本帖最后由 penzoe 于 2010-12-8 17:36 编辑
心は目には見えない。だから客観的に知ることはできない。ならば、心とか意識なんて面倒なことを考えるよりも、目で見える、定規で測れるものだけを考える事にしよう。…。
行動主義心理学と呼ばれるこの流派では、サルやネズミなどにレバー押しなどの行動を訓練し、その行動から動物の心を探っていく。しかし動物に「まずはレバーを押してみてください」と頼むわけにはいかない。
例えば、初めて実験室につれてこられたサルは、そもそもレバーにさえ気づかないからだ。では、サルにどうやって…。例えばサルが少しでもチラッとレバーを見たとする。そこですかさずエサを与える。これを何度か繰り返すと、サルの注意が次第にレバーに向いてくる。ここでいったんエサやりを止める。するとサルは…。ここが我慢のしどころ。試行錯誤の中、サルの手がレバーに伸びるのをじっと待つ。そして手が少しでも伸びれば、すかさずエサを与える。
こうして、適切なタイミングでエサをやりながら、少しずつ目標の行動に近づけていくのである。私はこのやり方を、大学院生の頃、助手の先生に教わった。それは教科書に書いてある通りのことだった。が、実際にやってみると、それは衝撃の体験だった。
エサやりのボタンを右手に持ち、白黒のモニターごしに、サルの行動をじっと見つめる。私はサルに念じていた。「振り向け、レバーに振り向け」。伝わらない思いを伝えたい。ふいにサルがレバーに近づく。と、すかさず「エサやり」というメッセージを送る。それは紛れもなくコミュニケーションであった。
この訓練をずっとやっていると、徐々にサルの気持ちがつかめてくる。そして、気持ちがつかめてくると、訓練は格段に早く進む。行動だけを見よといいながら、その実、うまく訓練するにはサルの心がつかめていなければならないのだ。しかし、それがつかめたとき、手の中にサルの心があるように思えてくる。
そのとき私は、学問の本当に大事なことは、教科書には書いていないことを知ったのだった。
他者の心・自分の心「サルがレバーを押す時は」
朝日新聞2/8付「心体観測」日本女子大準教授金沢創氏文
http://omnipark.net/omnipark/saiziki/2009/20090213.htm |