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流行語(若者ことば)
若者ことばの作り手ってどんな人?
もっと私にはやりたいことが別にあるのではないかと思っている時の方が感性が伸び伸びと開かれている。ことばのアンテナがビンビンに張っているというのか、感受性そのものが実にぴりぴりとしている。こういう時っておもしろいものがキャッチできるのだ。中・高生とか予備校生という若者が作り手のなかでもっともすぐれているようだ。世の中を見る目が、「それってうそくさいのじゃないのか」とおちょくり、と思いつつも“うまうま”と仱护椁欷皮筏蓼Α杆饯盲坪韦胜韦怠工趣い盲郡ⅳ郡辘虽劋ひ暤悚ⅳ毪瑜Δ馈
金がかからず、坐ってできるのが「インコラ」(引用してはコラージュするっていうところから)のことば遊びなのだ。そうしたなかでも十六歳以上の若者の感じ方とことば表現が一番笑える。
若者ことばのどんなもの?
自分たちの感覚で喋り、聴かない人は聞かなくたっていいといったふうに相手を選ばないでいい。仲間うちでは、早く伝えるのがモットーで、感覚ことばでパッパラパッパと表現する。感覚的だから概要を掴むのが早いのだが、心に響くことばではないところが味噌なのだ。右から左へとすうッと抜けていってしまう。忘れて去られてしまうことばなのだ。そんな空しさがまっとうなことば表現へと向かわせていくようだ。まっとうさが不足しているときは、イラストで花びらを書いたりお星様を書いたりして心の隙間とでも言うか、ことばの不足を補って表現したりしている。
若者ことばの今昔
深夜放送などを聞いて育った電波世代の若者は、活字で表現するとこんな発想ができるのかと知ったあの喜び……。電波は瞬時〔まばたき〕の世界なのに、活字は色褪せてもずっと残存する世界なのだ。そこに目が行き出した。活字を使っても音感覚で表現してしまう。電子文字によるポケベル、PHS(ピッチ)、携帯電話の使用方法がこの今の若者ことば世界を作り出してきている。電子メールにも顔文字表現があらわれ、いまでは結構な大人までが使いまくり、若者はもう見向きもしないって感じにある。若者は、結構軽薄な次元で使っている。同時代感覚の社会に対して自分たちが何か目標めいたものを開示していく気持ちなどというものは、更々ない。仲間〔まぶだち〕ことばは、一にストレス解消。二に情報がずっしりつまっていっぱいだから短く縮めて。(「ばかものことば」などと大人に指差される快感さ、これで自分たちの存在を鼓舞し、気づいて認めてもらう?)三に「なンちゅうことばを使っているんだ、おまえの言っていることばは何を言っているのかさっぱりわからん」と言わせる快感。この三つの要素がまったりと融合していて世代の違いのなかで存在感を与えている。
学校内での学生同士での会話の場合
まともにも喋れば喋ることができるのだけれど、流行語をつくったり、奇抜な言い回しを考えたりしてお互いの意志を確かめ合う。仲良ししている信頼関係を保つバロメーターがこの“若者ことば”なのかもしれない。こうしたことば表現のうちで、後世に残っていく要素もないわけではない。「老人語」「廃語」「死語」と認定されていることばがある反面、突然売れっ子となって復活することも決して不思議ではないのだ。耳からくる語の響き、妙味さ、そして需要性がことばの頻度を高めていく。楽観視するっていえば、それまでだが……。
若者世代のことばがわからないって空回りしているのが、いつの世も中高年世代なのかもしれない。80年代の流行りことばに「か~ら~す、なぜ鳴くの?。カラスのかってでしょ」という表現があり、中高年世代にとって、これは許せる表現。ところが、許せないのが「オジン」「オバン」であったりする。ここに「断絶」を意識したりするとますます深みにはまってしまうのだ。ここは、存在感を鼓舞し、わからんと大人にいわせる瞬きの自己顕示欲といった若者の心を仏様の手のなかで遊ぶ“尊語食う(孫悟空)”で見てやることも中高年には、必要なのではなかろうか。仲間うちことばで語っている間は、社会的存在としてのひとりの人間として生得のことばを持つことはできないからだ。これに気づいた時、若者は若者ことばから「一抜けた、二抜けた」と抜けて出ていくようだ。
学校でひろった若者ことば
ぜんつま:ぜんぜんつまらない授業の意。
ぶっちする:授業をサボる。
ちゃくぎり:携帯電話が鳴っても、すぐに切ってしまうこと。
