気がした。
 「知るも知らねえも、旦那御自身がおっしゃったはずじゃございませんか」
 「どこで、おれは申したかな」
 「大坂の高麗橋のたもとで」
 竜馬は、遠い目をした。とすれば、辻斬りの岡田以蔵の一件を、この男は見ていたのか。

 「いったい、お前は何者じゃ」
 眼つきから察しても、ただの薬の行商人とは思えない。
 「あっしですかね。覚えといておくんなさい。寝待(ねまち)ノ藤兵衛(とうべえ)と申しやす」
 「妙な名だな。稼業はなにをしている」
 「泥棒」
 闇の中で、藤兵衛はひくく笑い、
 「でござんすがね。けちな賊じゃねえつもりだ。若いころから諸国の仲間ではすこしは知られた男のつもりでいる」
 「おどろいたな、泥棒か」
 「だ、旦那、お声が高え」
 「あ、そうだった」
竜馬は声を低め、
 「しかし驚いたぞ。俺は田舎者だからついぞ知らなんだが、世間の泥棒というのはお前のように稼業と名前を触れ歩いていくものか」
 「冗談じゃねえ、物売りじゃあるまいし、どこの世界に、泥棒のくせして自分の稼業と名を触れ歩く馬鹿がいるものですかい。あっしは旦那が気に入ったんだよ。ちょっと打ちとけてみるきになったんだ」
 藤兵衛の話では、高麗橋の一件のあと、天満八軒家の船宿まで竜馬と以蔵のあとをつけていったというのである。
「それくらい物好きでなきゃ、この稼業人にはなれやしません。もっとも、あっしは遠州のほうへ出かける用があって、無駄をしたわけじゃありませんがね」
 「京屋のどこにいた」
 「お隣室でしたよ」
 だから、竜馬と以蔵の話は、いっさい耳に入ってしまったらしい。
 「しかし旦那、あんたは騙されたね。あの岡田以蔵さんという人は悪い方じゃなさそうだし、お父(とつ)つぁんが死んだために江戸から国へ帰るというのも嘘じゃなさそうだが、路用がなくなってやむをえなく辻斬りをしたというのは、あれは下手な嘘だ」
 「ほう」

「大坂島之内の遊里に丁字風呂(ちょうじぶろ)清兵衛という名高い家がある。そこの娼妓(こども)でひなづる。女の名などどうでもいいが、その女のもとで流連して路用を使い果たしたはずなんだ。あっしが見ただけでも、五日は丁字風呂にいた。だから、旦那にもらった金で、いまごろは豪勢に風呂酒をあそんでるだろう」
 「ほんとうか」
 「嘘じゃねえ」
 「以蔵め、そいつは面白かったろうな」
 以蔵の身になって笑い出した。竜馬は生まれつき明るい話が好きな男だから、足軽以蔵の陰気な話がやりきれなかったのだが、いまの藤兵衛の話で救われたような気がした。妙な性分である。腹が立つよりも自分までが風呂酒を飲んで陽気に騒いでいるような気分になってくる。
日が傾いたころ、船は伏見に着いた。
 竜馬が荷物をまとめいると、寝待ノ藤兵衛が横からしきりと世話を焼いて、
 「旦那、伏見のとまりはどこになさいます」
 もう人前だから、お店者(たなもの)の言葉になっている。
 「そうだな、別にあては、ないな」
 「ではこうなさいまし。手前の懇意な船宿で寺田屋というのがございます」
 「ふむ」
 「亭主は伊助と申し、人のいい男でしたが、先年亡くなりました。いまは、お登勢(とせ)という後家が女手でやっておりますが、これがまた、京女を江戸の水で洗ったような気っぷの女でございましてな」
「ははあ」
 「なんでございます」
 「やはり、お前の泥棒仲間か」
 「冗談じゃねえ」
 と藤兵衛は急に声を引くし、
 「これでも表向きは、江戸の薬屋藤兵衛ということになっているんで。金創(きんそう)、打身(うちみ)の薬なら藤兵衛どんということで、諸国の顧客(とくい)さまからありがたがられている。本業を明かしたのは旦那が始めてですぜ、恩に着せるわけじゃねえが」
 「泥棒に恩に着せられてたまるか」
 「いやだねえ」
 
 寺田屋にはいると、すぐ女将(おかみ)のお登勢が挨拶に来た。
 「こちらが、土佐藩の御家中で、坂本竜馬という旦那だ。いまに日本一の剣術使いになるお人だから、大事にしておくがいい」
 「江戸へ剣術修業どすか?」
 と、登勢が黒い大きな眼で竜馬を覗き込んだ。
 竜馬がうなずくと、
 「それはご苦労はんどすな」
 京言葉で大げさに感心されるとからかわれているように聞こえるが、土地では普通の挨拶らしい。
 「二、三日、京見物をしてお行きやすか」
 「いや、あす早暁に立つ」
 「ゆっくりしてお行きやすな。お登勢がご案内して差し上げますえ。江戸や大阪は活気があってよろしおすやろけど、京伏見の静けさも、格別のものどすえ」
その静かな京が、わずか数年のちに剣戟腥風(けんげきせいふう)のちまたになろうとは、天下のたれもが予想も出来なかった。まして寺田屋お登勢にとって、眼の前でにこにこ笑っている青年が、幕府を震え上がらせるほどの大立者(おおだてもの)になろうとは夢にも予想できない。
 ただ、お登勢は思った。
 (なんと可愛らしい若者だろう)

