地球の温暖化―「炭素の夏」に国境はない
全球气候变暖——穿越国界的“碳之夏”
人はみな息をしている。動物も植物も微生物も呼吸する。こうして出る二酸化炭素(CO2)の量はどのくらいか。ノーベル平和賞を去年受けた「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の科学者たちは、その見積もりを報告書に載せている。
所有人都在呼吸,动植物、微生物也在呼吸,由此会产生多少二氧化碳(CO2)?去年获得诺贝尔和平奖的“政府间气候变化专门委员会(IPCC)”的科学家们在评估报告中给出了数据。
それによると、陸上の生物界が大気に吐き出す「自然の息」は炭素の量で年間約1200億トン。一方、現代文明が石油や石炭などを燃やすことで出す量はその5~6%ほどにすぎない。
根据该数据显示,陆地上的生物由于“自然呼吸”每年向大气排放的碳总量约为1200亿吨。而现代文明消耗石油或煤炭所排放的碳量只不过是它的5~6%。
ゆがむCO2の収支
二氧化碳收支失衡
これなら、いまの暮らしを続けても大丈夫だ。そう思ってはいけない。自然の息は、それにほぼ見合う量が植物の光合成などで生物界に戻される。ところが、「文明分」が加わることで、CO2の収支がゆがむ。
我们不能认为这样就能维持现在的生活。自然呼吸所产生的碳通过植物的光合作用转变成氧气释放到生物界。但是,“文明”所产生的碳却造成了二氧化碳收支的失衡。
地球を覆うCO2は、もともと「温室」の働きをしている。増えすぎると、地球を過度に暖めることになる。これが温暖化だ。
覆盖地球表面的二氧化碳是“温室效应”的元凶。含量增加过多会导致地球过分变暖。这就是气候变暖。
大気のCO2濃度は産業革命前より3割以上ふえた。CO2の収支をなるべく均衡状態に近づけ、平均気温を1990年に比べて2~3度以内の上昇に抑えなければ、被害は世界全域に及ぶ。これがIPCCの見立てだ。
大气中的二氧化碳浓度比产业革命前增加了30%以上。如果不能使二氧化碳收支尽可能地接近平衡状态,不能将全球平均气温控制在比1900年高出2~3度的范围内,那么灾害就会波及全球。这是IPCC的预测。
CO2は人も口から出しているものだから、排出してもその周りにただちに害を及ぼすわけではない。一つの国の一つの工場が出したものが、地球の大気という大きなプールの中で自然の息に上乗せされ、徐々に危うさを増していく。黒煙をもくもく吐いたり、廃水を海や川に垂れ流したりといった、いわゆる公害とは性格が異なる。
因为人也是从口中呼出二氧化碳,所以即使排放到空气中也不会给周围带来直接伤害。而每个国家的每个工厂所排放的二氧化碳与地球大气这一巨大容器中的自然呼吸结合后将逐步扩大由二氧化碳带来的危机。它的性质与烟囱吐冒黑烟或废水排放海洋江河等社会公害是截然不同的。
自分の国だけが排出を抑えれば事足れり、というわけにはいかない。よその国も同調してくれないと、問題は解決しない。地球規模の視点を持って臨むことが大切だ。
这个问题不是仅通过控制本国的排碳量就能得到解决的。我们必须与周边邻国保持步调一致,着眼全球至关重要。
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