1970年代以前の若者ことば
「デカンショ」:「デカルト・カント・ショーペンハウエル」の省略。明治時代
「ルート8」:ニヤリスト。(2,828)1950年代
「ぎょうにんべん」:彼氏の「彼」の部首から。1950年代
「おるぐる」:説得して仲間に入れる。1960年代
1970年代
タモリ(森田)さん。笑福亭鶴光さん「オールナイトニッポン」。
大阪在住時代の歌手北山修さんこと「自切俳人〔ジキルハイド〕」さんがいました。
●「シラケる」<どっちらけ・ホワイトキック・シロいね>
遊び語の表現
○「話がピーマン」:中身が空っぽ>「話がレタス」:蒼くなるような話>「話がトマト」:真っ赤なウソ>「話がピラフ」:ごちゃまぜ、こんがらがる>
形容詞化
「かっこいい」と「ださい」、「ナウい」と「イモい」、そして「きもい」(気持ちが悪い)。「うるい」(うるさい)。
オチ語の表現<ひけらかし>
「タブラン」:絶対不可能の意(田淵選手にランニング・ホーマーがありえないように)。
「草野球のキャッチャー」:みっともない(「ミット」もない)。
頭目語による集約の表現
「VSOP」(very special one pattern)
「TKK」(とても混んで困るの意。「東急電鉄」の頭文字をもじった言い方)。
1980年代
勝手・都合の言い立ての「かね」「めし」「うるせえ」が親と子をつなぐ若者の会話形式である。この若者たちが使うことばに、パロディ感覚嗜好な表現が登場した。雑誌「ビックリハウス」に掲載された「あなたのおかけになった電話は現在疲れております。元気な時におかけ直し下さい」。「仲良しおよし」。「老いるショック」「おなか一杯胸おっぱい」「ピンポン暇なし」とやっている。
語感の異なりもあった。木下順二さんの戯曲『夕鶴』“つう”のセリフ「やめて!」を見て聞いて高校生がドッと笑い出した。辺見マリさんの歌う『経験』の歌いだし「やめて!」を意識したのである。
「やはり」は、「やっぱり」となって、これが「やっぱし」が使われ始めている。「ぴったり」が「ぴったし」、「あんまし」「わりかし」と“り”から“し”へと転化を若者用語は使用している。
「ノースケ」>「ノースケジュール」の略。暇なこと。
「ゴジピタ」:5時ピッタリに退社すること。
1、人名篇(入れ替え型)
○みっともねえよ:ねもとみつよ(ピンクレディーのミイちゃん)
○じけんだわさ:沢田研二
2、挨拶篇
こんな私でもよかったら、やさしく声をかけてやってください。
3、応答篇
「どうしてそうなるの?」「あのー、これ理屈じゃないんです。はー理屈じゃないのっ!」「これきまりなの」
「おい、答えてみい!」答えられないとき、すかさず窓際へ連れていって、「とべ」。
「一同礼!」の号令の後、「ははーっ」と言ってひれ伏す(水戸黄門)。
4、「る」付けの動詞化
「江川る」:駄々をこねる。他人を犠牲にして憚らない。
「小林る」:スカッとしたことをする。
「田淵る」:太り気味。マンガ『がんばれ!タブチくん』の影響か?
「サダハる」:巨人軍王貞治選手(中年になっても頑張ることの意)。
いずれも野球選手名だが、歌手では沢田研二の「ジュリる」(気取ること)がある。「る」つけの元祖は、「バドる」:裏切ること(第二次世界大戦終盤近く、ムッソリーニにかわって傀儡政権をたてたバドリオが連合国側と講和したことから)。
サボる:「サボタージュ」(労働組合語)。
ネグる:「ネグレット」。
ヤボる:「野暮なことをする」。
1990年代
携帯電話・ポケベル用語
「いたベル」:「いたずら」と「ポケットベル」の合成語。
「ピーする」:PHS(ピッチ)をかける。
「おやきり」:恋人の家に電話をかけたとき親が出たら無言で切ること。
「みみ」:電話口の傍に親がいて話しにくい状態。
「コトバとぶ」:いっぱいしゃべること。
「おかけ」:「あなたのおかけになった電話番号は、電話のかかりにくいところにあるか、電源が入っていないためかかりません」のことばが発せられたとき、“あっ、おかけでた!!”と使う。
「ちゃくぎり」:携帯電話が鳴っても、すぐに切ってしまうこと。
象徴語
「ゲロゲロ」:嫌な感じがするときに発する語。
「ウルウル」:悲しくって涙が出る状態語。
省略(上略)
「ヒール」>「ハイヒール」。
「メット」>「ヘルメット」。
「ドチキン」>「ケンタッキーフライドチキン」。(「タッキー」とも男性表現か?)
