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恋空

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发表于 2008-1-22 17:22:08 | 显示全部楼层 |阅读模式
一直以来一直得到咖啡上大家的帮助,很想回报给大家
# ]  w6 U8 T4 S- U* D恋空是一篇手机小说,有二级水平就可以阅读,希望大家会喜欢,但是我发的速度会很慢,我尽量快点上传

0 L" [. U, T7 B, b& _1 C , a7 P4 ?0 _: @$ v
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 楼主| 发表于 2008-1-22 17:28:22 | 显示全部楼层
不好意思,我好像上传不了
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 楼主| 发表于 2008-1-22 17:35:48 | 显示全部楼层
もしもあの日君に出会っていなければ/ h( ~* H9 m4 Y* i
こんなに苦しくて
4 l, Z& D0 h  |7 Eこんなに悲しくて  J; l& ]0 L3 a" Q3 Q& \/ G/ |- `
こんなに切なくて
& Q0 i0 ?- v) g8 D$ d7 ^, p0 |こんなに涙が溢れるような想いはしなかったと思う。
! Z( T5 U9 A1 h! kけれど君に出会っていなければ
- H* E5 s, d0 l: o9 l# Sこんなに嬉しくて1 t+ \* t4 b4 y% z3 o% a# N% Z
こんなに優しくて
' o/ l  p) R7 G; _, Pこんなに愛しくて& w! w" _7 ?9 Z
こんなに温かくて
+ e' v  v: O# B" sこんなに幸せ気持ちを知ることもできなかったよ…。
7 r0 r7 K# ?; a5 H涙こらえて私は今日も空を見上げる。, s6 p* P' e- z5 t5 g" H
空を見上げる。
( [( s( i6 i  L/ W2 B+ _+ m0 h7 e- X第一章 笑顔 / A; T9 N& m/ J. N( d7 T# Z2 T
「あ~!!超お腹減ったしっ♪♪」
" U" n8 a3 j1 d5 W待ちに待った昼休み。9 k" w$ N, f7 n
美嘉はいつものように机の上でお弁当を開く。) b4 |2 q/ t, }% m. J' x  }5 s
学校は面倒。
. r" {$ e' J/ y( }! n9 q' bだけど同じクラスで仲良くなったアヤとユカと一緒にお弁当を食べるのが唯一の楽しみなのだ。/ I, |3 t" m: |3 G8 n5 H3 W% ~* _
━田原美嘉━
" Y, y2 [  g) K6 M7 N今年の4月高校に入学したばかりの高校一年生。
/ i0 f+ E7 R4 W/ w2 h) Q入学してからまだ三ヶ月足らず。
, r6 @/ [" K0 _- H. o' z" v4 o; ]- D仲良しで気の合う友達も出来て結構楽しく過ごしていた。% g+ O% y8 x9 a* T8 d
チビだし
9 u0 u/ g% a0 s' z& Y) {/ i( t: [バカだし* a' z5 Y7 {3 y1 k
特別かわいいってわけでもないし- o2 F& k9 m. H; h" J! J
特技なんてないし9 v: R' B5 T5 [  v* z, r! h
将来の夢なんてあるわけもない。
, n) Z6 ?. W( a. M+ C% q高校に入ってすぐに染めた明るい茶色のストレート髪。
/ A6 C% n- F/ Jほんのりと淡いメイクがまだあまり馴染んでいない今日この頃。) z, I6 }" x/ J  n( g# u  M' b' d
中学校から平凡な生活を送ってきた。
2 U, V$ N* l  r+ U普通に友達もいた。2 N% [) ]8 m  `; u
普通に恋もした。- C* R9 `& y& ?& e
付き合った人数は三人。+ T/ J0 y. N1 s9 D
多いのか少ないかなんてわからない。5 j/ P. K& ~' N$ Y
だけど共通してるのはどれも短期間で終わりを告げているということ。# {$ I5 p! s' F/ v! L
本当の恋なんて知らない* @7 [6 O7 }0 q  Q* t5 Y
知ってるのは遊びの恋ただ一つだけ。
) L, w( t7 ~4 }( x3 B恋なんてしなくてもいい。
5 V8 H- `6 {1 {# d2 B! V- ?, tそんな中…君に出会った。
/ ]. U' ]# U3 ~$ d2 ]- k" aこのまま平凡に終わるはずだった美嘉の人生は、君に出会ったことによって変わっていく…。
( B9 _8 L, t' y( g" `* j* e+ zいつものように美嘉とアヤとユカの三人はもくもくとお弁当を食べていた。3 G, h, T! t+ T6 K
食事の時って無言になるのはなぜだろう。& N; ^: c8 ]  P
その時教室のドアがガラガラと音をたてて開き、" S( a. m; V. x/ ~3 i
それと同時にポケットに手を入れた一人の男が三人のもとへと近づいて来た。
5 ~# d3 F. z& ]/ ], [  eその男は三人の前に立ち止まり、軽い口調で話し始める。; q5 G$ D2 k8 Q4 D! o& \8 J2 [5 @( M
「こんちわ~!俺の名前はノゾム。隣のクラスなんだけど~知ってる?」
# ~! |3 v+ d4 A, R8 D目を合わせる三人しかしそのまま知らんぷりをしてお弁当を食べ続ける。6 b4 L5 W0 t7 f& _+ I& r
高校に入学してからノゾムの噂をたくさん聞いた。, l* C. L# v' x, p$ m9 r
女ったらし。) U; i1 T* T; ~- A/ e$ t
手が早い。
4 Y% x% y% w: d' m# K$ J* m遊び人。
( T7 e) I, g1 T% k& E4 b1 Dノゾムは毎日のように違う女を連れて校内を歩いている。  _2 V$ ]( w0 S
“ノゾムに気をつけろ!”
) ~: l) O  ?; k“ノゾムに狙われた女は逃げられない”" _) I/ a3 N8 a% _
そんな話を聞いたこともあったっけ…。
* I. x1 E7 R1 P9 D5 `0 q/ ]( J高めの身長に整った顔。
( K& d& K, f  V$ Pメッシュが入ってワックスで無造作にセットされている髪。0 R/ H5 s+ ^! @" P. A! M. o
何かを見透かすようにじっとみつめる瞳。
0 F' b. V6 g: e- |5 x3 Y2 Cモテる要素を持っているのは確かだ。
! z- l( h, n5 @0 e9 [問題は性格。& [! X# I% Y) h+ W' W. {
この軽い性格はどうにかならないものか…。
, g8 z) d4 e# J$ G7 A; C+ k. Y8 zそこまで悪い噂を聞いていながら関わるつもりなどもちろんない。
' e& {9 N5 `9 k3 e) Y; r( U三人はノゾムの存在に気付かないフリをしながら、弁当を食べ続ける。3 D) e1 i) y9 U
「あれ~無視?俺と友達になってよ♪番号交換しようぜ!」
% m9 V- p% V8 L2 hあまりのしつこさに喉が渇き、イライラしながら近くにある麦茶を手に取りごくんと一口飲み込む美嘉。+ x0 ~& A& @+ |; v) d- y
「えぇ~どうしよ。まぁいいよ!交換しよ♪」8 \, W$ T! @  w" {! p
沈黙の中、突然言葉を発したのはアヤだ。
( j6 ?; |- W% [$ ^美嘉とユカはギョッとした顔で目を合わせた。
+ I5 `8 G  p. C8 [0 yアヤが笑顔でノゾムと番号交換をしている。
. J3 l# n! a- w8 y信じ難い光景…。
% ^: \* N. }9 Oノゾムが満足げに教室から出て行くのを確認し、
2 h( u8 G9 U' J9 X) Mアヤに問いただした。
! `" Z* Z) I9 l9 E+ U0 Q「なんであんな軽そうな男に番号教えるの??痛い目見るよ?!」
7 E0 d- S! o2 Aそんな美嘉の心配をよそにあっさりと答えるアヤ。
6 C& z$ e& @# \4 A  a) J+ d「だってあたしイケメン大好きだからぁ!ウフッ♪」, `4 D+ c7 o2 _# z1 y+ f4 s
アヤは大人っぽくて綺麗な女の子。
# ]0 C4 }1 J+ Q- lスタイルがよくロングで少しウェーブがかった赤茶色の髪が特徴。& X9 ?: V$ _! l# b+ Y
男運が悪く付き合う男は軽い感じの男ばかり…。; h" @; m/ j6 F8 D& h) L1 c  E
だから彼氏が出来ても、付き合ってすぐ別れての繰り返し。
. t7 ?/ t) h0 T0 l4 f( ^4 E「アヤ、あんな男に本気になっちゃダメだよ。」
) G5 B! `* l% Q5 \! R+ _  a真面目な顔で心配するユカに対しアヤは軽い返事をした。/ a7 h& Q  |: M6 L3 u6 [
「大丈夫だってぇ♪」6 M7 j' o7 i9 ?* s) D
学校が終わり、家に帰って部屋でごろごろしながらテレビを見ていた。
, u& v) a. ]8 y# q* Iその時…
2 Q, m7 @7 h  s& oプルルルルル
3 \; X0 U! `4 u部屋に鳴り響く着信音。
: f# s  t- x$ N
しかも登録してない知らない番号から…。- ~) y( M2 e7 G; G
誰だろう??) H/ ~5 k9 W1 V  s4 T4 O+ z0 Z" r
相手を探るよう出る。
' W& T" o8 B7 E3 R. m" N『もしもし…??』
+ J0 B3 h8 d6 V  m/ R8 T『…』$ Q6 ]  Y  A* R2 r3 X* n" ]- q# f! M
…無言。3 ?, _0 T9 ~5 {9 w! v
『もしも~し??』4 d0 a9 o3 N% F$ d- ]# Q; C: x
少し強気で言ってみる。
9 s2 ^+ m( ~6 Y' j+ l9 C7 }7 d" Zガチャッ
" W! G. F% ~% Kプープープー
; U5 J0 @7 l3 D1 B) D7 _切られてしまった。
' r* m" \: Z/ t6 Gいたずら電話?間違い電話かな。
& e1 ^& C' c! H9 E3 D+ iプルルルルル
8 h/ \. H* u; ?0 ~7 v9 A再び鳴り響く着信音。さっきと同じ番号だ。

+ }7 {+ G! V' z7 M, Vどうせまた無言だと思いどうでもいいような声で電話に出た。  k2 O' W+ c" u; ?: v
『もしもぉぉぉし』
+ _0 V+ p  X0 y: G『…し?もしもーし…』. C9 I0 N- a, f/ [" o$ [
電話の向こうから微かに聞こえる聞き慣れない男の声。
2 Y+ [8 ~) h" ?5 H: m4 z3 d( n『へっ?誰??』
2 a4 X' x4 d7 r% s* Z$ Z電話の向こうの相手は鼓膜が破れてしまうくらいの大声で答えた。  {% V' `) c6 L! C& I2 V2 B" P: F9 T
『…美嘉ちゃん?悪ぃ電波悪くて!ノゾムだけど!わかる?今日の昼休み話かけた奴!』
5 r: _+ j* D: Y, A4 fゲッッ!ノゾム?
# J3 U' V& K* N! Iノゾムってあの女ったらしのノゾム?* `+ @' A0 y" p8 _
今日アヤと連絡先交換してた…あのノゾムさん?: q+ v, U  g5 r) {+ {
頭の中はパニック状態。
8 \" F, [" p; a5 i' g1 M. V! a返す言葉が見つからない。
4 P: H% N) P7 @6 }0 @# Xいっそのこと電話を切ってしまおうか…。
, ]1 P: K+ w$ g( m& K4 k( C- Z4 D2 j電話を切ってしまおうとボタンに指を近づけた時ノゾムは再び話し始めた。
+ f, s: [; Q, G/ e3 R『突然電話したら驚くよな~ごめん。アヤちゃんから番号教えてもらった。友達なって!』
& v/ h, F5 |4 e9 Qなるほど。0 ^4 A  _8 Y! Q" r& H
アヤが勝手に教えたんだ。…って納得してる場合じゃなくて!!
! H2 F, c3 ?" C$ L( e( |明日アヤへの軽い復讐を決意しながら冷静を装って答えた。
/ E: n4 Z, ~/ Z; K7 u『…で何か用??』( U) z  s% \5 m$ f# ?0 M. ?
『だーかーらー俺と友達になってよ!ねっ。お願~い』' s. m, k5 k: S! L
軽い…軽すぎる。軽い男は苦手。# ?, z8 t# r3 N# z* V/ ^$ m. h- ~
『…いいよーじゃあね』+ n0 W( t- F, @: \  b3 X9 j
仕方なく友達になることを承諾して電話を切った4 h5 n$ @7 L* @) u/ ?5 m2 l2 e
そうしないと電話を切ってくれないような気がしたから。. Z$ i1 V. T3 n- V$ N9 b3 _" J5 s
ノゾムの番号を登録… 一応しておくか。
, W& i  b) I2 J/ Fジリリルリ
$ f* ?/ M' z& N  j& h* s不快な目覚ましの音で目が覚め、今日もまたいつも通り学校へ向かう。
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 楼主| 发表于 2008-1-22 17:36:54 | 显示全部楼层
玄関で上靴に履き変えていた時アヤの姿を見つけた。' R9 Q6 }. W) Z( S* ?
