是的
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by広辞苑第5版
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あ・ける【明ける・開ける・空ける】
〔他下一〕[文]あ・く(下二)
(アカ(明・赤)と同源で、ものを明るみに出す意)
①境・仕切り・おおいなどで内・外の通いを閉ざしているものを除き、通れるようにする。開く。万葉集12「朝戸―・くれば見ゆる霧かも」。源氏物語蜻蛉「泣く泣くこの文を―・けたれば」。「窓を―・ける」「鍵を―・ける」「金庫を―・ける」
②場所をふさいでいるものをどけて、はいる場所をつくる。そこをからにする。そこに隙間をつくる。間を離す。源氏物語蜻蛉「心なし。道―・け侍りなんよ」。宇治拾遺物語10「刀のさきして、みそかに穴を―・けて」。「部屋を―・ける」「グラスを―・ける」「水を―・ける」
③器物の中の物をほかに移す。浮世風呂2「ハイハイトくみきたり、とめ桶へ―・ける」。「瓶の半分をコップに―・ける」
④留守にする。また、外泊する。「家を―・ける」
⑤(仕事などの)禁制・束縛などを解き、何かに使える状態にする。暇な時間をつくる。日葡辞書「ヒマヲアクル」。「手を―・ける」
⑥(閉ざした扉をあける意で) 営業などを開始する。「商売の口を―・ける」「店を―・ける前に客が押しかける」
⑦包み隠しをなくす。打ち明けて話す。
⑧(「らちを―・ける」の形で) 事態解決の手順や方法を見つける。日葡辞書「ラチヲアクル」
◇あかるくなる意に「明」、ひらく意では「開」、からにする意には「空」をふつう使う。
ひら・ける【開ける】
〔自下一〕[文]ひら・く(下二)
①閉じているものがあく。古今和歌集序「この歌天地の―・け始まりける時より出できにけり」
②つぼみがほころびる。咲く。源氏物語少女「とく―・けたる桜の色もいと面白ければ」
③(閉ざされた心などが)晴れやかになる。さわやかになる。万葉集8「梅の花心―・けて吾が思へる君」。源氏物語夕顔「笑みの眉―・けたる」
④滞りが除かれ先に通ずる。「解決への道が―・ける」
⑤良い方に向かう。平家物語7「度々のいくさにうち勝つて運命―・けんとす」
⑥文明に赴く。開化する。謡、難波「難波の浦に年を経て、―・くる代々の恵みを受くる」。「人知が―・ける」「町が―・ける」
⑦障りなくひろびろと見わたせる。「視界が―・ける」
⑧不明のことが解明される。浮世風呂3「しかし疑はしい事は、あの頃にはまだ―・けぬ古言などが今のごと―・けて、使ひざまに誤りのない所」
⑨人情に通じる。粋である。物わかりがいい。「―・けている叔父さん」 |