貿易保険とは何か?
貿易保険という制度について少し詳しく述べてみましょう。
貿易に関する保険というと、まず第一に思い浮かべるのは、海上保険であろうと思います。
海上保険(Marine Insurance)は、航海に伴う危険により輸出貨物や輸入貨物が滅失・き損した場合の損失をてん補する保険です。
例えば、貨物を輸送する途中で船の沈没・火災等によってその貨物が滅失したり損傷を受けた場合、その損失がてん補されるわけです。
これに対して、貿易保険は、通常の民間の海上保険などで対象とならない貿易取引や海外投資において生ずる取引上の危険(リスク)をカバーするものです。
この制度は貿易依存度の高い英国をはじめとした西欧諸国などで早くから発達してきたもので、輸出信用保険(Export Credit Insurance)あるいは輸出信用保証(Export Credit Guarantee)ともいわれています。
投資に伴う危険をカバーする投資保険(Investment Insurance)は、貿易取引の保険に比べると歴史が浅く、米国から世界各国へ拡がった制度です。 |