文献上に最初に見出されるのは1079年成立の『金光明最勝王経音義(こんこうみょうさいしょうおうぎょうおんぎ)』であり、大為爾の歌で知られる970年成立の源為憲『口遊(くちずさみ)』には同じ手習い歌としてあめつちの歌については言及していても、いろは歌のことはまったく触れられていないことから、10世紀末~11世紀中葉に成ったものと思われる。
いろはにほへとちりぬるをわかよたれそつねならむうゐのおくやまけふこえてあさきゆめみしゑひもせす
最後に「ん」を加えることもある。
ひらがなでの表記
いろはにほへと ちりぬるを
わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて
あさきゆめみし ゑひもせす
歌謡の読み方
色は匂へど 散りぬるを
我が世誰ぞ(※) 常ならむ
有為の奥山 今日越えて
浅き夢見じ 酔ひもせず
※「そ」は清音で読まれることもある(上代の音韻体系による)。 |