『おと×まほ』は白瀬修・著、ヤス・画のライトノベル作品。GA文庫(ソフトバンククリエイティブ)刊。
ストーリー
普通の男子中学生であった白姫彼方はある日突然、母・此方に命じられて「魔法少女」に変身する契約を強引に結ばされてしまう。しかも、この契約には「被契約者側から解消を申し出た場合は被契約者の性別が変わる」との附帯条項があり「魔法少女」としての務めを果たし挙げなければ彼方はムリヤリ女の子にされてしまうのだという。
全てが納得行かないまま「魔法少女」に変身する能力を得た(押しつけられた)彼方は、お目付役のしゃべる猫・モエルを従え「ノイズ」と呼ばれる敵と戦うためにスパッツを穿き、とにかく正体(と性別)がバレないように日々、悪戦苦闘を繰り広げる。
登場キャラクター
※声優名はドラマCDのもの
白姫 彼方(しらひめ かなた)
声 - 矢島晶子
主人公。腰まで届く白銀色の長髪と女の子のような容姿が特徴であることを除けば、普通の男子中学生であったが、母・此方の命令で強引に「魔法少女・かなたん」となってノイズと戦わされる破目に陥ってしまう。契約を解消すればペナルティで本物の女の子になってしまう、と脅迫され、嫌々ながら魔法の杖・オーヴァゼアを武器に戦う。毎回何らかの形でコスプレ(女装)をさせられており、本作の見どころのひとつとなっている。
変身後の姿はツインテールにワイシャツ・ミニスカートだが、実は男であることをバレないようにするため、スカートの下にはスパッツを穿いている(というか自動的にそうなる)。接近戦を得意とし、オーヴァゼアを棍のように扱うが、相手が遠くにいる場合手近なもの(それがオリジンキーであれ、モエルであれ)を投げつける困った癖がある。
第3巻において、一時的とはいえ契約を破棄し、本当に女の子になってしまう。その際は変身後の姿も変化し、肩が露出された上に両方の太股にリボンが結ばれ、スパッツが消滅した。
オーヴァゼア
彼方のオリジンキー。直線に伸びた淡い青色の柄の先に無色透明の宝石が、銀の装飾器によって固定されているシンプルな外見で、長い杖のような形。呼び出す際の言葉は「遍く空の果てへ」。杖の先で軌跡を描き、そこから点を打つように押し出すことで蒼い魔力衝撃「蒼の軌跡」を放つことができる。破壊力抜群で大きめの建物でも跡形もなく粉砕することができるが、本来魔力をあつかえない男性である彼方が使用するためか、一発に全ての魔力を注ぎ込んでしまいそれ以降は魔力が回復するまで使用不可能となってしまう。発展技としてオーヴァゼアを回転させ螺旋状の軌跡を描き周囲に向けて発動する(初使用時は周囲の地形を利用して広範囲かつ立体的に軌跡を描き発動)「蒼の螺旋」、更にその発展として正面に螺旋を描き、その中心を射抜いてオーヴァゼアを投擲、全魔力を収束させる「蒼の螺旋-カノン」が存在する。
クロス・オーヴァゼア
彼方が契約を破棄して女の子になった際にオーヴァゼアが変化した姿。装飾の形状が変わり、以前より魔法少女らしい形となっている。扱う彼方が女性となったことで、魔力の制御が可能となり「蒼の軌跡」の連発も可能。
白姫 此方(しらひめ こなた)
彼方の母。髪の長さ以外の容姿は彼方とそっくりで、どうみても小学校高学年か中学生ぐらいにしか見えない。日常生活の裏で魔法少女に変身し、ノイズと戦っていたが、ある日突然「所用で(実はリゾートへ)出かける」と言い、息子である彼方を強引に後継の魔法少女にしてしまう。時々、世界各地で遊び歩いている様子が挿入されていたが、3巻でやっと帰ってくる。
変身後の姿はピンクと白を基調としたふわりとしたドレス。魔法少女としての実力は彼方達よりもはるかに上で、一人でも強力なノイズ達を数匹まとめて薙ぎ払うことができるほど。
オリジンキーは桜色のショール。詳細はわかっていないがかなりの力を持つと思われ、また使用時に桜花が舞い散る描写がある。呼び出す際の言葉は「此処に芽吹け、命の花」。
モエル
声 - 皆川純子
白姫家で飼われている猫。彼方は普通のペットだと思っていたが、実は魔法少女の「お目付役」で人語を解し、話すこともできる。昔、正体がバレて行き場を失っていたところを此方に拾われた。弱いノイズなら戦って倒せる程度の力も持っている。彼方をバカにされると本人以上に怒る。
明日野 丈(あすの じょう)
声 - 小林和矢
「情報屋」を自称する彼方の同級生。サブカルチャーに関する知識が豊富で、特に魔法少女系の萌えアニメに詳しい。日頃から彼方に様々なイベントを仕掛け、そのたびに物理的な制裁を受けている。軽い男のようでいて、彼方が落ち込んでいるときにはすぐに察してやることができる面もある。名前は『あしたのジョー』から。
古伊万里 みさら(こいまり みさら)
