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どきんとして見上げた私の目の前に・・・・確かに桜の大木があった。そして、五分咲きほどではあるが、確かに花は咲いていた。
しかし、私は黙って桜の木を見上げたまま失望していた。
(なんと青ざめた花びら!)
熱帯の原色の花々を見て育った私には、桜の花びらのほのかな色を感じる感覚がなかった。--何しろ台湾では、火炎樹という、桜ほどの大きさで、一面緋色の花をつける強烈な木が、街路樹になっていたりするのだもの。
「な、直子。これが桜だぞ、これが。」
弾む声の父の傍で、私は、ぼそりとつぶやいた。
「・・・・なんだか、紙くずがついているみたい。」
父は、ちょっと困ったような、寂しそうな顔つきをした。
五分咲きほど 是指开了一半,没有完全盛开吧?
紙くずがつく 是什么意思呢? |
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