興奮気味にアヤのもとへ駆け寄る。1 Q7 c6 ?- i  |( z" Q" J  |8 `: Q
「アヤのバカぁ!!勝手に番号教えちゃダメでしょっ。昨日ノゾムから電話来たんだから!!」- s! c% T, a; A. \6 J9 e
「ごめ~ん♪だってノゾムが美嘉の番号教えろってうるさいんだもん。なんかおごるから許して♪」
7 B) S0 j% }9 E/ Z+ Y2 A" L何事もなかったようなアヤの横顔を見つめながら深くため息をついた。1 O3 f* r" \& Z/ `0 s. @1 e
電話を切ってしまおうとボタンに指を近づけた時ノゾムは再び話し始めた。
: c$ }7 [: r' O「ごめ~ん♪だってノゾムが美嘉の番号教えろってうるさいんだもん。なんかおごるから許して♪」" a) g( p2 B* J5 H! h4 r
じめじめしたある日の午後…( Y6 t; e, S# w$ _5 K; ?
中学からの親友であるマナミと美嘉の家で遊んでいた。
9 V  r& w* S' c' R1 {夏休みに入って毎日のように遊んでいる。
+ z2 s# W) H+ s0 h' wマナミはどんな悩みでも相談出来る大切な友達。! O* X2 S) c: h8 L+ A$ T0 ?
中学校の時はよく二人で悪いことをしたりもした…; l9 d  x2 P" C* P9 L' B$ a
いわゆる“悪友”であったりもする。
5 T# B0 j1 W3 E; m2 o& h7 h$ g. sこの日もくだらない話をしながら盛り上がっていたその時…
! M/ u. L, a7 y( L) {1 n* Kプルルルルル8 P+ S2 m3 Z0 C5 p% `/ W& B
部屋に鳴り響く着信音で二人の会話が途切れた。
( a( ]0 r; Z% k1 A
「マナミ~ごめん電話出ていい??」$ W+ a5 ?+ ^- E/ W- A, Y% S1 p
「いいよん♪」: \  E2 D, ]- V
画面を見ると、知らない番号からだ。
: D, ?. p2 R, \& U+ gしかもPHSからではなく家の電話から…。
9 k: q* b. ~( S' `4 j「出ないの?!」が不思議そうな顔をしながら覗き込むマナミ。* W1 S  [+ S# y9 c9 ~' \; j
「…やめとく。知らない番号とか嫌だしっ!!」
% v  R1 d( x  b( Y& I# C6 mそう答えて電話を切ろうとしたその時、マナミは美嘉の手からPHSを奪い電話に出た。2 @" q) {: r0 `  ~: d1 v9 b
『もしも~し?私美嘉の友人です。はい、美嘉ですか?今かわりまーす』# B" o2 A* X+ c* c+ Y" J
「高校の友達だって。変な人じゃなかったよ!」
" H& U* t$ b" Zマナミは受話器をおさえながら小さな声でそう囁き電話を手渡してきた。
* k- d- q& c. d' n* S仕方ない。
2 C  \9 f8 j5 G+ R3 Y: wここは電話に出るしかない。- g3 b# f& `9 ^/ C3 M
『…もしもし』4 j: [5 S' B8 l0 L" F* r1 W9 o
『もっし~俺!ノゾム君だよ~ん美嘉ちん俺のこと避けるしな~ひでぇな!俺泣いちゃうよ~』
- Q' i1 _- B" kゲッッ!!9 F% d9 d8 h$ r: p$ {
このウザいくらいのテンションの高さ…。) j' m' |5 u" E+ x5 E, x4 Y1 c
ノゾムだ。
' N6 C3 U* A; l. T; A  X『何??』
8 ~* \/ E7 L8 D4 P" Q
冷たく言い放つ。
+ p. g! k: _! w+ x* ?% h) b: v% y『またまたぁ~美嘉ちんは冷たいなぁ!俺何かした?してないよね~!ヒャハハハハ』9 b  C; C1 T# j
酔っているのかノゾムの口は止まらない。( X6 d3 x0 f5 `7 @; u3 G" i8 a) O4 a
『俺PHS止められちゃって~参った!今~弘樹って奴の家から電話かけてんだよね!頭良くない?今からそいつに変わりま~す!』4 h2 A0 N* |  B
『え…ちょっと待っ…』4 b8 b3 q" D8 o
最後まで言い終わらないうちに、電話の相手が出た。5 N3 @- l, z! d( Y* i* D
『もしもし?』
- a# y* j$ P- I3 \- l  u『えっ……もしもし』# Y! ~' G$ R; q
ついつい答えてしまう。
: h, c4 e1 }# q『俺ノゾムのダチの桜井弘樹。あいつ今かなり酔ってるみたいでごめんな』8 u% O$ S7 s& m( g. ]6 w9 p
ノゾムとは正反対の、低く落ち着いた声。
) ~" i/ w8 X' \/ [* |% A* L『大丈夫だけど…ってか弘樹君だっけ??家の電話からかけてて大丈夫なの??』) F( A) o7 B( T! Y
美嘉の問いに弘樹は電話ごしで笑って答えた。& O: D( R  E6 W- x
『ヒロでいいから!番号聞いていいか?俺からかけ直す』
7 y1 d2 C8 X0 L) Pそして番号を交換した。これがヒロとの出会いだ
& ?$ {% o8 b: Z- K桜井弘樹…5 F' j9 h( {8 _3 z& e
いや、ヒロと番号交換をしたあの日から毎日連絡を取り合った。2 s0 u, I8 W- r
ヒロとは会ったことがないけど話が合う。
$ [2 Y0 M$ F' S2 i) |電話をしてわかった事。
, H% b- K) K9 B, U8 }: aクラスは遠いけど同じ高校に通っていて、一度ノゾムと教室まで来たことがあり、美嘉と話してみたいと思ってくれていたらしい。: G& w: T3 W8 p
二人は暇さえあれば電話やメールをしていた。
  ~9 H# v$ T: G: B- n( `夏休みも終わり、眠い目をこすりながら学校へ向かう。4 {1 c' l. m( G6 U( `
教室に着いた時机の上に置かれていたのは一通の手紙。
( Q- ~( ]5 h$ L$ R$ Q& {+ G3 E- Y) KDEAR美嘉★FROMアヤ】' ]: Y6 O; Y  R* z0 ?  \
…アヤからだ。
5 f" r* z2 }9 t1 p, y5 g/ rノゾムと連絡をとり始めてからアヤに避けられている。4 z6 _/ E7 G# \, F$ r. @
不安な面持ちで手紙を開く。/ A" ?6 Z; f  e" b$ Y# Q
【話があるから、手紙読んだら四階の音楽室まで来てね!】. J4 S4 t1 D7 Y0 Z/ n( \
手紙を握りしめたまま教室を飛び出し、階段を四階まで駆け上がった。$ B  V1 h# j9 @0 m6 s3 ^
音楽室のドアの前で軽く深呼吸をする。- Z" @0 }9 K; S( y7 }9 K+ \
……怒ってるかな。
& I) H& o: T9 q* ]2 h% q& l嫌な思いが頭を過ぎる。0 k& _# o& J3 ^
そっとドアを開けると窓側の机に座っていたアヤが振り向いた。) W/ X( V. F" ^% |0 N
「おはぁ
; f! Q4 u$ Y% f' iいつものアヤに少し戸惑う。
: Q& s* B  h$ r. Z; [8 k「おはよぉ…」2 z2 |1 ]; L! W! b; v1 N4 ~! |
「呼び出してごめん!」3 e1 B! [$ h. x/ @- p4 ?
「ん…」
0 V" S% k8 t. {! O「美嘉は今恋してる?」一瞬浮かんだのはヒロの顔。
  \; W2 \5 P' K2 y$ W7 L* y: d会ったことがない…. e. |: l3 l+ j; N1 f2 K' _
勝手に想像している
* ^! a3 n" `4 v7 Dヒロの顔。
; o: b* M  @+ T9 a& Y% \6 ^「…いないかなぁ」
& C/ W; U* T: J7 g美嘉の返事を聞き、すかさず口を開くアヤ。) K6 A, ]6 Y, p- E: A5 Y( q! v! V$ g3 s" |
「あたし今恋してる!」
# a% G( Z$ S$ R, D# e; P/ b…相手はきっとあの人。8 [8 X# h& A( s' n, h6 y" K3 n
「ノゾム??」% I* T' j4 n  ?9 Z# s
「うん!本気なの。美嘉はノゾムのことどう思ってるの?」- V2 }7 c4 H& U% J, |5 H3 d
心配そうな顔をするアヤに対し、正直な気持ちを口にした。
  T( j& {0 G. Y  {( y+ C「…ただの友達。恋愛感情は少しもないし!!」
5 z- y" K; ^& \$ rアヤの表情が少し緩む。
$ [) C6 ~. ?! Fアヤは席から立ち上がり背を向けた。
/ Q, }( a9 O5 z" A$ d「あたしね、美嘉に嫉妬してたの。ノゾムは美嘉狙いっぽかったし~美嘉も好きなのかなぁ~…ってね。疑ってごめん。ユカに話したらかなり怒られちゃった!」* Q. G2 C! l- X7 S
「そっかぁ……」
/ v2 b% ]% y6 s, e6 x/ V" ?「美嘉ごめんね。許してくれるかな?」/ Y8 e( {2 G7 f6 X! c! j5 C. y
しんみりとした空気の中アヤが振り向いて頭を下げる。' h% V* R2 m4 {: ?1 L* k+ J
答えは一つ。% m0 \' l/ V  E* Y! {$ S6 }
「……もちろん!!」
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 楼主| 发表于 2008-1-22 17:38:22 | 显示全部楼层
夏休み中にヒロという名前の男と知り合い、毎日連絡を取り合っているということをアヤに話すとアヤは嬉しそうに美嘉の腕に自分の腕を回した。
. o1 R) E  Y% C0 r" ^1 i0 L「そうだったんだぁ。ヒロ君て人どんな人なんだろうね!美嘉、お互い頑張ろうね♪」; V% A  Y' [4 h5 ?2 X; _  C9 q
一時間目の授業は移動教室だ。- [, y( o  n$ V' T5 e
ずっと心配していたユカに仲直りしたことを報告し三人は教室を出た。
7 M) I. `3 c* [1 m$ b廊下を歩いていると、前からはヤンキーとギャル男集団が…。7 O3 ^6 _  K) [9 p9 g! y" N
その中にノゾムがいる。
& A; I+ H; `7 |確かにノゾムはギャル男系だ。
' ]) q4 h. D9 y% y8 p$ g「ノゾム~♪」
" ^+ \+ a4 T1 O! d1 ^/ e& v! pノゾムのほうに駆けて行くアヤ。/ D) N& ~8 z, [1 S
取り残された美嘉とユカは廊下の隅でアヤが戻って来るのを待つ。
2 {, n( s5 x' Z  ^; ~$ fその時集団のうちの一人が二人に近付いて来た。
% r8 ]5 i; H5 Y2 n: K4 h! E# A色黒
" ]8 m2 k1 J8 B" r& a3 R/ w1 N明るい茶髪- X2 g4 B8 S% J' i: D+ n9 |, W
整った細い眉毛% w& j. O* Z: ]8 |: N% H( ?
腰パンにはだけたワイシャツ9 P$ S$ X" g( i2 V8 f! Z; Z5 _
背が高い…おそらく180くらいはあるだろう。$ r5 C9 ?2 d1 j
耳にはたくさんのシルバーピアス。$ \! P% D4 j! m. r2 I5 q% n
その集団の中では、あきらかにリーダー的存在
# W0 l3 }1 j7 a9 z+ X5 Bその男が鋭い目付きでを睨みながらこっち向かってくる。
3 C" B. D' i  j& R5 q美嘉とユカは視線をそらし逃げる態勢をとった。
$ f, E3 E, A7 J$ J+ r二人の前に立ちはだかったその男は口を開いた。6 b/ [- a/ Q6 m6 S- W
「美嘉…だよな。俺は弘樹。」# ]6 b$ V  n% G
…弘樹?ヒロ??% R+ X, }8 w) I3 G7 P; N* Z
ギエェェ!!
