|
赤い椿(つばき) 白い椿と 落ちにけり
(河東碧梧桐)
赤い椿の木の下には赤い椿が、白い椿の下には白い椿が落ちているよ。
季語:椿(春)
秋深き 隣は何を する人ぞ
(松尾芭蕉)
秋が深まり、野山がどことなくさびしく感じられるようになると、人恋しくなり、隣人のことなどが気になってくる。
「....ぞ」は疑問。季語:秋深き(秋)
赤とんぼ 筑波(つくば)に雲も なかりけり
(正岡子規)
空は秋晴れで、遠くに見える筑波山の上には一片の雲もない。そんな空を一匹の赤とんぼがゆうゆうと飛んでいる。
季語:赤とんぼ(秋)
秋空を 二つに断てり 椎大樹(しいたいじゅ)
(高浜虚子)
真っ青にすみきった秋空を、椎の大木は、その空を断ってしまうかのような勢いでそびえている。
「断てり」=切断する。季語:秋空(秋)
朝顔に つるべとられて もらい水
(加賀千代)
朝、井戸に水をくみに来てみると、朝顔のつるがつるべに巻きついていて水がくめない。切ってしまうのもかわいそうなので、近所に水をもらいに行くことにした。
「つるべ」=つなの先におけを取りつけて、水をくむようにしたもの。季語:朝顔(秋)
朝立(あさだち)や 馬のかしらの 天の川
(内藤鳴雪)
まだ夜が明けぬうちに馬に仱盲坡盲顺訾 |
|