本来在年后就应该打完的,1是没那么多时间天天打字,2是打完后咖啡论坛也上不来了,今天总算发上来/
ずっとずっとあなたのそばに 映画「いま、会いに行きます」-澪の物語
祐司、これ見て。ママね、祐司のために絵本を作ったの。
えほん?
そう、絵本。
絵本!
さあ、始めるわよ。
まぁるい。これ、おつきさま?
ううん、これはお星さま。このお星さまはね、アーカイブ星というの。
アーカイブ?
アーカブイ。
きいろい。
うん、黄色いに光っているのよ。
光ってる。
ここはね、死んだ人が行く星なの。
死んだ人?
祐司とパパと、ママのいるこの星から去って行った人たちが、この星で平和に穏やかに暮らしているの。
ふうん。
もしもいつか、いつか、ママがアーカイブ星に行くことになっても、
ママここにいくの?
ママは祐司とパパをずっと、見守っているから。
すぐ帰ってくる?
ずっと、見守っているから。
ママ?どうしてないてるの?
そしてね、雨の季節になったら、あなたがどんなふうに暮らしているか、きっと確かめに戻ってくるから。
腹部の鈍痛で目が覚めた。
深い呼吸を意識しながら寝返りを打ってみる。痛みは静かに増していき、体中に広がっていった。
隣で眠っているあなたを起こさないように、私はできるだけ静かに布団から出てキッチンに向かう。
食器棚の引出しから薬袋を取り出す。片手でお腹を支えたまま袋から薬を取り出そうとするが、うまくいかない。床に座り込み、両手で薬袋を引き裂いた。
大きく息を吐く。吸う。吐く。
薬を握り締めた手をシンクニ置き、腕に渾身の力をこめて立ち上がる。
上体を起こし、その勢いでカプセル錠を口に入れる。腕を伸ばし、グラスを取って、水道の蛇口をひねった。
グラスの水を口に撙帧Oⅳ蛑工帷o理やり水と薬をのどの奥に押し込み、息を吐いた。と同時にグラスをシンクの中に落としてしまった。
咄嗟にあなたと祐司の寝ているほうを見る。
静かだ。二人ともよく寝ている。
私は荒い呼吸を繰り返しながら床に座り込む。唸るような痛みが何度も私を襲う。私は呪文の言葉を繰り返し呟いた。
大丈夫よ、、、、、、大丈夫。
その日、あなたはいつもより早く目覚めた。キッチンに入ってくると、テーブルに座っていた私の目の前に腰を下ろす。いつものわたしたちの場所。
「痛むの?」
心配そうに私の顔を見つめる。
私は肩をすくめて首を横に振る。
「なんだか、目が覚めちゃって、、、、、、」
「怖い夢でも見た?」
そう、痛みに目が覚めるまで、わたしは確かに夢を見ていた。
黄色い星 アーカイブ星。
清潔で、図書館のように静かな場所。
この世を去った者は、その星でみな穏やかに暮らしている。この世界に残る誰かが彼らのことを覚えている限り、その星で生きていられる。
夢の中で私は、その星からあなたたちに呼びかけていた。
ちゃんとご飯を作ってる?
ちゃんとワイシャツにアイロンはかけた?
返事は、ないのだけれど。
「どんな夢?」
「不思議な夢だったわ」
「よかったら、教えてくれる?」
私はあなたを見る。
胸が震える。
私の気持ちはあのころとなにも変わらない。
陸上部だったあなたがグラウンドで走っているのうぃ、遠くから見つめていたあの頃と。
私は腕を伸ばして、あなたの頬に触れた。
「あなたこそ、ちゃんと寝なくちゃ。そうでしょ?」
「澪、、、、、、、」
「私は平気よ」
私は小さく笑ってみせた。
「もう少し眠るといいわ。朝食を作ったら起こしてあげるから」
あなたは黙って私の右手に触れる。それから隣の部屋で眠っている祐司をちょっとだけ振り返った。
「すごい寝相ね」
私は笑った。あなたも笑いながら応える。
「きっと幸せな夢を見てるんだよ」
「そうね」
「祐司に絵本を描いたんだってね、聞いたよ」
あなたは私の右手を握りながら言う。
「僕も、祐司も」
四度目の退院から十九日目の朝
「君を失うなんてできない」
私はきっとこの朝のことを、アーカイブ星で何度も思い出すだろう。たくさんの、あなたとの幸せな思い出とともに。
「あなたは私を失ったりしないわ」
あなたは私を見る。
そうだよね」
「大丈夫よ」
あなたは安心したように笑う。
「絵本のさ、アーカイブ星、上手に書いてたね」
「ありがとう。アーカイブ星なんだけれどね」
「え?そうなの?」
1私があなたと出会ったとき、私は十五歳で、あなたも十五歳だった。
出会った頃の私の髪はベリーショートで、まるで男の子みたいだった。
思春期特有の心の変化や体変化についていけなくて、、女の子として見られるよりも、ただの子供でいたかったのだと思う。
髪をこれ以上できないくらい短くしていたけれど、それでも男の子のように扱われるのもいやだった。だから本当は、女の子であることを自然に受け入れているクラスメイトを見るたび、羨ましくて仕方なかった。
どうしてそんなふうに何の抵抗もなく、唇に口紅が塗れちゃうのかしら。
その頃の私は薬用のリップクリームでさえ、人前では絶対に塗れなかった。
