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テレビで連日流れるACジャパンの公共広告で、金子みすゞの詩をそらんじた方もおられよう。そのみすゞに「土」と題する作がある。〈こッつん、こッつん、/打(ぶ)たれる土は、/よい畠(はたけ)になって、よい麦生むよ。〉と始まる
也有人看了电视上连续几天播放的AC日本公益广告而记住了金子Misuzu的诗吧。Misuzu写过一首以“土”为题的诗。诗的开头写道<啪、啪/被敲打的土地啊/成为肥沃的农田、长出优质的麦子吧。>▼鍬(くわ)を振るう人間ではなく、打たれる土にまなざしを注いで詩人は優しい。春まき麦も含め、今は春耕(しゅんこう)の季節。米や、初夏から夏の野菜を植え付けるための土づくりだ。だが、よい田畑になれぬ悲しい土がある。鍬ならぬ原発の放射能に打たれた福島の土だ
和善的诗人把目光投向被敲打的土地,而非挥舞着锄头的人。包括春播麦在内,如今正值春耕季节。应当开垦土地,播种水稻和初夏至盛夏的蔬菜。然而,有些悲哀的土地无法成为肥沃的农田。这些土地曾受到核电站的辐射,而非锄头的敲打。
▼一部の土壌から高濃度で検出された。このため福島県は、県内の全農家に作付け延期を要請した。放射性物質の拡散を防ぐために、耕すこともできない。農家はいたたまれぬ思いだろう
由于一部分土壤内检测到了高浓度的辐射物质,福岛县要求县内所有农户全部推迟种植。为了防止放射性物质的扩散,连耕种都得暂缓。这会让农户觉得心神不宁吧。
▼ちょうど今ごろ、福島市から望む吾妻小富士には「種まきウサギ」の雪形が現れる。昔から農事暦の目安とされてきた。会津地方には「種子(たね)おろす時節は野辺の花に聞け」などと記した農書が伝わる。だが今年の種が、母なる土に抱かれることは、ないのかも知れない
恰逢此时,从福岛市眺望可见的吾妻小富士显现出“播种兔”的雪形。这一雪形自古就被当作农历的一大标志。会津地区流传着记载有“播种时节应询田边花”等的农书。然而,今年的种子也许无法投入到大地母亲的怀抱。
▼農薬による環境破壊に警鐘を鳴らしたレイチェル・カーソンの「沈黙の春」が思い浮かぶ。「いままでにない新しい力――質の違う暴力で自然が破壊されていく」と恐れた人災の、もう一つの究極が放射能だった。その自然にはむろん人間自身も含まれる
我联想到了雷切尔•卡森的《沉默之春》,是她敲响了农药破坏环境的警钟。“自然正遭到前所未有的新力量-本质不同的暴力的破坏”,而这可怕的人祸的另一个巅峰之作便是辐射。它不仅影响自然,还影响人类本身。
▼小さな種に詰まっている恵みを土、水、太陽との共同作業で取り出(いだ)すのが農業の神髄だろう。丹精した作物の出荷停止も含めて農家の落胆を思う。天地(あめつち)を脅かす、文明の不気味な綻(ほころ)びである。
通过土地、水分、太阳的共同协作来提取小小种子所包含的恩泽,这就是农业的神髓吧。精心培育的农作物被停止上市,可想而知农户是何等沮丧。这场人祸正是文明所绽放的威胁到天地的不祥之花。
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