8 k! U- e* F/ f' w夏休み中ずっと連絡とってたヒロ?! Z7 p  o3 k6 Y; a8 |* L
低くて落ち着いた声。
( o1 c2 a  }* p8 D7 P4 G1 T0 w2 Q想像してたヒロは、爽やかで大人っぽくて…  P4 i: E+ ?8 O1 u5 F
「よろしくな!」, E, I" p6 I& D5 U  m: ]# G0 Q2 \
ヒロは見た目から想像できないような子供みたいにあどけない笑顔で右手を差し出した。
6 }, f( J- P; R2 d9 u% {引きつった作り笑顔でじんわり汗ばんだ右手を差し出し、ヒロの右手を軽く握る美嘉。. P* D7 Q  w9 L7 k! K- L
隣では彼氏いない歴16年の純情なユカが、黄色いゴムで後ろに束ねられた黒髪をプルプルと震わせながら今にも失神しそうな顔をしている。
8 h0 r! S, x2 r美嘉でさえ怖いのに、ユカには刺激が強すぎたか…。
9 w8 Z9 H7 n% e: Y3 Qキーンコーンカーンコーン  D7 V& T: a3 h5 S7 q( z- \
運よく鳴ったチャイム。
0 _- f% g# T0 G/ B  h9 J5 O! v- y" Q握手した手をパッと離し
6 a9 i2 N1 @2 a- _; B" f9 D( G放心状態のユカとノゾムと楽しそうに会話するアヤを強引に引っ張り、教室へ向かった。1 u  p+ b7 U9 Q. v8 |. F# P
席につく。
5 ?& w) O& Y* ?4 {心がついて行かない。; w) h$ l7 F6 i9 `; ]. K  U! K- Q
ヒロ、想像と全然違うし…。3 E2 L! c  d7 F; @- ~; }8 M
頭をかかえているとアヤが先生を気にしながら耳元で呟いた。4 ?( b/ M- {1 G8 D* N9 G' X5 J! u
「さっき握手してた人ってもしかしてヒロ君?!超イケメンじゃん!美嘉ラッキー♪あたしはノゾム狙いだから安心しなさい♪」
, o; t/ h- y6 ?% ^; P2 Qイケメンだったっけ。
' V1 A: B$ a/ r顔見る余裕なかった…
# D6 E: Y# C2 X/ M' y% L/ J" bそのまま顔を伏せている美嘉にアヤは続ける。0 `! ~, X$ I% r. v' a4 t7 b
「お互いマジで頑張ろ!高校生活でイケメンgetしなきゃね~♪」
6 n' [0 g$ a; s6 k. z* |「…まだ好きとかじゃないもん。ってか今日会ったばかりだし!!」
; o4 l( p1 B' E) h「これからどうなるかわかんないじゃん♪」/ R3 q; Z' E7 y( X! D
この時は、ヒロに恋するなんて全然思ってもいなかったんだ…。* I/ S) U% S& X" d& I7 R: `
第二章 # g- b( n4 `4 P$ h/ a
プルルルル% K) J' Z4 X. [/ `8 t
夜…
: y3 d; N, k6 Y: C" @& q
部屋でうとうとしていた時PHSの着信音で目が覚めた。
6 i( ^' w7 F# e電話の相手はノゾム。" [9 l$ {+ v, ?3 J0 q0 \
寝ぼけたままPHSを手に取り電話に出る。1 Q6 W% v  j7 v* a, k: F' K: J
『ふぁい…』
4 w: u" H0 Q! o; v2 w$ `3 M5 p『誰かわかるか~?』
( i# b, I; l) d' A( q『…登録してるんだからわかるし!!』$ E! ~8 @0 J: O# i
『だよなぁ(笑)話変わるけどあいつと連絡とってるんだって?』6 [- R$ X7 F3 L2 w
『あいつってヒロ?とってるけど…?』
  Q1 G2 p# v" d7 Y, T『あいつ他の学校に女いるから。あんまりおすすめしねーよ』: x1 J+ i- u: l" G9 b5 ^9 C+ V
申し訳なさそうな言い方をするノゾムに対し、わざと明るさを強調しながら答えた。
) Z7 q! m8 X1 f" f6 [2 h『…そっかぁ。OkOk♪わざわざありがと!気をつけるよっ!!』7 `9 K8 v, }0 b( i
電話を切って少しだけ考える。
; y9 z9 G/ V. E眠気も冷めてしまった。
% j7 p/ F# Z1 W4 X5 h& f$ ?ヒロ彼女いるんだ。& I: A# x* Y0 N' [, P
別に好きとかじゃないし…
$ F5 ?+ S- C, a8 |" ?! Tただの友達だから彼女いても別にいいけどね!!
' i7 x# \6 ]9 r9 d# f* a; ?) |…でもヒロから聞きたかったなぁ。
7 }4 J5 v) V0 N7 a) [考えている途中偶然にも届いたメール。
; z) Q; X( P: Z5 I6 K$ h受信相手はヒロだ。
3 h3 }. `8 h4 m0 g《アシタホウカゴハナソウ》
- C3 p$ t( p9 E返信はしない。6 ?4 n1 u& Q' L$ |& b
今はなんとなくする気にはなれないんだ…。
/ ?) F! K/ s8 T2 ~次の日の放課後& o1 O3 j; r+ K1 {
アヤとユカと帰ろうとしたその時…( O9 n% w8 w8 ^; D3 |/ c4 P) Y( Q
アヤが教室のドアを指さし叫んだ。( l0 ~: k* n5 R" r- {& d
「あれヒロ君じゃない!?」
) A% p1 v& q2 i) `アヤが指さす方向にはヒロの姿。
$ f9 V! i5 w# R. H: ~/ C. UPHS
をいじるフリをしてさりげなく教室を出ようとした時…% X$ Z# i' j0 b' ?. [
「美嘉、話そうぜ。」2 d+ N5 G5 `* F
ヒロはドアに手を伸ばし帰れないよう通せん坊している。
( P7 H8 n. q# G+ x2 A「どーぞどーぞ# d* M) f  h+ s* d5 B' \
何も知らないアヤは美嘉の背中を押した。( C- e$ a! Z- c9 S) ?9 d9 Q4 q
「わりぃ。じゃあ美嘉借りるわ!」
. ], c9 |8 w# B0 H% @ヒロはアヤとユカにそう言うと美嘉の返事を聞かないまま手をぐいっと引っ張って7 z- w) R% V) Y+ E/ ?9 Q
誰もいない自分の教室へと連れて行った。$ Q3 E; w8 ^$ c% a; J
「昨日のメール、シカトしただろ?」
$ G& i4 v/ ]  T静かな教室の中に響く,ヒロの不機嫌な低い声。
6 s8 B) _& z* X: l; F0 C「寝てたのっ」7 ]/ L: }: t. M) M: i0 H
本当は起きてたけど…6 w! l1 H: @7 a
嘘をついた。
) g4 d, h- T9 J; e「それならいいけど。ってかこうやって会って二人で話すの初めてじゃねぇ?」) F# T& D+ \) P0 p
安心した笑顔。
' }2 m8 V( ]" k2 u; e8 W* W- Sヒロは頭を掻きながら照れくさそうだ。6 j( q9 l6 c* O9 j/ c
「…彼女怒らない??」
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 楼主| 发表于 2008-1-23 11:05:12 | 显示全部楼层
ちょっとイヤミっぽく言い放つ。+ {: |( U# D/ P' O" @8 D
ヒロからは笑顔が消え、目を細めてムッとしたように答えた。
6 ~7 K9 J1 j* }/ C) i' Z「俺、女いねーし。」
( p$ F2 e( G4 \( }「昨日ノゾムから聞いたよ?別に嘘つかなくてもいいじゃん!!」
! [7 J+ [4 t5 P3 m7 ?ヒロは美嘉の尋問に困っている様子だ。
$ t4 {; J* }1 F! v& L「ノゾムから聞いたのか。まぁ一応いるけど…もう別れるつもりだから」& l" U4 a# b' I3 B0 A/ F
「ふぅぅぅん…」+ F9 j: D/ R- J8 b) Z; j
そっけなく返事をする。  \5 @4 u9 F# \2 ]+ k5 C( x: n
窓の外を眺めながらふと考えていた。
' F5 p. Z( Y( R( y" H" P# x8 W別れるとか…
7 b- Z; S# g3 W, f2 |* _嘘っぽいよね。
/ T, |' T' d: z* }! u1 S4 V5 ~彼女いるなら最初からいるって言えばいいのに。
) m2 t' I/ {0 N2 A# q4 [9 r秘密にするつもりだったのかな??4 n+ x% V4 g# V8 r" c' @- q& W
ヒロのこと、わからなくなってきちゃった…。, o& \) d6 p" n8 u  k* d. M1 }
そのまま会話をせずに別れた。
" O. r7 G( S+ ~& z4 Cその日以来、ヒロから前以上に連絡が来る。8 u" A4 N) C. B# N$ Q3 [9 h0 ?1 G
放課後話す事も増えた。
$ ?* j$ o* T/ R! a; Yヒロは真剣に話を聞いて力強い言葉をくれる。
7 Q$ L" h" i3 i) Q; U+ A1 M話していくうちに信用出来ないと思っていたはずなのに…4 P$ \7 Q1 `6 l/ p& `5 i+ B7 m. y
いつしかヒロに対して心を開き、悩みまでも相談するようになった。9 c2 `7 O; }6 M
見た目が怖いヒロ。4 t8 U' f+ C' K  C. t4 M. i; i
でも笑うと目が垂れて幼く見えたりもする。
7 \8 q8 }' R) R4 L, w# F$ ~5 l最初に会った時のイメージが少しずつ取り除かれ
2 Y4 @7 W' j! Y  `* z* b彼女がいることを知っていながらも次第にヒロに惹かれていった。! {/ E+ W& Q, a+ W) \1 _* ~( c5 e" d
一人で悩むのが嫌になりアヤとユカに相談する。
# W' v6 T) L! f5 K' c5 O; C" }# I  }そこで出た結論は…
' D+ E' @1 _& W4 H6 |“ヒロが彼女と別れる気が本当にあるのかを聞いて、もし別れる気がないのなら諦める”( |" I6 _3 s4 ^5 g) b. F' r6 @
二人に励まされながら、勇気を出してヒロにメールを送信した。. L: R; _3 J" d2 L3 U  S- D4 Z
《カノジョトワカレルキアル?》& h. J; C- H$ u) F# p- L
《ナイナラアエナイ》
3 t3 D+ d% ^4 L; g: A9 {
ピロリンピロリン' b( F# g9 Q+ ]
メールを送ってからまだ一分も経っていない。
+ L* M$ L6 S+ }: n' }2 A' `
ヒロからの返事は即答でしかもたった一言だった
& g. _6 T. S5 Y6 K7 `《モウワカレタカラ》
# d$ h( _1 @6 j- c5 V「美嘉やったじゃん( j" m6 Y% ~+ w
メールの返事を見てぴょんぴょん飛び跳ね
: P/ |- [" x" q+ I0 Q( ^5 t% Bまるで自分のことのように喜んくれているアヤ。
4 ~* t- B% q2 g- n% `「良かったね
1 Q: R( a9 b! k- S* m( Dユカも笑顔でガッツポーズをしてくれた。& R$ \# o  y# {: s. ~. p9 `
「……ありがとぉ。」' O, V* |$ m- [* D8 s: k
好きな人が彼女と別れたら嬉しいはずなのに…/ |1 g/ @, |6 J! ^
なんでだろう。
* ^8 s( m5 f( W' _素直に喜べない。
; N. A! D# D. K9 V; hだって、また嘘をついてるような気がするから。
) {+ b7 e/ F" E# J5 |まだ心のどこかに不安が残っている。
9 P" }0 b& Q3 Kまだ100%
" f" Z( D# w$ X' M# L' O4 J3 G信じてない気持ちがある。7 f* H3 t& B) I1 l
最初につかれた嘘を今もまだ微妙に引きずってたりもするんだ。# t0 V8 \% Q$ G7 q
………ノゾムに聞くのが一番手っ取り早くて確かな手かもしれない。
, Z6 C9 h( }' T, p  q0 uだけど真実を知るのが怖くて…
7 G3 L! ?$ h: p+ U- V" S結局聞けなかった。
- r) l9 y5 h" @0 B1 h9 l& y8 W$ hヒロが別れたって言ってるんだもん。
2 {/ q1 F- r( I- t今はヒロの言葉を信じるしかないよ…。! P; X7 W  _* e# Y8 D
ある日の朝…$ X- q7 D7 b& R4 V/ e! L1 z! {0 x
いつもの通り学校へ行くためバスを待つ。
$ G9 {  N: u% l
ピロリンピロリン' U+ `& ~0 ]% q& L5 [8 j
メールの着信音が鳴り

; j: B$ n" M+ k4 k9 R+ ~受信BOXを開いた。- j# q) M) ?0 o! c  K
受信:ヒロ
% w" Z% P6 \9 y- t: F8 v8 _, U5 j《キョウガッコウサボロウ!》
! P# `" ?0 P& I& V( q…学校サボる?
) Z7 W. R, K$ D- f& W* E4 bなぜ??
8 D8 d! X5 b7 }; `+ Tメールの内容が理解出来ずに電話をする。- A7 `( ~$ [4 s* C! R
バスが来ちゃうかもしれないから手っ取り早く電話で。
7 m) N* B$ n( G4 D/ E
プルルルルル% f7 E/ v- I6 \2 |8 p6 E  a
『はいよ~!』
& P# p  T" j& x' b# W+ b
テンションが高めのヒロ。# x, V+ g5 X5 u/ H7 E& M
『サボるってどーゆー事??』
+ {8 L, i9 p# J; ~* V『今日学校サボって俺んちで遊ぼうぜ
, m' |1 d* a; r* A& z/ Wどうしよう。
" r+ @( M0 `8 x6 Z今日は苦手な体育があるんだ。. Z& V& E' r" S$ X2 c0 E* A3 v6 O
ヒロと遊びたいし3 L3 u4 p2 @2 r) V$ B/ h
…まぁいっか!
