朝日社论080529 国会提名人事案

一心一译

国会同意人事―悪しき合意は早く葬れ
国会提名人事案---请尽早废除潜规则

「悪（あ）しきルール」が発動された。国会の同意が法律で義務づけられているふたつの人事について、民主党の西岡武夫・参院議院運営委員長が「事前に報道された」ことを理由に反発し、政府が提示を見送らざるをえない事態となった。
潜规则再次被使用。对于法律规定国会具有决议义务的两个人事提名，参议院议长西岗武夫(民主党)以名单事先被报道出去为由提出反对意见，政府只好将提交日程推后。

日本銀行審議委員に池尾和人・慶大教授を充て、預金保険機構理事長に永田俊一氏を再任する案である。
此次，国会本欲提名池尾和人担任日本银行审议委员，提名永田俊一继任存款保险机构理事长。
　
西岡氏にすれば、自民党の笹川尭・衆院議運委員長と昨秋交わした次の合意に従った、ということだろう。
西岗议长之所以反对提名，是遵从了去年秋天与众议院议长笹川尧(自民党)达成的下述协议吧。　

「政府の人事案件提示前に、人事が報道された場合は、原則として当該者の提示は受け付けない」
“提交政府人事提名前，如果名单泄露给媒体，则原则上不接受当事人的提名”。
　
西岡氏は当時、その趣旨を次のように説明していた。政府側が意図的に案を漏らして報道されれば、世間は既成事実と受け止める。その結果、国会審議が形骸化（けいがいか）してしまう――。
西岗议长当时是这样解释上述协议的宗旨的。“如果政府有意将人事提名泄露给媒体，人民就会接受既成事实的任命。这将导致国会审议如同行尸走肉”。
　
今回も新聞などがいっせいに事前に報じたのは、首相官邸が人事案を漏らしたためと西岡氏はみているようだ。
西岗议长似乎认为，此次报纸等媒体也事先报道了人事提名，是因为首相官邸泄露了人事案。
　
だが、これはまったくおかしな理屈である。
但这完全是可笑的狡辩。
　
国家機関の重要な人事案を報道機関が懸命に取材し、一刻も早く報道しようとするのは当たり前のことだ。一方、政府が実際に示した案が報道の通りかどうかにかかわらず、その案が妥当かどうか、能力や識見から適格性を点検するのが国会同意の目的だ。国会の場で堂々と論じあえばよい。
媒体竭尽全力搜寻国家机关重要的人事任命，想尽早报道出去，这是理所当然的事情。另一方面，暂且不说政府实际提交的提名是否与报道一样，国会审议的目的就是看提名是否妥当，从被提名人选的能力和见地来检查其是否合格。所以，在国会审议中堂堂正正地讨论合格与否岂不更好？
　
そもそもこの国会で、日銀総裁人事を２度も不同意にしたのはだれだったか。いまの「ねじれ国会」では、野党が不適格だと判断すれば、参院で白紙に戻すことができるのだ。
说起来，在国会审议中两次反对日银行长人事案的又是谁呢？在如今的扭曲国会中，如果在野党认为提名人选不合格，那参议院就又恢复原样了。
　
世間が既成事実とみる、国会が形骸化する、という主張は万年野党の発想そのものだ。西岡氏は、野党が参院で過半数を握ったことの意義をいまだに理解していないのではないか。
强调人民会认为既成事实、国会将是行尸走肉，这正是永远的在野党的想法。西岗议长到现在还没有理解在野党在参议院占有半数以上席位的意义吗？
　
事前報道がだめだと言うなら、日銀総裁人事で連日のように出ていた事前の記事はなぜ問題視しなかったのか。時と場合によってルールが変わるのなら、ご都合主義にすぎる。
如果说不能事先报道，那么为何连日事先报道日银行长人事案就不成问题呢？如果某些规则因时间和场合而改变，那未免也太自我主义了。
　
池尾氏は慶大教授で、民主党が反対してきた財務省ＯＢではない。永田氏については、４年前の就任時も２年前の再任時も、民主党は同意した。
池尾先生是庆应大学的教授，不是民主党一直反对的财务省次官。永田先生无论是4年前就任还是2年前继任，民主党都是同意的。
　
人物本位でみれば、門前払いするような人事案だとはとても思えない。小沢代表をはじめ民主党の議員たちはみな、本当に西岡氏の判断が正しいと思っているのだろうか。
从人物原本身份来讲，我完全不认为这是私下里的人事提案。以小泽主席为代表的民主党议员们难道都真的认为西岗议长的判断是正确的？
　
このルールについては、結果的に国民の知る権利を制限することにもなりかねないなどと共産党や社民党も弊害を指摘していた。それなのに見直しの動きがこの半年起きなかったのは、国会の怠慢と言われても仕方がない。
对于这一潜规则，终究会限制国民的知情权，共产党和社民党出来也指责其弊端。然而，近半年来并未有改善的举措，说国会在怠慢此事也是理所应当。
　
こんな不見識なルールはただちに削除する。それが与野党共通の責任だ。
我们应立即废除这种不良的规则，这是执政党和在野党的共同责任。