市長殺害死刑―テロへの怒りを新たに
杀害市长被判死刑—再燃恐怖主义怒火
長崎市の伊藤一長市長を選挙運動中に銃撃し、殺害した元暴力団幹部の男に、求刑通り死刑が言い渡された。
在选举活动中枪杀长崎市市长伊藤一长的元暴力团体头目(男)按检察官的起诉被判处死刑。
殺された人が1人の場合、死刑判決はめったにない。あえて死刑を選んだ理由として、長崎地裁は次のように述べた。
杀死1人即被判死刑的前例几乎没有。陈述选判死刑的理由时,长崎市地方检察院做了如下说明。
男は市役所に不当な要求を繰り返して拒まれたため、市長を逆恨みした。市長を殺して当選を阻止し、自らの力を誇示しようと考えた。暴力によって、選挙運動と政治活動の自由を永遠に奪い、有権者の選挙権の行使も妨害した。これは民主主義を根幹から揺るがす犯行だ。到底許しがたい――。
该犯人在屡次向市政府提出不当要求被拒绝后,就开始憎恨市长。他想杀死市长,阻止选举,借此炫耀自己的能力。他通过暴力不仅永远夺去了市长参加选举运动和政治活动的自由,也妨碍了选民行使选举权。这是从根本上动摇民主主义的犯罪行为,决不能姑息。
暴力で言論や政治活動を封じようというのは、民主主義に対するテロである。裁判官はテロの社会的な影響の深刻さを重く見て、いまある刑罰の中で最も重い死刑を選んだということだろう。厳罰化の流れが背景にあるとはいえ、そうしたテロに対する厳しい姿勢は十分うなずけるものだ。
通过暴力阻止言论自由和政治活动,这是针对民主主义的恐怖主义活动。法官应该是重视恐怖主义对社会影响的严重性,才在现有刑罚中选择了最重的死刑吧。在严惩犯罪的背后,我们应肯定对此类恐怖主义活动的严肃态度。
政治家や経済人、言論人を狙ったテロは戦前から後を絶たない。長崎市では、「天皇の戦争責任はある」と発言した先代の市長が右翼団体の男に銃撃されて重傷を負っている。
以政治家、经济界人士和自由评论人为目标的恐怖主义活动从战前就没有停止过。在长崎市,曾发表“天皇对战争负有责任”言论的前长崎市长被右翼团体男性团员枪击,导致身负重伤。
そうしたテロや暴力を恐れて、縮こまってしまう動きもある。東京のホテルが日教組の集会を断ったり、一部の映画館が「靖国」の上映を取りやめたりしたのは、その典型だろう。
也有人惧怕这种恐怖或暴力活动,出现了畏首畏尾的倾向。东京某酒店就拒绝为日教组集会提供场地,部分电影院取消了电影《靖国》的上映,这些都是这一倾向的代表。
民主主義に対するテロや暴力をいっそうはびこらせるのか。それともここで踏みとどまって、言論や政治活動の自由を広げていけるのか。そうした流れに影響を与えるという点でも、今回の判決は意味がある。
是任由针对民主主义的恐怖活动或暴力活动继续蔓延,还是加以阻止、扩大言论与政治活动的自由好呢?从影响以后趋势这点来看,此次判决有着特殊的意义。
もうひとつ、判決で注目されるのは、暴力団にきわめて厳しい目を向けていることだ。今回の事件について、行政を脅して利益を得ようとする「行政対象暴力」の中でも、「類例のない極めて悪質な犯行」と断罪した。
在判决中值得关注的另外一点是,社会正在以极其严肃的目光盯着暴力团体。在以威胁行政、获取利益为目的的行政暴力事件中,此次案件被判为“从未有过的、性质极为恶劣的犯罪行为”。
判決は「暴力団の無法さ、銃器犯罪の恐怖を改めて全国に知らしめることになり、社会全体を震え上がらせた。各自治体の職員などの不安を増大させた」としたうえで、「同種事犯の再発防止を求める社会的要請は非常に大きい」と指摘した。
判决宣布“再次向全国通告暴力团体的无法无天和枪械犯罪的恐怖性,让社会全体感到震惊。增加各地方政府官员的担忧”。此外,还指出“社会上要求防止此类事件再次发生的呼声很强烈”。
判決はさらに「市長を逆恨みした犯行の動機は、暴力団特有の身勝手きわまりないもので、酌量の余地は全くない」と述べた。その通りだと思う。
判决中强调“憎恨市长这一犯罪动机是暴力团体特有的、任性的、不可思议的行为,完全没有商量的余地”。我觉得正是如此。
今回の事件をきっかけに、暴力団対策法が改正された。行政の許認可への介入や入札への参加を要求する行為にも中止命令などを出せることになった。警察は行政と連携を強め、あらゆる法令を使って、暴力団を排除していってもらいたい。
以此次事件为契机,政府对暴力团体对策法进行了修改。对介入行政许可认可或要求参加投标的行为,相关部门可以出具中止命令。警察应加强与各行政单位的合作,通过所有法令,排除暴力团体。
テロを憎み、暴力団を追いつめる。今回の判決を機に、その思いを新たにしたい。
我们应仇视恐怖活动,将暴力团体逼入绝境。希望有关部门通过此次判决,重新考虑相应对策。 |