1年A組の委員長。彼方のファンクラブ「白姫会」の代表であり創立者。良家のお嬢様であり、かなりの財力がある。髪の色は焦茶色で、頭の片側にだけお団子を作り、そこから長い髪を垂らすという特徴的な髪型をしている。常に彼方と一緒におり、様々な衣装を着せたりする明日野 丈には敵対心を燃やしている。幼い頃ノイズに襲われそうになったところを此方に助けてもらった過去があり、彼方に惹かれるようになったのはそれがきっかけである。
いいんちょ
声 - 斎藤千和
クラス委員長。マイペースな性格の眼鏡っ娘。同級生からはことごとく「いいんちょ」と呼ばれており、本名は不明。事あるごとに彼方を誘惑するような言動が目立つ。
実は魔法少女であり、名前がわからなかったのは認識阻害のため。自身の母の目的のために行動してきたが、本当は母を止めて普通の親子としての生活を望んでいた。そのために彼方を強くし、自分と一緒に母を倒させようとしていた。後に母と彼方達との決着がついてからは、彼方の仲間として行動するようになる。ただし本名は不明のままである。変身後の姿はひざまでを隠す真っ白なワンピース。
シャイン・プリヴェンター
真っ白な傘のオリジンキーで、青空をイメージした彼方のオーヴァゼアとは対称的な白い雲のイメージ。呼び出す際の言葉は「其は、全てを遮るもの」。白い霧で相手の視界を遮ったり、白い竜巻で攻撃したりすることができる。元々は防御重視の魔法であり、結界を張れば留真、依、エフェクトが三人で障壁を作ったときよりも頑丈なものとなる。
樋野 留真(ひの るま) / グレイス・チャペル
声 - 小清水亜美
彼方が住む大枝町の隣町に住む赤髪の魔法少女。重度のドジっ娘だが、実戦経験は豊富でコインを武器にノイズと戦う。「ですの」が口癖。グレイス・チャペルというのは魔法少女として戦うときに名乗る名前。彼方によって「グレちゃん」というあだ名をつけられるが、本人は嫌がっている。強気な性格であり、彼方に対していわゆるツンデレの気がある。
実は孤児であり、魔法少女として戦い始めた理由は自分の育った礼拝堂を取り戻すため。ものすごく貧乏で公園に建てられたテントで生活している。そのためかお腹をすかしていることが多い。モエルからは「るま子」、「ですの娘」、「グレ子」などと呼ばれている。変身後の姿は炎のような紅いドレスで、ところどころに金粉が散りばめられている。
ウィズ・インタレスト
胸元に吊り下げられたコイン形のオリジンキーで、呼び出す際の言葉は「絶えなく廻れ、金華の焔」。金色のコインを作り出し指で弾き出すなどの方法で相手にぶつけて攻撃する。右手と左手で放つコインの種類を使い分けており、右手で放った場合は手数重視のマルチショットで、一度コインを相手に当てるとその周囲にいくつものコインが現れ全方位から攻撃することができる。左手で放った場合は威力重視のパワーショットで、炎を纏ったコインで撃ち抜くことができる。その他、大量のコインを周囲にばらまき、赤いラインで結ぶことによりドーム状の障壁を作ることができる。胸元のコインは当初は冷たい色をした銀貨だったが、大切なものを持ち守るという心の変化とともに暖かな色の金貨へと変化した。
幾瀬 依(いくせ より)
魔法少女の一人で24歳現役OLのお姉さん。けっこうな巨乳。瑠真と同時期にチューナーとなった。かわいいものを見ると色々と妄想してしまい、抱きついてしまうという困った癖があり、もっぱら彼方と瑠真が被害者になっている。見た目は若く二十代には見えないが、本人はこの歳で魔法少女と呼ばれることにコンプレックスを抱いており、年齢の話をすると落ち込んでしまう。
普段から格闘技をしているらしく、変身しなくてもかなりの体力があり、彼方と同じく接近戦を得意とする。変身後の姿は短めのチュニックワンピースと黒のロングタイツで他の魔法少女と比べると落ち着きがあるデザイン。
リンカーズ
細い鎖のオリジンキー。呼び出す際の言葉は「鎖よ、絆を糾え」。拳に巻いて篭手にして攻撃力を上昇させる他、相手に巻きつけて動きを封じたりする。非戦闘時は肩から腰にかけて、バツの字にして体に巻きつけている。
エフェクト
彼方と依が戦った強力な敵。一人称は「我」。意思を持つノイズ「ディスコード」。元々は不定形の黒い塊が人の形を作っており、決まった姿はなかったが、第5巻で人間社会に溶け込んで暮らすために完全な人の姿を取るようになる。身長は170後半で体格は細めで煉瓦色の肌と鈍色の髪を持つ美人。しかし、美人ではあるものの性別を感じさせない容姿であり、声も男か女か判断できない中性的なもの。着物に近い装束を着ている。ノイズであるために彼方達とは敵対していたが、自身の戦う意味を見出せなくなったことにより人を襲わなくなり、彼方達に協力するようになる。後に大枝中学の英語教師として赴任してくる。言葉は少なめで感情の変化に乏しいが、義理堅く律儀な性格で、妙に人間くさい一面もある。必殺技は「ディストーション」。相手の魔力とは別の魔力の振動をぶつけて魔力を相殺、自壊させる技。
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