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孙过庭《书谱》原文、汉译文、日译文(15)
【原文】
虽篆隶草章,工用多变,济成厥美,各有攸宜。篆尚婉而通,隶欲精而密,草贵流而畅,章务检而便。然后凛之以风神,温之以妍润,鼓之以枯劲,和之以闲雅。故可达其情性,形其哀乐,验燥湿之殊节,千古依然;体老壮之异时,百龄俄顷。嗟乎!不入其门,讵窥其奥者也。
【汉译文】
由于篆书、隶书、今草和章草,工巧作用各自多有变化,达成其美妙,也就各有特点。篆书崇尚委婉圆通,隶书须要精巧严密,今草贵在畅达奔放,章草务求简约便捷。然后以严谨的风神使其凛峻,以妍媚的姿致使其温润,以枯涩的笔调使其劲健,以安闲的态势使其和雅。这就在一定程度上,表达书者的情性,抒发着喜怒哀乐。察验用笔浓淡轻重的不同节奏,从古到今都是一样的;从少壮到老年不断变化的书法意境,一生中随时可以表露出来。是啊!不入书法门径,怎能深解其中的奥妙呢?
【日译文】
篆書や隷書、草書や章草などの各種の書体は、造形技法は異なるが、芸術美を形成するには、それぞれに特性を持っている。すなわち篆書では「腕にして通」-たおやかですらり、隷書では「精にして密」-細やかで緻密、草書では「流しにして暢」-流れるように伸びやか、章草では「検にして便」-無駄が無く便利であることが求められる。さらに「風神」によって作品を引き締め、「妍潤」-潤いのある艶やかさでぬくもりを出し、「枯勁」-枯れた強さで引き締め、「閑雅」-静かな優雅さによって調和させてゆくことが必要である。そうしてこそ制作者の感情の本質を見極め、喜怒哀楽を芸術として形にしてゆくことができるのである。乾燥湿潤が季節によって異なり、しかもその変化の循環は千古に変わらぬものであることを体験し、老人と若者では時間の推移が異なるが、百年の齢も束の間である人生のはかなさを経験する。ああ、書というこの道に入らなければ、どうしてこの深い奥義を知ることができようか。 |
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