" ?7 c, T7 N+ t/ W. E* u/ d' jOk~!!』% G- B1 r1 |0 g6 ]* T# @
軽く返事をし、ヒロの家から一番近いバス停を聞いてそこに止まるバスに乗り込んだ。
  ]  m5 Z5 v* B, c' W- O0 p6 pバスに乗り、ヒロから聞いた見慣れない場所にあるバス停で降りる。0 ^" |- v  q3 t, S
バス停の前にいた黒い自転車に乗ったヒロが親指で後ろを指さした。
! ?) }$ a$ J- M) @$ Z& {「乗れ!飛ばすからしっかりつかまってろよ~」2 |  ~0 }8 c, q" z* L, S8 G
美嘉の体をヒョイと持ち上げ後ろに乗せ、自転車をこぎ始める。' |6 X+ O; S5 P; r* B# o
ヒロの背中にぎゅっと強くつかまり、初めて感じるヒロのぬくもりにドキドキしていた。; _+ t2 T; E% G3 t$ R% T5 H
ヒロの家に到着。
" `6 L+ i- P2 ^3 ]2 |「おじゃましまぁす…」. B0 F/ J2 |5 m9 U% V2 C& b! w+ c
小声で呟いたが返答はない。; X! G# v2 _& Y1 ^+ x7 F
「誰もいねぇよ!」
) H, J6 K9 v3 J  |6 T0 u) \なぬ!?誰もいない?5 [- ~7 r" Q- `; S& H# v
じゃあもしかして二人きり??1 q9 N; t: i& I0 a- F
…今まで付き合った人数は三人。: y' _! C9 V1 a5 @- [
どれも短期間で終わった。
2 z! s+ {9 Y* d% U- }, z" ~+ ~理由はお互い本気で好きじゃなかったかからだと思う。# O9 y% @0 c( c! a$ u0 o  O/ p
外でのデートならしたことはある。- g1 l% j& X7 z+ f; p0 `
でも男の人と部屋で二人きりで遊ぶなんて…# F" g: X9 P- F; P" k5 H3 S" h
実は初めてだ。
5 s. e, J7 @$ W2 `  p- y, A床に散らばった洋服や教科書やアクセサリー類。
. B0 s- X, a( Y+ x8 M8 y, Yさすが男の人の部屋。
9 \' i% Y5 U8 G緊張のせいか落ち着かない。
( t# K" f4 C6 [* H/ Vでも慣れてないことはヒロに知られたくない。
$ M% a1 J4 k: M9 q5 j& ^* |「緊張すんなって」
/ g0 M& }( e$ ^, h4 N) ]ぶっきらぼうに頭を撫でるヒロ。
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 楼主| 发表于 2008-1-23 11:05:37 | 显示全部楼层
緊張してるのバレてたみたい…。* b1 Y: m6 }& v6 }$ ]
二人で学校のこと…
5 d2 ?; p+ ]* V( G7 |" bあの先生がどーとか、あの子はあーだとかを話していた。
& n! S5 y6 T5 V6 }% f$ m2 L微妙で曖昧だった気持ちは確信にかわり、不安が一つ生まれた。- x; z$ D  n% O$ t* `5 C
━美嘉はヒロが好き。/ d7 y7 w9 G6 j  z; y
ヒロはどう思ってる?━' C8 s1 H( Q' g. C- V- c, h
お昼になり昼食を買うためコンビニへと向かう二人。) v3 A1 C% v7 @3 Q! s7 l# u
歩いている途中、ヒロが美嘉に向かって片手を差し延べてきた。
* Z$ W8 m4 Y7 t「え?何??どうしたの??」& v) `) ^4 X) J( E; `8 s
ヒロはちょっと照れて頭を掻きながら強引に手を握った。( t  c& \; q( f/ ]
「お前~危なっかしいから俺につかまってろ」4 \# v8 T& m% k1 y. ?
初めて握ったヒロの手。% ]! I# p/ @% X8 [+ D
大きくて…! z. O( R! g2 s* N4 j
小さい美嘉の手を包み込んでくれている。% d: k4 o0 q9 g% i& K6 z
家に帰りご飯を食べ終えまったりとしていると、ヒロが鞄の中から何かを探し始めた。
& a9 B  D! x# \8 v1 D8 z3 e取り出したのはインスタントカメラ。
! h) r4 _1 j+ S/ ~  s6 c4 s「写真撮ろうぜ!」
! X8 x: W1 y( n( V4 I慣れた手つきで肩に手を回すヒロ。
9 e0 w$ g! c- X/ o眩しいフラッシュが二人を照らす。3 t% e/ _1 y/ U+ T; n$ j/ ~
その時…
2 @' g$ m8 o' ^' D3 ]. s1 M, iチュッッッ1 v9 L5 P% ]) g" m' Z- A' d
ほっぺにヒロの唇が軽く触れた。4 A" x8 S0 U2 p4 n; M8 t- R( b
…!?!?
6 n& s% z5 _/ f5 ?/ z何が起きたのかわからずヒロからバッと離れ、唇が触れたほっぺに手をあてる。, I- M! d, f# ^* k9 M1 f5 z+ U
「嫌だよな。ごめんな」9 b: u3 F: D. x( C( K2 N" A
悲しげなヒロの表情に逃げたことでちょっぴり罪悪感を感じてしまう。
2 _( R1 g5 k$ \2 F「嫌とかじゃなくて…びっくりしたの!!」; r# ?/ v! K( R% e5 ^
「だよな。ごめんな。俺美嘉の事好きかもしんねぇ」: @- G8 ?  c5 a( D" y( e: a1 o+ H
「……えっ??」' @( m" d3 x& ^& v+ W8 h7 {4 P8 W% V6 n
「キスしてもいいか?」
0 ~1 A/ \: |) J* nまだ付き合ってるわけじゃないのに。7 `1 Z! g3 d% l6 m# t, ^- E
…体目当て
$ S6 d% [2 A, c8 I3 [! tじゃないよね??2 D& B4 Q! V' z8 ^# s
でもこの時は体目当てかより、キスを拒んでヒロに嫌われる方が怖かったんだ。; |6 S9 a8 `/ c, q
だから…0 E8 I/ A+ V  C# }* S# O1 h1 x
「いい…よ」
# {. c0 W7 d# ]  a" N6 N2 Aヒロは肩をそっと抱き寄せ、再びほっぺに軽くキスをした。
$ g3 e" x8 Z& o6 N) w5 g+ v唇はゆっくりと移動し…
0 U0 B# b5 p  [" V) t# U二人の唇が重なり合う。1 [: @  e! u) \: J* o6 E
これがヒロと初めてのキスだった。
! o8 T, v8 V% P7 t何度も繰り返し、…ヒロの熱い舌が入ってくる。
9 r3 V, u1 |, \! c8 t/ j3 d3 K10分くらい唇を合わせるとヒロは美嘉をお姫様だっこし、ベッドまで運んだ。
. Z7 e4 w" ^3 }ヒロは美嘉の首元を優しく指でなぞる。9 B8 o- R) y$ a0 |! W" K
「やぁ~くすぐったいよぉ!!アハハ」6 d. w) @, P" C2 N
緊張を紛らわすためにわざとらしく笑う美嘉を見て4 f  r8 [1 _( U$ O8 p) f3 S
ヒロは手の甲に唇を当て心配そうな顔で言った。5 T# A: x: I3 o! o( l
「美嘉…震えてんの?もしかして初めてか?」
& i( @" c' }+ e5 a' g- c体はいつの間にか小刻みに震えている。& V2 U, ~( C/ c+ w  d
…不安。
) B: D0 o7 \! G  P…怖い。
7 A% U  J! J. g8 a経験ないのがバレたら面倒だと思われて8 Q1 l6 H' e& G, C! z  O( p
嫌われちゃうかも…。9 |% e6 {1 a* t! U  ?; W$ `
不安そうな美嘉をよそにヒロは美嘉の脇腹を両手でくすぐり始めた。
, D$ p( H; I! `; s) [; z「くすぐったい~やめてぇ!!」7 b) B6 V- x! ^; v) `; e. I! k
手を押さえて抵抗する美嘉を抱き起こし強い力で抱きしめるヒロ1 x, L7 c1 W1 G$ w: P* |3 o
「…俺でいいのか?」
% ^; F% G( b- t. Q5 l- x笑ったおかげで、不安も消えた。
, p4 U, v) M( q5 d: K; Q2 A; T$ i…静かに頷く美嘉。
& u+ _3 `. t/ Cヒロとならいいの。+ y- c5 \5 X+ {' p$ K4 N
「大丈夫怖くねぇから。優しくするから…」
7 ?1 ], v& }* ]) n9 C! Mそう言って再び優しくキスをした。! w% _; q- S+ D9 U' G9 O. z6 P
ヒロは初めての美嘉を優しく抱いてくれた。
; \8 f- ~0 w& K6 j& H, c' ?6 p気持ちが通じ合ったのかと錯覚してしまうくらいに…。0 |/ g8 @% j8 K* V
一つになる時、痛くて怖くて泣きそうになっている美嘉の手をずっと握りしめていてくれたよね。
: H% h+ {! U! |4 d. K$ U6 v$ G  O「怖くねぇから…嫌だったら言えよ?ちゃんと止めっから」
" T2 w7 I* M! @6 {ヒロの声と優しい目が安心をくれた。" V# Z3 V7 z4 q2 o- t
“好きだよ”
8 H: h. P$ R# M% n8 d# Qそう言ってくれてる気がしたんだ。6 [! U/ e6 q# q+ }4 f' ^  `& g
少しは近付けたかな…。/ F' _6 E$ r8 f6 e  y. o1 E& m# r  Y. C
腕枕で寝ながら思い出していた。& q8 C7 l! _" B! y2 ~
初めて触れた男の人の体はとても大きくてヒロの体温はとても温かく心地良かった…7 l) i: _2 e; E
ヒロと一つになれてねすごく嬉しかった。
. u8 w3 k* Q9 `6 R3 u後悔なんてしてない。9 o  g2 i, C$ r1 y5 Y6 _: @
だけど…
6 p% o  e6 d% S6 B+ O+ iだけど…+ _, Z( I7 e# ]7 f
一つになった時違う女の人の名前を呼んだこと。# Y6 y! h' f$ ]* Y
気のせいだよね?. J8 M* F  P& W2 C$ t2 f
聞き間違いだよね…??! O! p4 G, C' v
プルルルルル
% o7 Q/ Q2 I- L) X* jヒロのPHSの着信音が
. ]8 T4 ]% Q# F# t
鳴った。
, i) h2 D) K% S" f- n) @3 x「出ていいか?」
- {6 V3 J2 i  |7 C" u% V+ `申し訳なさそうに言うヒロに腕枕から降りて頷いた。/ d! L9 a/ b7 C% s
『咲?』
+ B) ?$ E3 z( D……咲0 Z9 O2 m8 n) e: z9 o- m* l
さっきヒロが間違えて呼んだ名前。
9 P( @  B* F" P) x6 g+ Fその名前は実在した。6 w) g% o5 }  @+ o
高まる不安。/ K* J, M, ]8 u- _
気のせいじゃ
, \+ q8 m. D6 F! G! gなかったんだ…。( j. z# O" W/ Q# x( d! ?& S0 S
『俺?いや。おぉー咲は?そっか。じゃあまた』
. T- N; ^" R9 x. [ねぇ、もしかして彼女と別れてないの??
