あの時一緒に麻雀をしておけばよかった
人物:高木(30代、男) 土岐(20代後半、女)
場面:会社の廊下で
高木:聞きましたか、大谷課長が急死されたという話。
土岐:ええ、私は今朝電話で知って、びっくりしました。
高木:才能があり、穏やかで人望も厚く、いずれトップに登る人でしたのに惜しいことしましたね。
土岐:脳溢血だったんですってね。最近少し太り気味でしたからね。
高木:私は先月、大谷課長に麻雀をしに来ないかと、お宅へ誘われたんですよ。ところが他に用があって、お断りしてしまったんですが、今から思えばあの時一緒に麻雀をしておけばよかったと、残念でたまりません。
土岐:カラオケも好きで、私たち女子社員にもよく声をかけてくださいましたわ。
高木:子供さんはまだ小さいんでしょう?
土岐:たしか3人いらして、高校生が二人と中学生が一人と言ってましたよ。
高木:残された奥さんもこれから大変だろうねえ。
土岐:子供たちも感受性が強い年頃だから可哀相ね。
高木:今晩が通夜だけど、慰めの言葉もないよ。
土岐:本当ね、奥さんや子供さんの姿を想像するとこちらまで辛くなるわ。 |