2012.8.20 10:24

深センでの反日デモで破壊された日本車=19日、中国広東省(共同)
【北京=矢板明夫】20日付の中国紙「中国青年報」は「日本製自動車の破壊は愛国行為ではない」と強調する記事を掲載し、19日に中国各地で起きた反日デモで一部の参加者が暴徒化したことを批判し、国民に冷静な態度を取るよう呼び掛けた。
記事は冒頭で、「釣魚島(尖閣諸島の中国名)に関する日本側の最近の一連の誤った態度が中国人民の感情を傷つけた」とデモの原因は日本側にあると主張。そのうえで、「一部のデモ参加者が、中国人が所有する日本製自動車を壊すなど暴徒化したことは誠に残念だ」と指摘した。「こうした行為は写真を通じて世界中に配信されて、中国のイメージが損なわれれば、喜ぶのは日本の右翼分子だ」と強調した。
中国青年報は、胡錦濤国家主席の出身母体である共産主義青年団(共青団)の機関紙。共産党内で胡主席が率いるグループの対日姿勢は比較的穏健とされている。このため同記事が、「日中間の国民感情がさらに悪化することを避けたい」とする胡主席周辺者の意向を反映している可能性もある。
|