/ O) W2 z# D( ^/ F* X$ Q+ h6 v( R) Q沸き上がる疑問。
8 l- ?5 W0 U/ p- h3 e8 @信じたいけど、でも…。. H+ h; h) {8 R5 c* n
勇気を振り絞って聞いてみる。
" G0 `; B, {  }: Z* `「ヒロ、まだ彼女いるの…??」
, n. U9 C& u8 a: d「いきなりどうした?」
# D5 P5 g6 h8 H9 C  S…心なしかヒロが少し動揺して見える。
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 楼主| 发表于 2008-1-23 11:06:22 | 显示全部楼层
「だって、さっき美嘉の事咲って呼んだよ?電話来た人だよね…??」* d# T% T2 U* B2 v5 I
返事がない。
7 t' @& F2 k- S" ?0 l* G「正直に言って??」
4 [$ J# h! \& u$ Y4 ?ヒロは下を向いた。
( o6 K# j6 ^* j  {9 @返事はなんとなくわかってる。
# G4 c  p5 B' x( |「…別れてない。嘘ついてごめんな」
6 q  o1 C7 o$ J* b( Y% S# hヒロには彼女がいた。# I( Q0 Q8 Q+ g) I3 ]; A
別れてなかった。
; B, a" k8 D; A$ Nじゃあなんで- y1 @  c; U: D
抱きしめたの??! h' C& a/ j7 w
これじゃあただの都合のいい女じゃん。" [7 v1 F. H$ n0 w& E: M% R- @
目からは涙がぽろぽろと流れ落ちた。6 Y3 f+ o/ c/ x6 R
悲しみ
. x  R9 p( n: q7 |悔しさ
. \) c/ L1 ~2 w5 E+ _恥ずかしさから出る涙。
. g; y1 w1 }8 j1 C3 i7 ^2 `4 @$ y指で涙を拭くヒロ。7 z) K4 J, F* ~& l  y# Z! j: z
顔を見ることが出来ない
- j0 W2 \1 M9 P% F5 g4 N3 E/ Q% Y「…帰るね」+ v* M$ V. @) K: W6 W
逃げるように家を出た。
; Z. e7 M1 a. I/ Z% R+ v……好きなのは美嘉だけだったんだ。- {& m0 K) m( B; g: ^5 |
それから一時期はヒロと遊んだり連絡取ることはなくなった。
1 w8 Q+ c; q. Q& N! {. wしかし時がたつにつれ' T7 S& \! f$ n0 P7 y6 t0 V
“別に友達でもいいや”
/ u. S. y" O( h9 W* T/ jと思えるようになり、返していなかったメールもそっけなくだけれど返すようになった。( M) G- T7 o- |$ |
ある日の放課後、美嘉とアヤは街へくり出した。3 m! n# c5 Z% H9 U7 b1 k
「美嘉と街で遊ぶの久しぶり~!」; O" k3 @7 N- ?
「んだんだぁ♪」/ x3 S4 B, \( [
二人で笑いながら歩いていた時…) N  d# M9 O7 u& D3 n2 W: K2 c( P* w
「あれ?ノゾムとヒロ君じゃ~ん!」
/ b' ^( J6 G' ~アヤが二人のもとへ駆け寄る。- O% `* K, s$ x& z( Y. P; ?+ N& w
…アヤとノゾムは二人仲良くどこかへ消えていった。
, P# q+ a9 x. z8 \# I9 P, V残された美嘉とヒロは気まずい雰囲気のまま、近くの大きい公園へと向かう。( D2 w" C) h, w$ ?1 }4 C
「最近どうよ?」
' O, i/ A3 `' k+ v/ n「へっ?何が??」. E& \% K& ]1 g4 O3 D; B9 x
突然のヒロからの問いに突拍子もない声をあげてしまった。
1 K3 I7 q8 r9 l- Z* q「恋してんのか?」3 v9 R+ T  D9 s2 ~
「して…たけど、今はしてないかなぁぁ~」
  u$ d4 G& E0 p9 j! ?/ A! ~+ B「どんなやつに恋してたの?」
1 t/ e! g4 {# G2 s8 m0 E2 k  F- Z「最低だけど~…いい男かなぁ??美嘉にとってはねっ!!」
8 ?* d( M0 y0 S3 I: \( D: a3 C「美嘉に好かれる男は~うらやましいな」
, v- p3 ^. E6 Q" q- o  c……もしかしてヒロは美嘉の気持ちに気付いてなかったの??  _. W1 @4 ~& S0 R8 }% M% s% p0 M
「ヒロ彼女いるでしょ!美嘉なんて独り身だよ~あ~寂しい~!」
$ g) E( O8 K0 B* @  `" }8 Z「俺もう別れたし」
( p3 F1 W* q& c# u  a/ jどうせまた嘘だよ。
5 B8 Q* V/ q$ G" m& e; S聞こえないフリをした。# T% Z' E: D9 x2 V8 @, E
もう期待して裏切られたくない…
# C5 E, f' Q: r# D/ ]* M冷たい風に体が震える。. g. X5 T/ \" z6 U
「おいで」( B$ ]3 U2 X# x8 Q+ z  `
手招きをするヒロにおずおずと近づいた。" y9 W1 s- P4 h4 t
ヒロは美嘉の後ろに回り1 D" C& |3 r/ K$ C) u9 d" t
制服のブレザーをまきつけ! Q# z! \8 E* R  \4 V
ぎゅうっと抱きしめた。
6 m9 v; _: d8 W8 q+ G1 [1 I「あったけ~な。ずっとこうしてたいな」
3 ?5 U' p* i8 z% q「うん……」% I. G9 [" c  t* K6 G
この時、決心した。
& s* S' @0 n; G! X! N. Bもうヒロとは連絡とらない。
* a  y4 @5 x, }( y; p0 Hせっかく諦めたのに% ~) T3 ]: F: G
また好きになって傷つきたくないから…。
0 D2 m4 I6 n5 ^2 r3 g% h8 b) m% ]2 w9 R
その日からメールは返さず、電話にも出なくなった。
4 c' u+ [/ |) N" b  ?教室まで会いに来ることもあったけど
7 d5 I3 k1 ^! I( k$ z, J9 \) _…避け続けた。. r! s2 {/ D6 [
それでも何日も何日もヒロからの電話やメールは止まる気配はない。
9 _" \' g( w( rある日の朝
3 a; N" `# q" {/ H: Dアヤに教室の隅に呼び出された。, C+ d2 b! r, n: n2 r
「美嘉はヒロ君のことどう思う~?」) k% g9 s2 S$ u+ O* h5 t! Q
「どーもこーも彼女いるし!!」# T' m' Q* [4 x0 h; K0 P
ヒロの彼女の話はもううんざり。
+ }  G' |1 z6 A. J' c「ノゾムから聞いたけど別れたらしいよ♪」
0 a. f5 k/ d, z7 q/ h5 q「…へっ??」0 k! @' D% `6 U
「本気で好きな子出来たから別れたって♪マジ好きみたい!!誰だと思う?美嘉だよ。美嘉♪」
; b8 J. R2 z; Y4 G1 O. J諦めたはずの心はいとも簡単に揺れ動く。
* t  \: Z; z  f- ~; v; h…緩い決意。; b" b3 @+ @+ Y9 n% W4 `7 r. L5 B0 ]8 ?
アヤは続ける。% b8 H1 l2 l: e4 a6 ~
「ヒロ君が美嘉ときちんと話したいから今日の放課後図書室で待ってるって!」
0 U& H5 Y$ P& p& d% o「…わかったぁ」
$ H& @0 J3 L! o, x+ rキーンコーンカーンコン
- e- d( m7 ]& z" L今日最後の授業が終わるチャイムが教室に響く。; {$ F3 |" }% ^6 f! v8 p
教科書をカバンにしまっていると、後ろから肩を叩かれ、振り向いた。
  x6 X8 X  N& d: @; B「美~嘉$ o( s1 n2 S, ~5 ?6 Q
…アヤだ。1 O3 t; `2 C& e9 s% h$ I
「頑張ってねあたしも今日ノゾムに告るから。夜電話ちょうだいね!」
- a7 |' q7 @; _& [/ dアヤは早口で話し、ウィンクをして去っていった。0 l. Z6 _4 v/ u/ e2 T* O
アヤ、告白するんだ。& p- o/ d2 U: B& |1 u$ X" o0 _  U
あ~なんか緊張するっ。
7 h9 M6 |5 \3 s( O手に汗かきながら図書室へ向かう。. n# e; c( K; b0 t' i4 Y1 c" z% w( Y+ ]
図書室の前に着き、ドアの前で唇をかみしめながらドアをあけた。: O+ z) f/ `3 O* \# g
ガラガラッ6 I& X& t3 S& ~6 ]+ K& a
机に座っているヒロ。4 g- \  ^9 b: I- l& s, K
「よぅ~」
% C) Q! w% q. D6 A: ]; _「…ども」) L( B0 q3 n& N9 y/ q+ s8 T9 H! p8 N
「久しぶりだな。メールとかシカトしやがって」; H- R- l. x+ t' x  ~
「…ごめん」) {7 r* |" [# V0 E9 ~1 J# y
無言が続く。
8 y6 x- c. x" G: Q9 p( @; Tヒロは気まずい雰囲気をかきけそうと、必死で口を開いた。# K% Q# u* m  L- a( M: e1 g7 j8 U5 S
「こないだ悪かった」
1 r7 p+ P/ n) N. Xいきなりの言葉。
% I" G- x5 v3 A9 x8 j* hわけがわからない。
: ?& x! U' W: f0 I「なにが?」
8 o6 x- {* @7 [# Z& x. X) }「俺んちで遊んだ時、あんなすぐ手出して…嫌だったよな。ごめん。俺、最低だな…」
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 楼主| 发表于 2008-1-23 11:06:46 | 显示全部楼层
「あの時はヒロのこと好きだったから…ただ彼女いたのはショックだったけど嫌じゃなかったよ」
, ~) W/ [5 ?2 c0 a. N& Y「今は?嫌いか?」
( E! J. S& Y0 F' w9 b( ?7 u「今は…少し信用出来ない」
) ^' K. p3 d# t  f) ^4 v「俺マジ別れた。信用してもらえるよう頑張っから。俺、美嘉が好きだ。…付き合ってほしい」
3 X1 d/ y  d7 j# \7 `返事は決まってる。4 X1 ^' G  L  y0 P
考えなくても…' A% F7 M4 B* M7 w0 L: ?! j2 E
とっくに決まってるんだ5 m; n- n) ^' G3 t- c
「……うん」" }9 B, _6 g+ T. T, D1 P
あと一回。! }% F: k8 o% `
あと一回だけ
9 r% u# b: D1 A信じてみるよ。# O# M& z" L0 J+ t
ヒロの気持ちを受け入れた。; T1 o5 Z2 y9 b% U8 [
心のどこかで、その言葉を待っていたのかもしれないね。
1 N7 A6 f: K  U4 u" I「メール返せよ!」# S# F; h. s& x  G8 A1 G% F3 l: P
ヒロは安心したように目を細めて微笑み、頭を強く撫でた。* X$ B! A- N( I9 M
ヒロに初めて会った時はまさか付き合うことになるなんて思ってもいなかった。
) [$ k4 X$ G1 U! S9 ]. ^きっとこの時から、美嘉の人生は…変わってしまったのだろう。
7 r7 w0 G5 I" q1 ?* y1 m3 y美嘉が過ごすはずだった平凡な人生は、幕を閉じた。7 |0 @/ m8 F$ x' d7 K# i6 N
家に帰りアヤに報告の電話をかける。
9 J6 ^6 N; g( B0 G8 S7 [" qアヤもノゾムに告白をして付き合うことになったらしい。2 {3 T  L: V  u7 V6 ?
好きな人と付き合うことが出来た二人のテンションはもう最高潮で寝るのも忘れ朝まで話していた。8 n9 k: [0 x$ C  a0 u
━この日から: ~, [% p4 E, H/ u7 T; x, p1 U' S
二人付き合いは
) G. w2 q8 G+ D! K& }8 A! C始まったんだ━
5 w" h- Z# P' m" q' kクラスは別だけど休み時間になるたび廊下で待ち合わせをして会っていた。0 Z) [  P/ _2 Z  ]3 u
イチャイチャしすぎて先生に怒られたことも…
4 G2 X/ `" r( ^. {% _アヤとノゾムカップルとWデートをしたり# |2 r+ Y: `0 w8 ]
毎日が新鮮で8 b: H' Q. z3 |- s1 ~5 V
毎日が楽しかった。
" x! h8 B* @$ H* Y  v, q, Gしかし…
4 c& P- s/ i! f/ R. V9 P- N% Y+ R思いがけない事件が起きた。
/ i7 Y2 Z0 t8 d' p# F% w6 |  G8 Z第三章 傷み
  s1 O5 p) K: {: d9 w日曜の夕方2 E4 o1 _/ A" N# {% q* A) @
これから
% I  |( K' }# R+ L1 Eヒロと遊ぶ予定。
% {! _4 f( h6 M7 r6 k0 ]/ g* a用意が早くできたので、ヒロの家に向かうため予定より一本早いバスに乗った。
" F8 ^( P" W6 {: G案の定バス停にヒロの姿はない。  R- T6 @, F- C; p8 N
ヒロを驚かせよう…そう思い歩いてヒロの家へと向かおうと近道を通り、人通りが少ない薄暗い道を歩いていたその時…3 Y4 P% u  T: T+ p( U
背後にいた車のドアが開き、誰が走って来る音が聞こえた。( e7 ]( r& `2 P
ボコッッ
7 ?! ]  J. Y9 }) o4 j' V, v鈍い音と同時に頭に激痛が走る。
1 z- c1 \- c7 q# M4 [- i" f視界が真っ白になった
/ J# ~3 }/ Y( Y" }7 L* J: Uもうろうとした意識の中無理矢理腕を引っ張られスモークがかった白いワゴン車に連れ込まれる。
- @% p4 A; M+ w; H…頭がくらくらする
% L2 n* S% o* N$ O; Z/ G…痛い…何コレ?