眉がふとく、瞼が厚く、また顔一面に雀斑(そばかす)があるが武骨すぎるが、唇(くち)もとが、異様なほどあどけない。無愛想なくせに、肌からにおってくる愛嬌があった。
 (このお人は、おなごにも騒がれるかもしれないが、それ以上に男のほうが騒ぐかもしれない。この人のためには命もいらぬというのが、多勢出てくるのではないか)
 お登勢は、旅籠のおかみらしく、品物を値踏みするような丹念な眼で、竜馬を見た。後年、竜馬のために、時には死を賭(と)して面倒を見たお登勢との付き合いは、この時にはじまっている。
 その時、カラリと障子があいた。武士が立っていた。
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 楼主| 发表于 2007-6-11 12:57:21 | 显示全部楼层

中译

中译:
  船自天满八轩家逆流而行五日里左右,到达河州枚方之时,岸上村子里传来了头遍鸡叫,笼罩在水面上的沉沉夜色却越发的浓重了。
  当地出了名的兜货船,成群结队地拥了上来。起初,龙马还以为是来找茬吵架的呢。
  年糕、菜肴、酒、小杂货、画张儿○1,林林总总,卖各式什物的小船摇将近来,摇船人嘴嚷嚷道:
  “吃年糕不吃?”
  “喝酒不喝?”
  “看画张儿不看?”
  要是客人不买,就骂骂咧咧地散去。对客船是这个样子,即便对公卿大人的座船也是这副德性儿。

   (这个地方可真够戗啊)
  据说,在大阪之阵○2之时,河内沿河的村民曾帮过德川方面的忙,所以,德川家康很高兴,说是:“该奖。说吧,想要什么?”,于是,里长小心翼翼地说道:
  “这么说来,就这样吧。本地的言语粗俗难听,请准许我们仍用粗俗的言语向往来于淀川的客船兜售货物”
  于是,便造成了这种天下通行的丑态。当然,这仅仅是一种传说而已。这种外地人听起来不堪入耳的粗言秽语,对本地人来说极其普通平常的。
龙马掏出零钱买了一点年糕,重又盖上被子,就象小孩子偷吃一般,闭着嘴吃了起来,不一会就又不知不觉地睡着了。
等他睁开眼睛的时候,天光已微微泛白了。
(到了那里了?)
从苫棚下向夜色中望去,对岸的山峦若隐若现。
这时,身边突然响起了烟袋敲击船帮的声响,敲得还很响。龙马好像是被这声响勾过去似的,转过头,问道:
“这是到了哪里了?”
身边的男人一声不吭。
那男的像个跑单帮的,矮个儿,脸蛋子却出奇的大,很不协调。
这个男人似乎自从在天满的八轩家上船后就一直坐在龙马的身边。龙马现在想起来才发觉,这个男人老这么坐着,根本就没躺下睡过觉,整个晚上都一声不吭地在抽烟。
  “喂,你没长耳朵吗?”
  那男人瞪了龙马一眼道:
  “长着呢”
  口气相当简慢,即便是龙马,听了也很不受用。
  “这是哪里?我在问你呢”
  “离淀川不远了”
  听口气,他像是个久跑江湖的江户药商。
  他们的对话,到此就断了话头了。可不一会,那男人却出人意料地微笑道:
  “您是龙马少爷吧?”
“……”
  这次是轮到龙马哑口无言了。

