幸福を呼ぶ「七福神」
えべっさん、大黒さん、弁天さん…
関西地方では特に身近に呼ばれる、この名前。
「七福神」は、庶民文化の頂点に立っている神様たちです。
今回は「七福神」についてお話ししていきましょう。
「七福神」は、簡単にいうと「幸福を呼ぶ、7人の神様たち」の事。
18世紀頃、幸福が来るよう七福神にお祈りする祭事が京都で始まってから全国に広まっていったようです。
さて、この七福神には、えび恵美すじん寿神、大黒天、毘沙門天、弁財天、福禄寿神、寿老神、ほていそん布袋尊という神様がいますが、七福神は最初から集まっていたわけではないんです。
福禄寿神、老寿神、そして布袋尊は中国、大黒天と毘沙門天、弁財天はインドからやって来た神様です。
唯一、恵比須神だけが日本古来の神様なんです。
これは、仏教の教えや中国の伝説など、有難いお話しの中で聖なる数字として「7」が使われていた事から、7人の神様が集められたのではないかと考えられています。
では、七福神のキャラクターをそれぞれご紹介していきましょう。
まず初めは「恵比寿神」。
関西地方では「えべっさん」という愛称で呼ばれています。
今では商売繁盛の守り神さまとして、有名ですね!
釣竿と鯛を持っているのは、本来、大漁をもたらしてくれる漁業の神様だからなんですよ。
日本列島を作ったイザナギ・イザナミの子供で、日本古来の神様のようです。
次にご紹介するのは「大黒天」。恵比寿神と並び、馴染み深い神様です。
家族の主を「大黒柱」とも言いますが、これはその家を支える一番大きな柱の事で、昔はそこに大黒様を祀っていたからなんです。
農業の神様でもあり、庶民の台所を守る神様でもあります。
中国から日本に伝えられたそうですが、元々はインドのシヴァという戦闘の神様の化身で、大変こわい顔だったそうです。
今では俵に乗り、小槌を持ったニコニコ顔が印象的です。
続いては、唯一の女神、「弁財天」です。
元来はインドの水の神様なので、日本でもよく水辺に祀られています。
手に持っているのは琵琶という楽器で、音楽や芸能の神様としても信仰されているんですよ。
4番目にご紹介するのは「布袋尊」、通称「布袋さん」です。
布袋さんは、七福神唯一の実在した人物です。
中国のかいし契此というお坊さんがモデルになっていて、ぽってりとした太鼓腹にニコニコ顔、外に出るときはいつも大きな袋をかついで貰ったものは袋に何でもいれるので"布袋"という名前が付いたそうです。
物事にこだわらない風貌や行いから、夫婦円満・財宝賦与の神様として祀られるようになったそうです。
続いては毘沙門天をご紹介しましょう。
ニコニコしている他の6人とは別に、鎧をかぶり、睨み付けているような風貌をしています。
インドから渡来した武勇の神様で、大きな願いをかなえてくれたり、災難を退け良い運命に導いてくれる神様です。
次にご紹介するのは「福禄寿」です。
とてつもなく長く大きい頭、背が低くてアゴひげ髭をたくわえた福録寿は、年齢1千万年を数えるという中国の仙人です。
幸福をもたらし、給料を増やし、長寿を与えてくれるという3つの徳を持っている所から「福・禄・寿」という名前がついたそうです。
7人目にご紹介するのは「寿老人」です。
実は、モチーフとなったのは“福禄寿”と同じ仙人なんです。
この仙人は「南極星」という星の神様なのですが、南極星は大変おめでたい星で寿命を支配する星として信じていたので、寿老人は特に長寿をもたらしてくれる神様のようです。
足元にいる黒い鹿は1500歳とも言われており、長寿の象徴なんですよ。
日本各地で盛大に行われる「七福神」に関するお祭り。
それぞれの思いを託して、皆さんも七福神をお参りしてはいかがですか。
今回は「七福神」についてお話ししました。 |