7 T( I6 l4 ~- W7 Z/ x手足を強い力でおさえ、洋服を乱暴に剥ぎ取る' n; r; o. }; i6 R: C, ?
見覚えのない四人の男。, S" x# ]' ?! l3 c/ M: y
…レイプ。8 S4 I/ X3 L" s9 A6 V- @% B4 W
これはレイプだ。
0 x# }3 G. U% t4 A3 L- F5 e恐怖の中…% {4 N( h' }2 v( d5 t$ j
レイプされているという事実だけは把握出来る。+ p# ^( y' K0 @; G; P
「…やっ・・・」4 X6 x- `2 v' m
自然と出る叫び声。
" ~9 P& _* ^: v+ @& u6 J4 g# b- a一人の男に口を塞がれた+ B; t4 d% G5 R, p  E9 W
「てめー静かにしねぇと生きて帰さねぇぞ」. z4 L' W# l" m
男は不気味に微笑んでいる。0 j) d7 S% p) L) ~6 `9 {5 ]" a2 b
…目は笑っていない。* w; E& _6 P9 _/ I, t
笑みを浮かべながら顔や腹をひたすら殴り続ける。
' H  e* A3 ^) Z( i* Z; f5 zその時( p2 V6 {* i. K" c- D
プルルルルル3 `: _" Q5 _" F  U% }) i: o8 N
車内に響く着信音。
' Q7 n( W' x& Y9 l& N2 }+ N$ Lこの着信音は…
% w5 @6 q, m. B3 E0 g! W2 [% e4 qヒロだ。
/ J3 [* |6 X' V& _遅いから心配して電話くれたんだ。# X( G$ @0 ^  W* r: Q6 M3 g: Y2 X8 l+ _
電話に出てヒロに助けを求めたい。: g: s- U& [2 h
しかし二人の男が手足をおさえているため身動きが出来ない。
3 U6 L" m6 }' `* J8 O$ x3 P着信音は悲しく鳴り響いていた。
0 D( S1 v: u, s! C% R抵抗したらもっと殴られる。. b1 L$ k6 m2 ~/ t8 n9 j8 ?( i1 I
殺されるかも…
; j0 j/ }% m" n$ K2 `+ _& q- Z  W恐怖と悲しみの中、唇を噛み締め、じっと耐える。- n, N- R* }8 z3 |! |' }
ヒロと初めて一つになった日…
) i8 _- u- w% N$ W) ~, vあんなに優しく抱いてくれたのに。) @$ r( r7 U& Q5 G
何で今さら思い出してんだろ。
7 a4 b. l( i) ^& t) S0 m" C…涙が止まらない。2 ]# A. ^; A, p  b' K2 V" N
突然ピカッ光る眩しい光。# C6 c  P5 w7 W2 M- ^6 x# c! x
助けが
4 h1 z2 z: I8 P4 y! I: J0 N来てくれた…??
$ K) e0 |8 |* S& `" z! ~8 ^9 `1 lそんな淡い期待さえすぐに砕かれてしまった。
0 z# j' X* K, T4 z3 w- G2 Xニヤニヤしながら耳元で呟く男。$ z( q* y7 b9 g5 e; u7 K  E- F
「てめぇチクったらわかってるよな?今撮ってる写真ばらまくからな」
4 Z6 n, W/ B( y* m6 D6 O$ N体が身震いする。
! \5 d1 r. H9 ^2 c9 x7 c0 Yさっきの光は助けなんかじゃない。1 P! U) E# T0 \
カメラのフラッシュだったんだ。
7 Q: m- x9 U8 Z! k「こんなんでいいだろ」7 y/ {8 k, I0 b8 w& r
男達は笑いながら意味深な言葉を発し、その言葉を合図に車が動き始めた。
: X2 e' N5 q$ f車は10分くらい走り、知らない場所で車から捨てるように降ろされ、
' {8 k7 A2 c5 B3 |…途方に暮れていた。" e- d8 Y4 m7 @$ B0 h1 U  {
震える指で走り去る車のナンバーをPHSにメモする。
7 b9 P- v. G1 C2 Q& Q4 J/ T暗い場所が怖い。) {5 G! [: z+ p
明るい場所に行きたい…. h: S4 |. ^* u. v! r, V0 p/ R$ W# \
明かりを求めて近くのコンビニへと歩き始めた。
# l; [) x7 p0 C! P- _* ?でも…
* g- v7 q! y$ b) ]' vボロボロに破れて
1 m8 |' J: r2 Y' E# g血のついた洋服。
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发表于 2008-1-23 14:55:24 | 显示全部楼层
顶一下吧
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发表于 2008-1-23 15:19:47 | 显示全部楼层
私も好き!
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 楼主| 发表于 2008-1-23 16:00:29 | 显示全部楼层
殴られて腫れた顔。) o: G9 p! Q9 S1 A2 Y" R/ A- Z# b
とてもじゃないけど人前に出れるような姿ではない。. h  o. ~& D" M0 T9 ]. v) x
足を止めコンビニの裏にある白いベンチに横たわった。) s( [: l+ L% G) _
ずっと鳴っているヒロからの電話。4 |% C" j3 O2 o; F
今すぐヒロの声が聞きたい。: C  |, K4 y: o
『今どこ?』7 g; B. `( F+ g, r( h1 Y
『……わかんない』
2 k3 q; w1 y, J; u! ?; {『わかんないってどうしたんだよ!泣いてんのか?美嘉今どこにいんの?言えよ』
: U6 p3 Y7 B7 F/ |5 w/ a『どっかのコンビニの裏…』
! |" K0 B9 \  m: M/ `  Q. E『近くになにある?』
8 P0 B2 ?: H7 l; d『パチンコ屋がある…』7 _* e1 k* z% U: `. B2 C# n
『今行くから』5 J2 Y* b3 h$ K. V0 P
電話は一方的に切られてしまった。
- \4 u* T4 \8 p8 _5 ?: D& O' a4 F" r, \ベンチに横になりながら星を見る。
+ c9 U: {3 g% |$ O7 c/ O3 pヒロに嫌われちゃうのかな…。
* R) r# L0 e8 l$ m8 e1 ~; I/ C9 n目を閉じてヒロの温もりを思い出そうとしても今はさっきの出来事が鮮明に甦って来るだけ。: ]* e* _3 `+ P+ [7 L
それから しばらく経ち…
9 T2 ?6 Y/ T: p3 v8 c6 Fキキーッ
2 ~3 d2 ]( Q! N) j3 W" g0 \自転車のブレーキ音。
5 N6 }0 a- T8 `4 `- {起き上がると
, e! z5 b" G5 x. \6 Z+ K: F少し遠くにはボロボロの美嘉を見て驚いているヒロの姿がぼんやり見えた。
  |% b" Q; D7 b; @ヒロは自転車を投げ捨て美嘉のもとへ駆け寄り、強い力で抱きしめた。
" w$ q* s  b6 G- \8 E8 m- Uヒロが来てくれた安心感からか…" m4 W/ O3 V* O7 f
子供みたいに声を出して泣きわめく美嘉。* v, d& n% _# z- }+ V* u
「守ってやれなくてごめん…」( r! y. ]- q' \! n4 ^; y5 j: G
ヒロの怒りと悲しみが体にひしひしと伝わる。& }1 K4 e1 a( G, z2 a& h
ヒロの存在に安心した気持ちとヒロに申し訳ない気持ちが混ざり合い7 \/ k; Q6 d3 i$ R& t
頭の中はぐちゃぐちゃだ8 Y3 v7 N% E1 [0 p: e
ヒロは悪くない。
2 p1 ^2 U0 B( R+ `# u, M) R9 ~8 x. [汚れちゃったよ。- Y5 j+ Z) d$ o& Y2 X% ^5 S
ヒロ…1 u& p: \. O& C1 h
美嘉汚れちゃった。( Y& I. b: T; [- ^6 K7 Q5 V
ヒロの胸の中で一時間くらい泣き続けていた。* `3 Q' f* k: F5 c5 |" y
「…落ち着いたか?」
/ r7 z. Q; h1 t5 l) I0 i「うん……」
3 ?3 s5 b' f& N- r顔を上げる。
0 M/ \$ ?4 V( f真っ直ぐ前を見つめているヒロ。/ N. z' L- q5 O, G+ k
その表情は悔しげで…。! A5 O; v# a9 H. ?& ^  C- o+ i
「俺んち行くぞ。このまま帰せねぇから」& \0 {# V& t) ]/ U4 e; N5 q  b- a0 \
「うん…美嘉のいる場所よくわかったね…」
% H6 C6 X% r5 l: U& G「俺の愛の力かもな!」
1 D. ], U3 f+ R0 R5 h& Jフフッと笑うヒロの笑顔の裏に悲しさが隠れ見える。, ^# _) y. C( ?$ g2 w% e- y
わかってるよ。# H7 J$ p7 }; R# l# H, @  ]" G  u) Q
無理…してるよね。
4 N' p1 h: U. N+ _& V$ Dヒロは詳しく聞いてはこなかった。2 L4 q* }9 f+ }: r) i; Y
でも何があったか
1 g. x5 B( z4 m& q" H. L2 I. u. l% `% zきっとわかってる。
* t3 s% F! m* }8 D5 ^自転車に乗り、ヒロの家に到着。
" v) b* B0 e. Z* t, N「部屋入って待ってて」
$ ?% [4 L" M& }0 @2 \/ I「おじゃまします…」+ P! x8 ?. e9 F8 m
小声で呟きヒロの部屋にちょこんと座り込んだ。' s" \0 v* L) q- d0 C$ m! g4 E  |
混乱している頭を抱え、呆然としていると…
! m, c+ q# ^" r6 @「美嘉ちゃん!」
( ?0 o" ^0 ~* }3 w; M背後から名前を呼ぶ声に体がビクッとし、2 W* V% I3 h  \
恐る恐る
  m3 ?% D8 E+ a! Q後ろを振り向いた。
9 K  E# _6 T( \% c8 D. n「…エリさん」- c0 ]( j- }& W0 N
エリさんとはヒロのお姉さんの名前。
( [! k7 P  o; Q( G# D  B/ ^ヒロよりも四つ上で、レディースの番長をしているらしい。
/ k3 n0 `  V1 f0 b9 p, }4 a7 t最初会った時はかなり怖かったけれど、ヒロの家に遊びに来るたび仲良くなって今じゃ悩みを聞いてもらったり、メールや電話で連絡をとったりする仲だ。
9 ?+ o  i8 m1 O: `2 T7 w8 ^" s美嘉にとってもお姉ちゃん的存在。" b9 T$ D9 B2 b6 ~& Y+ A
「びっくりさせてごめんね。弘樹から聞いた。辛かったね。あたしも似たような経験あるし、女同士のほうが話しやすいよね?」. F6 l( U8 a) w; x" @1 x! X1 t
言葉を返すことが出来ない。) g# P' A2 o+ V/ A& d# X% U" i
「あ、無理して話さなくてもいいよ。いつか話せるようになったら話して?そいつの特徴とか、車の種類とか。あたしも昔それで犯人見つけ出したからさ。美嘉ちゃん傷つけた犯人、あたしと弘樹で必ず見つけ出してあげっから!」
( e+ h4 ^0 W3 ^% w# t( ?エリさんの言葉を信じ、目をギュッと閉じてPHSを手に取り詳しく説明をした。
/ N! \7 A; e$ m" c9 D# V「白いスモークがかったワゴン車に、ナンバーは183*。四人の男で10代か20代…一人は前歯がかけてたような……」
( I+ x% [9 ^6 Q: Y) t( V7 Wエリさんに傷を手当してもらい、ヒロに自転車で家まで送ってもらった。
$ T3 {/ M9 x' X2 ]二人の間に会話はない。# ^' ]4 L; t0 l
でも今ね…
' H1 z3 a* y% E; X: m感謝の気持ちでいっぱいなんだ。
  s! j2 W' u* K3 xどこかもわからない場所を捜しあててくれて
: S% _: u9 X$ V  j自転車を投げ捨てて走って抱きしめてくれた。% U! `8 b/ y8 n. ?1 N5 Z- v( `
ヒロが安心をくれたんだよ。) O9 c  l- G) [: _
ヒロの背中に強くしがみつき、大好きだと…実感していた。
1 F! z9 ?, o$ ]4 M5 n  l家の前に到着し、ヒロが差し出してくれた手につかまり自転車から降りる。
" j/ E  O7 k$ M「ありがと…じゃあまた明日ね…」
: e: T5 @' M. @1 I2 d下を向いて帰ろうと背中を向けたその時…9 ~6 M- Y# h5 ]
「…待てよ」; P' P/ @- ~% e. w7 Z$ h* i
美嘉の手を握り引き止めるヒロ。
+ L! a& t. U3 ~& S6 w" `8 E1 d/ s終わりを予感させる。
3 D# E2 w! D% @4 Z$ k  i…そんな雰囲気。' H! U0 d- D; M& T* G9 r
もうヒロとはダメなのかな。9 @( N1 K9 V! B6 R4 o3 A7 `
終わりかな。
. Q, V* C! }. Z6 J$ W「…ごめんね」. l6 B+ Z8 W& |. u3 }/ w8 ?
