宇宙基本法―軍事には明確な原則を
宇宙基本法——为军事利用太空明确原则
衆参両院合わせて、国会での実質的な審議はたった4時間。日本が宇宙を軍事利用することに堂々と道を開く宇宙基本法が成立した。
在国会,众参两院对宇宙基本法只做了4小时的实质审议便予以通过,由此为日本今后正大光明的军事利用太空铺平了道路。
宇宙利用については、平和目的に限るとした69年の国会決議に基づき、「非軍事」が原則だった。だが、基本法は「我が国の安全保障に資する」と付け加えることで、軍事目的にも使っていく方向へ転換させた。
基于69年国会通过的仅限于和平利用的决议,“非军事”是此前太空利用的原则。但是此次基本法加入“有助于保障本国安全”的条款,使得今后的太空利用开始朝着军事目的方向转变。
すでに自衛隊は、事実上の偵察衛星である多目的の情報収集衛星を利用してきた。今後は、偵察衛星を持ち、ミサイル発射を監視する早期警戒衛星の保有の道も法的には開ける。
自卫队一直使用卫星收集多方面信息,而这些实际上均属于侦查卫星。今后法律上将承认其拥有侦查卫星和导弹防御所需的早期预警卫星的合法性。
たしかに宇宙技術は40年前とは様変わりだ。だからといって、大原則の変更なのに議論が尽くされなかったのは極めて遺憾だ。与党と民主党が政策合意を目指すのはいいが、広く国民的な議論を巻き起こす努力もせぬまま、数さえ整えば採決してしまうというのは乱暴ではないか。
与40年前相比,太空技术业已经发生重大转变。但是即便如此,现在是对大原则进行修改,政府这样不深入讨论的行为令人遗憾。执政党和民主党可以以政策达成一致为目标,但是他们不发动广大民众参与讨论,只是一味凑齐票数通过基本法的做法是不是太专横了?
基本法の運用にはいくつもの課題と懸念がある。
对基本法的运用有几个问题和担忧。
第1条に「憲法の平和主義の理念を踏まえて」とうたっているものの、では何をすることが日本の安全保障に資するのか否かがはっきりしない。
虽然基本法在第1条中讲到要“遵循宪法和平主义理念”,但是并没有明确指出如何才能有助于保障日本国家安全。
ならば、今後の関連法案づくりなどの機会や審議を通じて、以下のような原則を明確にせねばならない。
那么,今后必须利用制定相关法律的机会或审议时间明确以下原则。
攻撃兵器を宇宙に配備するのは専守防衛の憲法原則に反する。衛星を攻撃したり、衛星から地上を攻撃したりといったことは論外である。さらに、国際的な緊張を高めたり、軍拡を誘発したりすることがあってはならない。
在太空设置攻击武器是违反专守防卫的宪法原则的。攻击卫星、利用卫星攻击地面目标等问题不在讨论范围内。此外,日本必须避免加剧国际紧张局势、引发各国扩张军备。
たとえば、日本を敵視し、国際ルールを無視して核兵器を開発する北朝鮮の動向を探るためなら、今の情報収集衛星より性能の高いものを持つことに国民の理解は得られるかもしれない。
比如,如果是利用卫星获取敌视我国并无视国际公约的北朝鲜开发核武器的动向,那么国民对自卫队持有比情报收集卫星性能更强大的卫星,可能会予以理解。
だが、中国やロシアを想定した将来のミサイル防衛構想に日本の衛星が組み込まれるとなれば、話は違う。東アジアや世界の緊張を高め、軍拡競争の引き金になりかねない。こうした役割を日本が担っていいはずがない。
然而,如果以中国、俄罗斯为假想对象,在未来导弹防御计划中加入日本卫星,就另当别论了。这样有可能会加剧东亚和世界的紧张局势,成为军备扩充竞赛的导火索。日本不能扮演这样的角色。
イランの脅威などを理由に欧州にミサイル防衛網を配備しようという米国の計画が、ロシアの激しい反発を呼んでいることにも学ぶべきだろう。
美国以伊拉克威胁论等为由,希望在欧洲铺设导弹防卫网,此计划遭到了俄罗斯的强烈反对。日本应该从中学到些什么。
もっとも大事なのは、現実感覚を失わないことだ。高い偵察能力は抑止力だという理屈もあろうが、早期警戒衛星のような巨費を要するシステムを持つ必要があるとはとても思えない。米国との賢明な役割分担という視点からも考えるべきだ。
最重要的是,不能失去对现状的把握。虽然优秀的侦查能力代表着一个国家的威慑力,但是我依然觉得日本没有必要花巨资打造早期预警卫星系统。政府也应该从与美国的角色划分上考虑这个问题。
また、安全保障の名の下に透明性が曇っては、日本の宇宙開発全体がゆがんでしまうことにもなりかねない。
另外,如果在安全保障名义下使得太空利用的透明度降低,那么日本太空开发的整体工作就有可能脱离正轨。
国会は、具体的な利用方法をめぐって妥当性をきちんと吟味し、原則を確立していく責任がある。
国会有责任认真考察太空具体利用方法的妥当性,确立原则。 |