比 喩
(譬喩、ひゆ)とは、字・語句・文・文章・出来事・作品全体などの物事を、それと共通項のある別の物事に置き換えて表現する手法である。読み手に対し、例えられる物事を生き生きと実感させる効果を持つ。比喩を用いた修辞法を比喩法という。
1.直喩法
直喩(明喩、シミリー)とは「(まるで・あたかも)~のようだ(ごとし、みたいだ)」のように、比喩であることを読者に対し明示している比喩である。直喩を用いた修辞法を直喩法という。『祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり…」で知られる平家物語の序段は、この直喩の典型例である。
2.隠喩法
隠喩(暗喩、メタファー)に分けられるものは、比喩であることが明示されていない比喩であり、メトニミー(換喩)やシネクドキ(提喩)などが含まれる。隠喩を用いた修辞法を隠喩法という。すし詰め状態、団子レース、マシンガントークなどのように定型句となった表現も見られる。
3.換喩法
換喩(かんゆ、メトニミー)とは表現する事柄をそれと関係の深い付属物などで代用して表現する比喩である。換喩を用いた修辞法を換喩法という。
用例
- 「バッハが大好きだ。」という文では「バッハ」がバッハの作品を指している。
- 「そのワインを開けてくれ」という文では、実際開けるのはワインではなく、ワインを入れたボトルの栓である。
4.提喩法
提喩(ていゆ、シネクドキ)とは上位概念で下位概念を表したり、逆に下位概念で上位概念に置き換えたりする比喩をいう。換喩との違いは、包含する関係にあるか否かである。提喩を用いた修辞法を提喩法という。たとえば、ある相手に対して「情けない男だ」と告げた時、情けないのはその相手(下位概念)だけであって、男全般(上位概念)を指しているわけではない。また、とり肉といってニワトリの肉を指すのも提喩である。
[ 本帖最后由 天の寵児 于 2008-4-4 15:34 编辑 ] |