自然に出た言葉。
1 C) P  m. l2 w" e; X+ jヒロは美嘉の肩を両手でぐいっと掴んだ。
. @  R, _- u( L「謝ってんじゃねぇよ。俺美嘉と終わらせる気ねぇから。こんなことって言ったら言い方悪いけど、まだ好きな気持ち変わってないから。これからは俺が美嘉を絶対守るし、今日のことなんて忘れさせてやっから。犯人捜すから」
; D' H8 J/ L( q涙が溢れた。  ?; E! M% w+ k3 y" ]3 d" H$ h4 Y% |
今度は嬉し涙だった。
& h: d/ B+ \  L$ B5 }  y: Jヒロありがとう。
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 楼主| 发表于 2008-1-23 16:00:57 | 显示全部楼层
ただいまも言わず部屋に直行し、布団に潜り込んだ。
7 {# W, q+ I3 W& h眠れるわけがない。3 }- Y; G6 ~; ~9 @6 m
目を閉じるとあの光景が甦るから。
- B' X& Y" p* \6 e( s結局一睡もしないまま- A1 V, y. `% P, X* k
朝を迎えた。
" K3 b7 J& v5 D, `6 _  _% u1 x
「…いってきます」% @; S: L( T" V, G! \0 V4 k4 U
転んだと嘘をつき、目と口の横にバンソウコウを貼り玄関を出る。/ a5 N3 k- e; B, B! @
玄関の前にはヒロが立っている。/ r- B4 m- Z% p/ e) t1 I+ @
「え…どうしたの?こんな朝早くに…」0 L4 ~$ {# l, z3 \- r3 I! O2 A
「迎えにきたんだよ!」
5 G$ T( N8 d: T* @6 j「え…なんで??」) O+ g; Q0 n' e* I# v9 e
「いいから早く乗れ」) ?6 d: V" D3 M7 G" I
ヒロはおでこに軽くキスをすると、
4 t/ g1 W1 T% Z7 r5 D体を持ち上げて後ろに乗せた。
  P! {9 A4 d8 W4 X  K$ ~8 h' u「掴まってろ!」
8 o1 L6 H+ h/ Q3 T% w  e2 ]! ]ヒロから美嘉の家までは自転車で一時間以上はかかる距離だ。' T) A! V- P' x6 x# R
ただでさえ学校だから早く起きなきゃならないのに…4 G2 }8 n' ^' A& f. k
ヒロ何時に起きたの??/ J3 g% Y; P' @& h9 b) `
心配してくれたんだ。5 ?  F4 B# e/ R/ E! l+ o  J
優しいね…。- `3 s0 q; P/ ?& m. p+ c
学校へ行くとアヤとユカは顔の傷を見て
! w7 V+ \' V+ }# @
目を見開いた。

( y$ U3 e' R! h4 r+ M( R) k$ E3 e「どうしたの?!」1 g+ p; p/ S' E7 o8 ^) @5 l
声を揃える二人。% H; q/ M: L0 r1 D' v+ X: Y
「転んだの!!」- @7 ]- h  t; ^3 V
「美嘉ドジなんだから、気をつけなよ!」2 V1 U8 j4 N( Q: o: @# R9 f: r4 r
「は~い
- t. Z! C0 i! P% B) L- {アヤの心配をよそに明るくふるまう。, o- s1 }2 L, }, x
ヒロはそれから毎日学校から家までの往復を送り迎えしてくれた。
1 [; B% N$ |6 O: T8 x' |0 S) j少しずつ
, j1 h. V, m9 N) r3 U; _5 I+ W
心の傷が消えていく…。
5 N) \6 c) D; ?' W* h  |0 h, g
あの事件以来、ヒロは気を使っているのかキスしかしてこない。- q5 }0 }+ @1 Q5 h
それも
+ n0 I+ K: s# E2 ~ほっぺやおでこに…。6 N' R! \9 _, \; c* w: P
確かにまだ少し怖い気持ちはある。) W7 l/ V# S8 @" e& Q8 C
ヒロの優しい気持ちはすごく嬉しいよ。
, G0 P4 V! S( @0 ^# U- ~& h; Uだけどね…
7 j  \$ f, D3 O9 Y  {ちょっと寂しい。
  ?  Z$ }& D9 W) W/ D. ]いろんな男に回されたから
8 _( t* ^" H! D0 ^4 r& x! l“美嘉の体は汚い”そう思ってるのかなって不安になるよ。
, u' p( v  b% B2 Q3 M* z+ |, ^勇気を出して、ヒロの家で遊んでいる時聞いてみることにした。; z$ h; L. g/ |( [* O+ h/ Q
「ねぇ~ヒロはしたいとか思わないの??」5 M0 d( S2 h9 E2 G
唐突でかつ大胆な質問。
8 i0 z2 C1 Y! ^3 C6 u「何を?」
) Y. Q; m# \: L# W& r「……エッチ!!」
6 a( o2 M( n! \0 |& P$ Y飲んでいたお茶を吹き出すヒロ。
/ g; R! j- X1 N$ ]「は?いきなり何!」+ s' D+ a4 b* R5 B; T! x
「…まじめな話だもん」  \5 K: E& M2 j; z1 |. N
「…そりゃあしてぇけど美嘉がしたいって思える日まで待つ」
7 K& s  U! z( Y$ M* a0 H/ r「したい気持ちはあるんだ。怖いけど…でもヒロが美嘉の体を汚いと思ってできないのかなぁって不安なの」
5 y4 T; Y  M6 t' N( n$ y# ~; oヒロは美嘉の頭を自分の胸へと引き寄せた
( `9 p" J3 d8 F. W8 Q3 v「ばーか!お前俺がそんな男だと思ってたの?」7 Q, m9 R3 N* R3 [6 D: |) ~
美嘉をベッドまで運び、体をそっと倒す。
" A2 I4 G& F: {& v/ l. m「怖くなったら言えよ?無理すんな。俺が美嘉の嫌な事全部忘れさせてやるから。傷消してやるから安心しろ」1 J. _$ _/ d( h5 s4 }7 B
二人の唇が近づき、体がビクッとする。1 u8 Q( K) O' `: v1 ~# O/ ~; |7 S
「大丈夫…俺だから」
) j: e1 C5 R3 ^9 l! }" k; Aヒロはゆっくり時間をかけて抱いてくれた。# u7 K# G5 T+ C2 t4 U
そう) B- i3 }# c# ~
初めての時よりも…。
1 L5 \; L* C6 s# t4 Y; L) p" P「俺が一生美嘉を守る」
) z# H" n$ w2 u# r- L8 }その言葉が今の美嘉の傷薬なんだ。+ V' F- E( `$ Z9 P5 J
あの日の傷みは、ヒロによって消されていく…。% U: F+ k9 X8 y: U8 v3 H8 G  W; Z
夜になり家まで送ってもらった。& X! k# N; p" r2 Z6 q
「またねっ!!」
4 I9 t3 ], m; @玄関のドアに手をかける。) a* ~6 _6 a2 S& [, K. F7 F
「美嘉!」
% ]3 P1 l! R1 x: N$ d) r名前を呼ばれた声で振り返った。
' K2 n$ w& f; {/ r1 u, T8 lヒロは美嘉の唇に軽くキスをすると( J+ G# m: C6 X9 s, r
「じゃあな!」
7 d9 |, j* C& i0 N. `と叫び再び自転車に乗って帰って行った。
7 p; M+ N* x# L6 H* m家に帰りベッドの上にあるぬいぐるみを握りしめる。% l* w# }/ K$ c& V# k
ヒロありがとう。9 C1 |$ @9 K$ |: W, x1 i4 o
美嘉ね…
  O3 R, h. H( \# @あの日のこと忘れられそうだよ。
; u# l3 T% i; h0 o# i) Tいつの間にかうとうとしていた時…
: x9 R! _7 c4 C) y  q- @: z
プルルルルル( s# K+ n$ C! a! Y7 |  L- e
着信:ヒロ
% C$ }) e1 \% r+ b! V( s
ヒロからの電話で目が覚めた。
$ s4 X/ e# h" a9 W! k! A; Eこの電話によって衝撃の事実が判明する。
$ x5 q6 p! J, m( ~1 _3 }『あい…』
7 O! \2 W: {' S6 h4 c" _# u寝ぼけたまま電話を取る。
0 h! e. s$ u. ~9 T3 O$ A' Z『…犯人見つかった』
' J! Y) M8 m  A『ふぇ…犯人…?』
4 J& |8 e5 U3 `0 x" R; T% U『お前をレイプした犯人見つかった!』
* ^1 U( t$ h9 c1 ^" M  O) O& U興奮気味なヒロの声に、ガバッと体を起こした。
9 H) I& n! X0 O7 e6 D『え…マジで??』( g: o4 ~: E2 E+ I- F$ y/ o7 A
『おぅ、マジ。姉貴と姉貴のダチに協力してもらって見つかった。美嘉が車のナンバー見たからそれが決め手で!』
2 ?5 e1 x* Z& A9 F『マ…ジかぁ』: K0 V+ z+ q8 ]0 x6 E. O# N8 {
犯人が見つかった。' ?% P' `4 z0 U2 S* v" {
喜んでいいのだろうか。
+ k8 _1 x) w3 @/ d' w! pその時
3 k$ k6 b: Q2 `  l" `6 D+ n8 v
ある事実を思い出した。

2 t9 q9 N' ]( G' ^; H…写真。) r- m* J: P3 p1 s
『ヒロ…写真とられた!!チクッたらばらまくって言われたよ…』" M8 I( g/ Q; b7 Z5 M
慌てた美嘉の言葉に、興奮気味だったヒロは静かになり、いつもよりさらに低い声で答えた。
  I. t$ v6 Y7 S9 |『はぁ?マジかよ。マジぶっ殺す。俺が写真奪ってやるから。明日会えるか?』
4 ], X. P5 W# L. a- T『うん…』! e+ z7 R% w5 J, t1 T  z
『明日朝行くから』
/ ~+ y7 x4 v0 a# Sそうして電話は切れた。
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 楼主| 发表于 2008-1-23 16:01:17 | 显示全部楼层
犯人
# ?0 W0 R' V! m/ E; `見つかった…。
' }3 ^8 \: x- f5 N6 A, q' w0 s: P
電話を握りしめたまま、震えが止まらなかった。
2 y7 p& \5 C; l1 Z: Z一睡もしないまま朝が来る。4 j3 E- p/ i# a
学校をサボり、迎えに来てくれたヒロの自転車に乗ってヒロの家へと向かった。
: \* k( [- M: L; X「おじゃまします…」
7 Z0 J1 x- T$ g& {「美嘉ちゃんいらっしゃい!」
  ^2 u" T; Y  z; U, m+ s…エリさんだ。
" {. p3 y# d0 U$ z# X$ o0 |: Q+ t「犯人見つかったよ。今からそいつらここに呼ぶけど…大丈夫?やっぱ最低なことをして傷つけられたわけだし、ケジメつけさせたいから」
