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本帖最后由 fuyc 于 2012-6-23 19:09 编辑
ここに佇むと、はっきりして、またぼやけた何か漂い渡っているものでもあると感じられ、そのものが次第に君の心をすっぽり包まれてしまう。一枚の青レンガ、一滴の水滴の中にも各々意識的、または無意識に空漠かつ重厚、飄逸なお実在なものが染み入っている。これがおそらく所謂文化と言ったものであろう。
文化の蘇州は必ずしも読み甲斐のあるよい小説とは言えず、また厳密な構想及び複雑な筋道も持つ、曲折したストーリを用いて、君の心を左右するものとも言えないかもしれない。「文化蘇州」はむしろ日誌であり、精彩を放つあまたな内容を淡々と平凡の日々に散蒔き、人目を引かぬ隅々までに散在させている。この日誌を気随気ままに紐解く度に、年月悠久の美酒、持ち味の長い銘茶のような香りと味、翳みかかった煙と羊肉煮込みのとろ火と見たようなものが覚えられ、この潤す醇美なる香りは振り払おうとも消え失せることなく。永遠に漂い、わざと捜し求めることも、気にかけることもなく、真実に存在している。
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