[神林長平] 戦闘妖精 雪風

作者
神林 長平(かんばやし ちょうへい、本名:高柳 清、1953年7月10日 - )は、日本のSF作家。新潟県新潟市生まれ。長岡工業高等専門学校卒業。
情報、言語によってないまぜになっていく現実と意識をテーマに一連の作品を展開する。
独自の言語感覚をもち、火星シリーズにおけるハードなSF描写、『戦闘妖精・雪風』の精細なメカニック設定でSFファンおよびプロパーから評価をうけるが、火浦功にメタバタ(メタフィジカル・ドタバタ)と評された『天国にそっくりな星』および『敵は海賊』、『親切がいっぱい』等の作品でのユーモアあふれるスラップスティック性にも定評がある。
『戦闘妖精・雪風』(せんとうようせい・ゆきかぜ)は、神林長平によるSF小説。これを原作としてラジオドラマ・OVA・漫画化された。
JAMと呼ばれる異種知性体との戦争を通して、人間とJAMと人間が作り出した機械の戦いと葛藤を描いていく物語である。
本作は『SFマガジン』誌上に1979年から1983年にかけて掲載された連作短編で、1984年に「戦闘妖精・雪風」の題名で文庫にまとめられた。1992年より『SFマガジン』誌上で断続的に第二部となる続編が連載され、1999年にハードカバーの単行本『グッドラック - 戦闘妖精・雪風』としてまとめられた。また『グッドラック』に合わせた改訂版として2002年『戦闘妖精・雪風<改>』(ハヤカワ文庫)が発表された。第三部は『SFマガジン』2006年4月号から不定期に掲載されている。
『戦闘妖精・雪風』は第16回(1985年)星雲賞、『グッドラック - 戦闘妖精・雪風』は第31回(2000年)星雲賞を受賞した。
ストーリー
南極に出現した超空間通路から侵攻してきた謎の異星体JAM(ジャム)。人類はその先鋒を撃退し、逆に超空間通路の向こう側に攻め込み、そこに存在した惑星フェアリィに橋頭堡となる基地を築いてジャムの侵攻を食い止めていた。
設立初期には選び抜かれた精鋭によって構成されていたフェアリィ空軍 (FAF) であったが、長引く消耗戦にエリートの損失を嫌った各国は、やがて犯罪者の中から才能を持つものに訓練を施し、FAFに送り込むようになる。JAMの地球侵攻から数十年、FAFは「刑務所別館」の様相を呈するようになっていった。そのような問題人間の集団にあって、特に異質な存在が「FAF・戦術空軍団・フェアリィ基地戦術戦闘航空団・特殊戦第五飛行戦隊」=「特殊戦」、通称『ブーメラン戦隊』だった。ブーメラン戦隊の任務はただ1つ、未知の敵であるJAMの戦術電子偵察。たとえ目前の味方を見捨ててでも敵の情報を持ち帰る事だけを義務づけられた特殊部隊だった。
ブーメラン戦隊の隊員達もまた、その任務に相応しい『特殊』なパーソナリティの持ち主が集められていた。その全員に共通するのが、他者に関心を持たないこと。そして、彼らに与えられた最強の翼こそスーパーシルフ。風の妖精の名を持つ戦闘機シルフィードを改良した戦術戦闘電子偵察機だった。シルフには極めて高度な中枢制御体が搭載されており、完全自律制御による高度な戦術判断や戦闘機動を可能としていた。その3番機 (B-503)、パーソナルネーム「雪風」。パイロット・深井零中尉は、雪風を自らの半身として偏愛し、雪風以外のあらゆるものを「関係ない」と切り捨てるまでに雪風が全てと信じていた。
激化していくJAMとの戦いの中、零は雪風だけを信じフェアリィの空を舞い続ける。しかし、戦いは人類には不可知の存在であるJAMと、そして人類が生み出した戦闘機械集団との戦争の呈を見せていく。そして、JAMの繰り出した新たな戦闘戦術と、その最前線に立たされた雪風は、零に対して衝撃的な答えを突き付ける。
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