) S7 \2 ~$ A1 x6 M2 T' {6 r何も言わずに深く頷く美嘉。8 E% @, d" E. Q  {& V
これから7 f! E% v5 W! R2 ^1 V2 `- ~
…犯人に会うんだ。, `- ]6 A% x( @4 d7 s( @( c
犯人に会うの、本当は少し怖い。
" X8 _9 V9 n5 Vでも反省して欲しい。
7 g) \& q% q* y3 n二度と同じことを繰り返してはほしくないから。
, B, X4 ^5 z7 m3 ^& F! N3 l  Oヒロと手を握り合い部屋でじっと待つ。
6 C2 I) R/ B+ u( z/ A  G, s「俺がいるから大丈夫」
# h% a7 F3 U& H8 N2 t3 uヒロは美嘉を安心させるため
9 `6 Z& C8 n$ A! h+ D' q4 G/ }何度も優しく声をかけてくれた。
% U. O/ F/ Q) j0 R* g6 [
その時…3 r& O' P0 V* G+ b  v/ H6 p
玄関のドアが開く激しい音と共に、
3 R8 z' H+ C! C2 D- U+ t8 N, Zエリさんとエリさんの友達らしき人の叫ぶような声。
5 O2 [/ j# c' M「てめぇらタラタラしてんじゃねーよ。早く謝れよコラァ」/ f0 V4 r( g+ p
こっちへ向かう足音が* v+ I" _, \6 C: V1 C5 \( W
徐々に近付いて来る。
3 T0 ~) G2 j2 Q( |…犯人が来る。  [& y3 `- q% z: Q9 J5 h
ヒロの手を折れるくらい強く握った。! e  ~0 U* q$ z9 |( P3 E/ {
キイィ. R7 Z; P5 e  f# w
部屋のドアが開き、ぞろぞろと人が入って来る。' M- \! i5 P1 F' H& o+ S9 P
体は一瞬にして硬直…
. W. o7 C2 A( `鳥肌がたつ。( L0 p3 K% J; D* \; C; D6 L
間違いない。
# u6 H9 B" n& d0 c…確かにあの四人。
$ s/ z4 F- ]" ?顔ぶれも、) x6 V' m6 m5 b% A9 l5 Y4 p
車の香水とタバコが混ざったきついにおいも…。
1 s  O7 z9 [6 q, y2 Pあの日の記憶が甦る。1 w9 g2 g8 [5 y
ヒロが手をぎゅっと握り返したことで、- A+ e+ \  b3 P0 K% _6 K
記憶を取り戻した。" [+ b; z! B* h0 y7 V" H' E
「こいつら?」: s7 X& T+ j/ |: O
エリさんの質問に
% F; m# |2 v4 B# |6 r何度も頷く。8 s9 b6 T6 j: U8 Q3 I9 `' D2 i
その瞬間ヒロがものすごい剣幕で立ち上がり、
' I2 I% B. w$ Y* a, e一人の男を睨み胸倉をつかんで叫んだ。+ r& u! C3 P+ c0 W- V
「てめぇが犯人か!てめぇ俺の女って知っててやったのか?」5 \. t( z2 @; A- U* i5 j" b
え…
1 D! C% }, I% ]4 nヒロは何言ってるの??
1 S- ]! |- R: C* u4 e: i# Z) c「はぁ?弘樹の知り合い?意味わかんねぇ。説明してくんねぇ?」& u1 Z4 W& E8 ]! U( @3 F
眉間にシワを寄せる; w3 L8 h: u. N4 R0 b2 ]
エリさん。
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 楼主| 发表于 2008-1-23 16:49:42 | 显示全部楼层
「こいつ俺の知り合い」
; r3 [% q. T4 i' z+ ]ヒロは胸元を掴んだ男を強く睨みながら答えた。& u9 ?* w9 P% h; {1 C4 U. f2 _, O
「なんで弘樹の知り合いが美嘉ちゃんをレイプしたんだよ?」# s; e  j( w3 O9 U
「俺にもわかんねーよ。てめぇ説明しろやコラ」% h$ t( F: `$ T
胸倉を掴まれている男が怯えた表情で口を開いた, M( I2 v$ C& K/ b( Q# p6 R
「咲さんに頼まれた…」3 J1 b- M5 y; i) {" y, M# u
………咲さんに
% Q  r6 N1 ~, G& D8 ]3 X頼まれた??
8 C- W+ K6 S% M: w* W「咲って弘樹の元カノだよな?」5 U" T4 A3 @, j& j
エリさんはしかめっつらで問う。
+ s, p0 |8 u! Q4 b5 d+ r「咲がなんだよ。てめぇ詳しく言えよ」4 E4 E& W7 `9 K9 `
ヒロの怒鳴り声再び男が口を開いた。+ p; Y2 l5 x9 m  M. g4 \4 ]" T
「咲さんに“嫌いな女いるからその女レイプして写真撮ったら金やる”って言われて…」6 q/ n% l# {: w( O* Y! K# P
この時その言葉を理解することが出来なかった。
+ N( \1 w; ?( G7 A- g5 @1 ?ヒロはその男の顔を拳で強く殴り、その男は口から血を流し倒れた。
& d5 R3 C& h$ M" m* x, Y; E& p横に並んでいた三人の男が謝る。8 ]2 T$ F; X! w: J, V3 o# {
「許して下さ…」
, B. |, i2 Y7 \! e$ A8 O「聞こえねぇ」' s. W1 w/ r8 R3 E2 c4 S$ r. r2 m
ヒロはの三人とも壁に押さえ付けて順番に殴り、無理矢理土下座させて頭を踏みつける。% t, [& d4 J3 m2 |, z% x* p
全員が謝り終えるとエリさんは四人の男を家の外に出した。
) E: U+ v$ ~* L2 b「弘樹説明しな」7 [2 y* z& T# j- j
部屋に戻り
, I5 e) z! H% {  N6 Qヒロを睨むエリさん。
1 H: B1 z6 m/ U& s; p1 T
「でも…ヒロ彼女と別れたんだよね??」
+ O4 c* h# O7 v4 k0 w! K$ n+ _' `美嘉は苦笑いをしながらヒロの顔を覗き込んだが
, k, Q& R7 L- i4 [' G6 r: Y7 wヒロは何も答えようとはしなかった。
  Y7 A. I6 Z( a$ T& G3 R8 w# i1 [% ?「嘘ついてたのか?」6 u: r9 _% m7 \2 [; ~6 l' N
エリさんの表情はさらに曇る。
2 a$ b' I+ _3 o& R' w& A7 p「俺は別れようって言ったんだ…でもあいつが嫌だって言うんだよ。」. U  {9 M+ J: t" w
うつむくヒロを見つめながら一つの疑問が頭に浮かんだ。
3 Z+ L, d% O! L9 T  c「美嘉ヒロの元カノに会ったことないよね?なんで元カノ美嘉の顔知ってるの??」
7 T# s0 v- x$ h  ~顔を上げ美嘉の目を見つめながら答えるヒロ。! u% P) a  R! ^2 B* A
「実は美嘉と付き合い初めてから一回咲と会った。っつーか家の前にいたんだ。そん時美嘉のプリクラくれたら諦めるって言われたから一枚やったんだよな…ごめん」& V# \9 N0 Q% h  E% o
「おめぇ、謝って許される事じゃねーよ」$ g" Y/ n6 z9 K, A( ^
壁を蹴るエリさん。
% `9 v7 D  L! N! y" q5 d; Vヒロは美嘉に頭を下げた
( N6 U( ?9 N1 x' A「ごめんな…」7 a3 o% P' \, x1 V4 E$ P
その時重大なことを思い出し、美嘉はヒロのそでをつかんだ。9 U. e: R: u7 S
「写真…撮られた写真奪ってない…」
9 [. x& e6 \2 ?9 ]9 }! Y美嘉のそんな姿を見て、エリさんは冷静に答えた。8 }% e" u9 Q! x
「大丈夫。あいつらに聞いたら、フィルムいれてなかったって言ってたから安心して!」$ {( ~5 D4 C  T9 k3 j# a
「咲だっけ?そいつとは縁切りな」: h9 i- b  H! b; A$ x# D8 G* A* I3 g
エリさんがイライラした様子で言うと、ヒロは再び頭を下げた。
& h4 K; S! h6 y2 R$ h, \8 h5 ]; i「マジでごめんな。俺のせいで…」  m- d0 ]) y6 G$ }/ h% L3 R
「うん…大丈夫」9 p. S* Z" F  f  s7 ?
その日もヒロに自転車で送ってもらい、家へ帰った。2 E" W: Z+ n( a2 Q, w) Q# @9 b
家へ帰ってから何回も何回もヒロからメールが届いていた。, F. {4 {+ K2 n4 L# h) @9 a
《ミカ、ゴメンナ》
! E+ y4 a, d' I& o9 E5 ~: ^% W' Y, F美嘉をレイプした犯人はヒロの知り合いだったなんて。
  M# ]; y  ^) T! M  t' h$ gしかも% X. O, e; [# T
元カノに頼まれて…。3 h4 y3 E* r9 c
犯人が誰かも判明したし謝ってもらうことも出来た。
' \! \4 O7 s6 @1 ]だけど、スッキリしないのはなぜだろう。
( s% h& j; V' Z' l写真は?# }& S  H1 Q# H4 `4 z# Z1 w5 g# C, ^+ L
フィルムは本当に入ってなかったの?+ w' H7 \4 N/ c7 t+ {& h* A
だってフラッシュ光ったんだよ…??
% q7 q0 G: Z, U8 W' @ヒロはなんで元カノに会ったことを秘密にしてたの??
, w7 @5 p! L' h6 }7 F美嘉がクラスの男と話するだけで怒るくせに。
' X0 P& q- c( [' ^& V  {. ?なんで美嘉はヒロの元カノに嫌われてるの??
" B3 }- l3 E$ m7 w) oねぇ
  C8 e0 z: _2 O) C6 v5 D- u8 r! x3 _これって本当に解決したのかな。6 t- ^+ ^7 B/ \2 C$ O7 |- V
本当にこのまま終わるのかな…。
& K) i$ a1 r  Q0 `" Bヒロの元カノが男友達に頼んで美嘉をレイプした2 D0 c* ~5 L2 C9 C: a  t
何それ…
% a( p, |3 t% K9 `どうして平気で人を傷つけられるの??5 D! |& E, e3 W8 Y( H( t
治りかけていた傷が再び痛み始める。
) p3 |1 T, G1 o, A, P" qこの傷はきっと…
- Z$ f6 ]3 g3 a6 H$ ~一生跡が残るだろう。
2 \0 C$ d0 J$ f# K, }6 S4 D: K5 O! S第四章 嫉妬
! P9 _$ `- H0 @! s* c! m2 J# ]昨日の出来事に少し落ち込みながらも
( m5 a# j# t4 m/ L* I学校に行かなければならない。! }9 [! n0 ?: B# v
「美嘉おっはよ~!」
. ?0 i6 Z% Y* j# n左右から抱きつくアヤとユカ& x9 F  C! F, _: |  e# x; T) D
「あっ…おはよ♪♪
* ?3 b+ I5 p; e/ k笑顔を作りながら答え、席に戻ろうとした時、
/ L" R/ Q. V3 c; |8 V: [8 o8 P「元気か?」5 z# V9 E5 E) A. d8 |! J. w8 l" q
後ろから誰かに声をかけられ振り向いた。& @6 |1 a# h7 U0 I7 U" w1 R- B
同じクラスのタツヤだ。8 P. o( [4 j& e# M4 f8 ^. J; I' @
タツヤはヒロとは違い
* @  J  \0 v" l7 a1 X* T$ x! n9 oギャル男系やヤンキー系ではなく、
' e+ R6 n7 h7 }! T* lどちらかと言えば爽やかなスポーツマン系。
/ `7 |$ g( j' c/ |挨拶を交わす程度の仲。( s! O7 _, u) ?# N7 [1 l8 x
「えっ…元気だし!!」
0 a5 V4 H1 n6 H' R5 `1 [# jヒロと美嘉が付き合っている事は学校で知らない人はいない。! ?7 t$ K1 ^+ }) K1 c+ L
ヒロは学年でも目立つ存在だし、学校内でイチャイチャしていたから。
2 b8 o( n5 i, @ヒロは見た目が怖いうえにヤキモチ焼きなのは有名だった。# E. e& o  c0 C2 Y
ヒロに睨まれるから美嘉に話かけてくる男は少ない。$ e/ @0 M9 t0 R, s# B2 h5 c
女友達はたくさんいるけど男友達は極端に少ないかった。8 f+ H7 p8 X3 p8 J, i( _
だからタツヤに声をかけられてかなり驚きだ。
" V# d4 W* e1 [/ h5 |" o「元気が一番だな
# a$ Q8 s. {% M2 Y: Z  Kタツヤはニコニコ笑いながら席へと戻って行った。# R7 S- m* E3 [! A. U
授業中、前の席のアヤが振り向いて小さい紙を差し出す。
  j7 y& W: ]: O9 y8 n+ y「何??」, T* |5 N3 e0 a) G
「なんかねー前から手紙回って来た誰かは不明。美嘉宛てだってぇ!」: Y+ Y- m  l- m; q6 W5 W  f0 @
手紙??% _. S3 ~, \, D5 e  v! p
誰だろ。# A9 M  R& x: d- V
先生にバレないよう6 W0 ?) Y% B; v: f, _
机の下に隠しながら手紙を開く。
$ ~; r& U9 e* `; p( P. u1 x$ t【美嘉へ。タツヤだよ!良かったらメールとか電話ちょうだい。070517153**だから!】: Y9 M( G4 `. X2 C$ ~
手紙にはPHSの番号が書かれている。
1 @5 q+ V$ R  e$ ^; N' p6 V顔を上げると偶然目が合ったタツヤは舌を出して笑っていた。# Q' K3 v8 I: z" X2 a$ U  v
バレたらヒロに怒られる。) G5 D6 P, y/ \' p4 O
でも友達だし、いいよね?9 |% R  g( K9 ?
本当なら断るべきだけど…1 Z" p! }# }" o) E# W' {
昨日ヒロが元カノと会ったって聞いて、連絡くらいなら…
+ B# z$ p1 o9 a8 D0 r- k! p5 cって仕返しみたいな気持ちもあって
, b, s' O/ V0 s. Yタツヤと連絡を取ることにした。
' O- B) S1 i% h6 iしかしそれからも変わらず, X9 b; H, R4 K0 R
ヒロとはうまくいっていた。
" u6 E% u  O7 e$ [  T+ O7 i休み時間のたびに会うことはなくなったけど、
8 T& I, v% ^  E5 s& T+ M暇ができたら遊んだりしていたし送り迎えもしてくれていた。
: x* t/ {$ {4 n( d/ h" h& ~& N( l' k友達ともたくさん遊んであの事件も忘れようと努力していたある日の朝…
6 c/ _  i" w" w
プルルルル
0 A4 _) U8 K, ?% W$ ?
着信音で

! f  I* j& h' {8 b9 m% y; a起こされる。
  j0 F5 i6 U  Nん?非通知だ。
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