「さてん」>「喫茶店」。
「ぱしり」>「使い走り」。
省略(中略)
「きもい」>「きもち悪い」。
「むずい」>「むずかしい」。
「タッキー」>「ケンタッキーフライドチキン」男性表現か?
「フラ語」>「フランス語」。
「グロい」>「グロっちい」。⇒「グロテスク」の「グロ」に「~い」を付加。
省略(下略)
「おそろ」>「おそろい」。
「ごち」>「ごちそう」。
「マクド」>「マクドナルド」。
「ワンパ」>「ワンパターン」。
省略(二箇所)
「るせー」>「うるせえ」。
「イントラ」>「インストラクター」
省略(複合語各々上略)
「ブンタ」>「セブンスター」(たばこの名)
「車校」>「自動車学校」。
省略(複合語各々下略)
「朝一」>「朝一番」。
「生ビ」>「生ビール」。
省略(文言)
「グンパン」>「グンゼのパンツ」。
「ちょベリバ」>「ちょうベリーバッド」。今や「死語」となる。
置換
「毒べろ」>「毒舌〔ドクゼツ〕」のことを「ドクじた」と読んだところから。「舌〔した〕」の俗語「べろ」へと転化したもの。
「リキ入れる」>「力を入れる」。
「うりツー」>「うりふたつ(そっくり)」。
「ニュウーい」>「新しい」。
「ホワイトキック」>「しらける」(20年前の流行語の復活)。
もじり
「口先女」:口先ばっかり達者な女。
「シングルベル」:恋人がいないこと。
「ノンチッチ」:「モンチッチ」のもじりで、ぺちゃパイの女性。
語呂合わせ
食ッキング。
おっ、それ三重。
ばりばり夕張
とって隠岐の。
虎に噛まれて痛いガー
おまえの話しは内容がないよう。
顛倒
「グラサン」>「サングラス」。
「ゲーハー」>「はげ」。
「ぱっきん」>「金髪」。
「ワンフー」>「ファン」(SNAPのー)。
頭目語化
「TBS」:とってもブスな少女。
「PTA」:パチンコ・タバコ・アルコール。
「る」ことば
「パニクる」:頭がパニックになる。
「パクる」:ナンパする。
「タクる」:タクシーに仱搿
「コクる」:告白する。
「ファミる」:ファミリーレストランに行く。
「マクる」:マクドナルドに行く。「マクドる」とも。
「チャーる」:喫茶店に行く。
「ラーメる」:ラーメンを食べに行く。
「ブッチする」:さぼる。約束などを破る。
敬称「くん」と「ちゃん」
「アトム君」:結婚するには年齢的に後が無い男性。
「パセリ君」:売れ残りの男性。
「バナナちゃん」:帰国子女。見た目は黄色いが中身は白い。
挨拶表現
「バイバイブー」(したっけネ):さようなら。
感情表現
「目点〔めてん〕」:びっくりする意(マンガ手法の目が点になるから)
「いい感じ」:一昔の「ナウい」「かっこいい」の意。
「ブルー」:気分がさえないこと。落ち込む様子。兄貴分が「せつない」か?
「さむい」:しらけること。「さぶい」とも。
「はずい」:恥ずかしいこと。
「おに」:強調表現のひとつ(男性が用いることが多いか)。
進行度合いによる使い分け
めっちゃむかつく>ガンむかつく>おにむかつく
待ち合わせ・遊び場所(札幌編)
「ミツマエ」:三越デパートの前
「ペコマエ」:不二家ペコちゃんの前
「サツエキマエ」:札幌駅の前
「ヒロシくんマエ」:地下鉄大通り駅、ポールタウン前にある大きなテレビの名称。
「ドーリ」:大通り公園
「ドリビ」:小樽ドリームビーチ
その他
「ハメ撮り」:相手をことばたくみにはめて、写すところから。
補遺編
○ 「ガン梗氦螭螭它い。
「言葉の泉」による |
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