日本の技術―「弱者」の知恵を守ろう
日本技术——捍卫“弱者”智慧的结晶
新しい中小企業白書は、大企業にくらべて資本や設備の力が劣る中小企業が、ハンディをどう補うかに焦点を当てている。期待されるのが、IT(情報技術)を導入し、輸出や海外進出を進め、産官学のネットワークで相互補完する、といった努力だ。
最新中小企业白皮书的焦点是,与大企业相比资金和设备能力较弱的中小企业该如何弥补这一缺陷。希望中小企业努力导入IT技术、扩大出口和进军海外力度、利用产官学网络相互补足。
*产官学:“产”是指产业界、企业,“官”是指政府,“学”是指学术界,包括大学与科研机构等。日本政府及学者专家与企业通力合作,实行产官学三结合的体制,是日本战后经济起飞的重要经验。
だが、白書が言及していない問題点で、早急な取り組みが必要なことも少なくない。そのひとつが、特許など知的所有権の問題である。
但是,白皮书未提及的问题中须尽快解决的也不在少数。其中一个就是专利权等知识产权问题。
中小企業の中には、長年にわたって特定の技術に磨きをかけ、大企業にもまねのできない高度な技を獲得しているところも少なくない。そんな企業には企業系列の枠を超えて、国内だけでなく世界中から注文が舞い込む。
在中小企业中,不少企业经过常年累月地磨练,创造出令大企业也无法模仿的高级技术。这些企业能超越中小企业框架,获得国内乃至全球客户的订单。
ところが、そこに大きな壁として立ちはだかっているのが、実は日本国内の大企業なのである。
然而,现在却有一堵巨大的墙挡住了他们的发展去路,这就是日本国内的大企业。
精密機器のある中小メーカーは、独自の技術を大企業に模倣される経験を何度も味わっている。
拥有精密仪器的中小生产厂家已经饱尝独有技术被大企业模仿的滋味。
次世代薄型テレビの画面に必要な網状の部品を作る技術について、特許の出願中に、大手電機メーカーに秘密保持契約を結んだうえで説明したところ、大手メーカーが自社の特許として後から出願してきた、という。争いは、特許庁の審判に持ち込まれた。
据说某厂在申请第二代超薄电视屏幕所需网状零部件的生产技术专利过程中,与某大型电机厂商在签订保密合约的情况下对其进行了技术讲解,然而却被该大型厂商作为本公司的技术又提出了专利申请。于是这场纠纷被闹到了专利局。
医療機器や半導体検査装置の部品でも、別の大企業から同じような苦い思いをさせられている。
该厂在医疗器械和半导体检测设备的零部件方面,也饱受其他大企业之苦。
この中小メーカーの社長は「外資の方が知的所有権の契約や法令をきちんと守る。日本の大企業は、中小企業の技術を盗み得と考えているのではないか」と怒りを隠さない。契約があっても、裁判になると経営の体力と時間を消耗するので、中小企業は泣き寝入りを強いられることが多い。
该厂厂长愤怒地说,“外资公司会严格遵守知识产权的合约与法令,但日本的大企业却在设法偷取中小企业的技术。”
此类纠纷一旦闹到法院,即使有合约也会消耗经营精力和时间,因此很多中小企业都选择了忍气吞声。
したがって、知的所有権保護の枠組みが中小企業にとって使いやすくなるよう、手直しする必要がある。
因此,必须改变知识产权保障体系,让它更有利于中小企业维护自身权益。
特許の紛争が起きた場合、特許庁は中小企業の言い分にもきちんと耳を傾ける体制を整えるべきだ。中小企業の技術は現場での工夫から生まれたものが多く、研究室にくらべ開発過程の記録が残りにくい。それが不利にならないような配慮が欠かせない。
发生专利权纠纷时,专利局应该调整制度,认真聆听中小企业的理由和情况。由于中小企业的技术大多来源于实际工作,很难保留类似实验室的开发过程记录。因此,必须考虑并预防这一不利因素。
また、争いになったら素早く結論を出すことも大切だ。紛争が長引けば、比例してコストもかさむ。体力勝負に持ち込ませてはいけない。
另外,一旦发生纠纷马上拿出结论也是至关重要的。时间拖长了,相对成本也会增加。不能让它成为一场持久战。
中小企業が紛争に勝ったら、特許の侵害などで失った利益を、改めて裁判に訴えなくても大企業が賠償する制度を導入したらどうだろうか。
是否可以导入这样一种制度,只要中小企业赢得纠纷,即可从大企业获得因侵权所损失的利益赔偿金,而不用重新提出诉讼。
特許を侵害して訴訟で負けても相手を邪魔できればいい、という考え方を封じるのだ。
在侵犯专利权的诉讼中,认为尽管官司输了但已经给对方造成影响就行的想法是不对的,我们要予以扼杀。
優秀な中小企業は日本の技術力の土台になっている。そこを大切にしていかないと、大企業はやがて自分の首を絞めることになるだろう。
优秀的中小企业是日本技术力量的基础。大企业如果对此不加以珍惜,将无异于扼腕自杀吧。 |