見慣れたはずの時計でも、よく見ると不思議なことがたくさんある。たとえば、時計の
文字盤は12時から始まっているのはなぜか。結論から酒に言うと、時計が考案された(
紀元前3000-4000年)のが、人類がゼロを発見する(8-9世紀)よりも先だったからとい
われている。
しかし、数字は連続性からいえば、午前12時59分の次に1時か来るのはおかしいので、
文字盤の頂点は「ゼロ」にすべきだとする考える方ある。日本では混同を避けるため、新
聞やテレビ、そして日本時計学会のデジタル時計表示を度では0時表記を優先させている
ものの,時計の文字盤そのもの0にしようという動きにはなっていない。
また、文字盤のローマ数字はⅣでなく、ⅢⅠが使われる。これはフランスのシャルル5
世が建設中の時計を見て、「文字盤のⅣはⅤからⅠを引くことになり縁起が悪いのでⅢⅠ
にせよ」と指示を出したのが後世に引き継がれた、とのエピソードがある。ⅢⅠは正式な
ローマ数字には見当足らないもので、時計の文字盤だけに用いられる。
右回りにしろ、12時から始まることに白。ローマ数字の表記のしかたにしろ、世界中の
時計にてっていされているのが興味深い。
時計のアナログを文字盤を応用すると、方角を指示するときにも便利だ。フナに仱盲芢
いるときに進行方向を12時と考え、「3時方向に鯨を発見!}と声を出せば、それだけ
で、ほとんとの人がクジラを見つけることができるだろう。
時計はたんに時刻がわかればよい、とする計測機器ではない。見やすさと美しいさが兼
ね備わっていなければならない。12を0に変えない理由、ⅢⅠをⅣにしない理由、それら
は時計職人たちの怠慢の結果ではなく、時計としての完成度を維持するために受け継がれ
ている大せつな要素なのではないだろうか。 |