  他怎么会知道自己的名字的呢?龙马很纳闷,问道:
  “你是怎么知道俺名字的?”
  龙马觉得,自出门以来第一次遇到了不可掉以轻心之人了。
  “知道不知道的,还不是少爷您自己说的吗?”
  “俺在哪里说过?”
  “大阪高丽桥下”
  龙马觉得有点眼晕了。要这么说,路口斩人的冈田以藏的事,他全看到了?
  “你到底是什么人?”
  看他眼神,怎么也不像个简单的药商。
  “我么,记好了,夜猫子藤兵卫是也”
  “好怪的名字。作何生涯?”
  “贼”
  黑暗中藤兵卫低低地笑道:
  “可不是小毛贼。年轻时,在各地的道伙中还有那么点名头呢”
  “是贼啊,真想不到啊”
  “少爷,轻声”
  “喔,知道了”
  龙马压低了声音,说道:
  “还真令人吃惊啊。俺是个乡下人,所以从没听说过,世上的小偷都像你一样,把自己的名字和行当挂在嘴上到处宣扬吗?”
  “开什么玩笑,又不是推销什么。哪有什么将自己的名字和行当挂在嘴上的笨贼啊。我是看你少爷投缘,才对您坦诚相告的”
  听藤兵卫说,高丽桥事件之后,他还跟在龙马和以藏的身后,到了天满八轩家的旅馆。
   “没这点心思,是干不了我们这个行当的。我本来是有事要去远州的,可不能白打岔”
  “你在京屋的哪一间?”
  “您的隔壁一间啊”
  怪不得龙马和以藏的对话,他全都听的真真的。
  “不过,少爷您上当了。那位冈田以藏不像是个坏人,他说因父亲死了才打江户回老家去,看来也是真的。可他说因盘缠用完了,才不得已在路口斩人,却是蹩脚的谎话”
  “哦——”
  “大阪岛之内的花街柳巷中有一家名为丁字风吕清兵卫○3的,很红。那里有个姑娘叫雏鹤。嗨,叫什么就不管了,反正他就是在那里缠绵流连,把盘缠用了个一干二净。仅我所见,他就在丁字风吕呆了五天。所以说,现在他也许正用少爷你给的钱大喝风吕酒呢”
  “真的吗?”
  “绝无半句假话”
  “好个以藏,还真有点意思啊”
  龙马将自己当成以藏,不觉笑了出来。他生来就喜欢听快活事,足轻以藏的悲惨遭遇听得他太闷了,现在听了藤兵卫的话觉得自己又活过来了。他的这个脾气也真够怪的,非但没有生以藏的气,反倒觉得很开心,好像自己也在喝着风吕酒,和姑娘们胡闹呢。

  太阳偏西时分,船在伏见靠了岸。
  龙马一收拾起行李,夜猫子藤兵卫便在一旁殷勤侍奉,
  “少爷,您在伏见何处歇脚?”
  因为已是在人跟前谈话,他换成了买卖人的口气。
  “说的也是,还没着落呢”
  “这么着,我有一家走熟的客栈,名唤寺田屋”
  “哦”
  “掌柜的叫伊助,是个好人,可是前几年故去了。如今是寡妻登势操持着,这一位也了不得,热情豪爽,简直是用江户的水洗过京都女子”
  “哈哈哈”
  “因何发笑?”
  “这一位,是你的小偷朋友吧”
  “开什么玩笑”
  藤兵卫连忙压低了声音道:
  “我的招牌也是江户药商藤兵卫。要说起金疮、跌打药来,各地的顾客还很看重我藤兵卫呢。虽说不上是市恩,对人公开我的本业,少爷您还是头一位呢”
  “谁要受小偷之恩呀”
  “气闷啊”

  一踏进寺田屋,老板娘登势立刻就出来招呼了。  
  “这位是,土佐藩的家臣,坂本龙马少爷。不久便是日本第一的剑客,可得好好招呼啊”
  “是去江户学剑的吗?”
  登势用一双乌黑的大眼珠盯着龙马看。
  龙马点了点头。她又道:
  “那可真是辛苦您了”
  京都话在表示高度钦佩时,那腔调听起来有点像是在嘲弄人,而用地方话来讲,则便是极平常的应酬了。
  “不京都玩两天再走吗?”
  “不,明天一早就动身”
  “悠着点么,我登势会亲自指点您来着。虽比不上江户、大阪那么热闹,可京都伏见的安静也是别具一格的哟”
   可是,普天下没人会想到,就是这个安静的京都,在短短的几年里就变成了腥风血雨之闾巷。寺田屋的老板娘登势更是做梦也想不到,眼前这位笑嘻嘻的年轻人,将是位撼动幕府根基的大人物。
  浓眉毛、厚眼皮,一脸的雀斑,粗俗不堪,可嘴角边却显得格外的天真无邪。虽然说起话来硬邦邦的,可浑身就是透着一股招人喜欢的劲儿。
  (这人或许有女人缘,可或许更受男人的推崇。将会很多人愿为他而舍命吧)
  登势拿一双客栈老板娘会估价的眼,打量了龙马一会儿。后来,登势那拼死也要照顾龙马的交情,就产生于此时此刻。
  就在这时,移门被“哗”的一下拉开了。一个武士站在那里。


注:
○1:原文为“绘草纸”,是日本江户时代流行的带插图时事小册子。

○2大坂之战(1614年(庆长19年)-1615年(庆长20年))发生于江户时代早期,是江户幕府消灭丰臣家的战争,其中包括在1614年11月-12月的大坂冬之阵以及1615年5月大坂夏之阵(6月4日(农历五月八日结束),最常用的称呼为大坂之阵。

○3丁字风吕清兵卫:“丁字风吕”是店名,“清兵卫”是该店老板的名字。“风吕”是澡堂的意思,看来这一家是挂澡堂幌子,行妓院之实。又“丁字”是丁香的意思,也许该澡堂的特色服务便是“丁香浴”。
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发表于 2007-6-28 09:50:57 | 显示全部楼层
顶~~
不过这个故事是出自哪里的啊?
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 楼主| 发表于 2007-7-3 15:59:44 | 显示全部楼层
司馬遼太郎の長篇小説「竜馬がゆく」
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