なんだかとても、恥ずかしくて。
恋の対象に男子を意識するのもなんとなくいやで、視力が悪くなったのをいいことに、私は銀色のメタルフレームの眼鏡をかけるていた。その眼鏡がどんなに可愛くないかは、私が一番よくわかっていたけれど、眼鏡をかけることで、ずいぶん安心できたきがする。眼鏡が私を守っていた。
男の子に興味ないの。だからほっといて。
そんなふうに。
私たちは三年間同じクラスで同じ班で、席はたいていあなたの右隣か左隣だった。常にあなたはわたしの半径1メートル以内にいて、あなたを取り囲む空気にわたしはいつの間にかリラックスすることを覚えてた。
いつもガンガチに構えていたわたしが、なぜかしら、あなたの半径1メートルが一番落ち着ける場所になっていた。
だけどその頃はまだそれが恋だなんて気が付かなかったし、あなたは試験前にしか私に話し掛けてこなっかた。
「ごめん樚铯丹蟆ⅴ惟`ト貸してくれる?」
「どうぞ」
私、きっと可愛くない顔で貸してた。えっ、また?見たいな顔であなたにノートを手渡してた。でもね、本当は嬉しかった。誰かの役に立つなんて経験、たぶんこの時が初めてだった。誰かの役に立てて、胸がおどる なんて経験は間違いなくこの時が初めてだったと思う。嬉しくて笑いそうになっちゃったけど、こらえてたから余計変な顔をしてたと思う。
「助かったよ、ありがとう」
「どういたしまして」
「すごく読みやすいよね。樚铯丹螭违惟`トは上手にまとめてあって」
「そう?」
なんて言いながら、その言葉が嬉しくて、だから授業中熱心にノートをとった。
だけどどういうわけか、成績は中の中だった。へんねまぁいいけど。
あなたは陸上部で1500メートルの選手だった。
放課後、教室から見えるグラウンドを何周も走っていた。
抜けるような青い空とグラウンドの間の高さから、走っているあなたを見ていると、胸が震える。
走っているあなたを見ているこの一秒一秒が永遠ならいいのに、と思った。ずっとあなたを見ていたい。
わたしはやがてこの気持ちが恋だと気付く。私の初めての恋だった。
その思いはあまりにも大切な宝物のようで、だから友達にも、あなたにも、気付かれないように、心の奥底にしまっていた。
日本史の時間。
あなたは私の右隣であくびをしている。教科書を机に立てて、そこに隠れるようにうつむいて何度も。
「樚铯丹蟆筡
あなたの声に私は右を向く。
幕末の日本。尊王攘夷。
あなたが私の机の上を指差す。
なに?ノート?
あなたが手を振る。ちがうちがう。
「シャープペンシル」
「え?」
「芯、出すぎ。折れちゃうよ」
私は慌ててシャープペンシルの芯を引っ込める。
右を見るともうあなたはあくびをしている。
幕末の日本。
教科書の内側であなたは腕を組んで、うつぶせて寝ている。
あなたは陸上の練習で疲れて、よく授業中寝ていた。
あなたは決まって机に腕を組んで、その上に顔を載せて寝ていたけれど、たいていはわたしのほうに顔を向けて眠っていて、肩に隠れて見える寝顔はいつも、私を幸せな気持ちにした。
だけど、三年間なんてあっという間に過ぎてしまった。
心地よかった半径1メートルは、桜が蕾になる前になくなってしまった。
卒業式を終えて教室に戻り、高校生活最後のホームルームも終えると、隣の席のあなたは机の中を整理していた。
「秋穂くん」
手を伸ばせば届く距離に、あなたはいた。三年間、ずっと。
「なあに?、樚铯丹蟆筡
「これになにか、書いてほしいの」
私はサイン帳をあなたに見せた。
「いいよ、貸して」
<きみの隣はいごこちがよかったです。ありがとう>
ねえ、わたしたちは同じことを感じていたのよ。
私はありがとう、とあなたに言った。
「わたしも」
「あなたの隣はいごこちよく感じていたわ」
好きです。
「じゃあ、さよなら、樚铯丹蟆筡
「ええ、さよなら」
あなたはスポーツバックを持って教室から出て行った。あなたが私の半径1メートルから離れていくのを、私はゆっくりと実感した。
それから私たちは別々の路へ進んだ。
私は東京の大学に進学して、寮生活を始め、あなたは地元の大学に進学した。
半径1メートルは何十キロにも離れてしまった。
ところで、あなたはサイン帳にメッセージを書いたあと、サイン帳といっしょにあなたのシャープペンシルまでわたしに渡していた。その時はドキドキして気付かなかったのだけど、握り締めているそれに気付いたのは校門を出た後だった。
正直に言うと、記念にもらおうかしらって考えた。サイン帳に書いてもらったあなたのシャープペンシル。きっと私は一生のほう にする。でもこれはあなたのものだし、もしかすると大切なものかもしれないし、ひょうっとするともう一度あなたに会える口実になるかもしれない。
一月悶悶と悩んで(一月よ!なんて奥手なの)、あなたに手紙を書いた。とても短い手紙だけど。
あなたのシャープペンシル預かっています。どうしましよう?
するとあなたから、すぐに返事が来た。
{大事な品です。取りに行きます。}
ほんとに?ねえ、ほんとに?わたしはまたあなたに会えるの?
あなたから初めての手紙をもらった夜は全然眠れなかった。だけど私はこう書いた。
{今は、寮に入っています。実家に帰ったときに連絡します。}
それまでには、この中途半端な長さの髪も肩にかかるほどになっていると思う。
初めて買ったバレッタで髪をとめ、あなたに会うの。
それから、この銀縁眼鏡もやめて、コンタクトレンズを買いに行こう。
夏休みの九月七日にあなたと再会を果たすまで、私は毎日鏡と格闘した。ピーチピンクの口紅とアプリコットオレンジの口紅のどちらが私に似合うのかよくわからなかったし、バレッタを買ったのはいいけれど、伸びた私の髪は直毛すぎて、耳の上の髪を後ろでとめようにも、横にパサパサト戻ってくるし、ピンの使い方なんて知らなかったから、鏡の前で何度も不機嫌になった。
とにかく、九月七日。
着ていく洋服は杏色のワンピースに決めた。それからハイビスカスのトートバッグに、あなたのシャープペンシルを忘れずに入れて。
私たちは互いの家の中間地点にある駅のコンコースで待ち合わせた。
約束の三十分前に着いたので、駅の洗顔所でもう一度眼鏡をチェックする。最後間で口紅の色に悩んだ。
ピーチピンクのほうが私の肌色に合っている気がするけど、ワンピースにはアプリコットオレンジのほうが色としてあっていると思う。でも今の流行を考えて、アーモンドベージュのようなヌーディーな色もいい感じだし。、、、、
洗面所は込んでいて、鏡を占領している私は、誰かが洗顔台を使うたび、口紅三本とバッグを持って端に移動し、いなくなったら再び鏡の前に立った。
ふう、とため息をつくと、隣で化粧直しをしていた五十台くらいの女性が横目でちらりと私を見た。思わず、どれが一番私に似合うと思います。と訊ねそうになったけれど、心臓が鳴りすぎて、最初の「どれが」出ない。
女性は声の出ない私と目を合わせたまま、「どれでもいいじゃない」と言った。
「あなたかわいいんだから」
そういって、彼女は化粧ポーチをバッグに入れて、パチンと閉めた。
「あ、ありがとうございます」
「自信を持って」
彼女は手のひらを振って、出て行った。
私はもう一度息を吐いた。
どこのどなた様か知らないけれど、私のことをかわいいと言ってくださってありがとう。
わたしは鏡の中の自分を見つめて、自信を持って、と呟いた。
私は口紅をきゅっと結び、それからゆっくりと開いて、アプリコートオレンジの口紅を塗った。
コンコースで十分ほど待っているとあなたの姿が見えた。胸が鳴る。
ああ、全然変わってない。ほら、あの歩き方も同じ。でも制服じゃない、トレーニングウェアでもないあなたを見るのは初めてだった。あなたは半袖のシャツに薄いベージュのコットンパンツを合わせていた。
目が合って、あなたは私に駆け寄る。
「こんにちは、お久しぶり」
私の声は1オクターブ高かったかもしれない。
「うん、ほんとに久しぶりだよね」
半年ぶりの半径1メートル。ほんの少し、あなたが緊張しているのがわかる。だけどこの空気感はあのごろと変わらない。あらためてここが私の居場所だと感じる。
「そう、あの、シャープペンシルよね?」
私は慌ててバッグからペンシルを入れた緑色の封筒を取り出し、あなたに手渡した。
「ごめんなさい、長い間」
「いいよ。僕の不注意だし」
あなたは言った。
「それに、こうやって今は僕の手に戻ってきたし」
「大事なシャープペンシルなのよね?」
「うん、伯母さんからの誕生日プレゼントだったんだ。生まれて初めて買ってもらったシャープペンシル」
あなたはペンシルを光にすかして、嬉しそうに私に向いた。
「どうもありがとう」
「いいえ、どういたしまして」
用事はここですっかり終わってしまった。でも私はあなたの半径の1メートルからまだ離れたくなかった。私はうつむいたまま、あなたの左隣であなたの次の言葉を待っていた。ええと、とあなたは言った。私はあなたを見上げた。
{のどが渇かない?}
私はこくこくとうなずいた。うんうん。
「なんだか暑いよね」
うんうん。
「じゃあ、冷たいものでも飲みに行こうよ」
あなたの後ろをさっき洗面所で一緒になったおばさんが通った。
おばさんが私に向けて笑顔を送る。私は照れ笑いをおばさんに返した。 |