日本にキリスト教が最初に伝来したのは、1549年、カトリック?イエズス会の宣教師フランシスコ。ザビエルの来日によってであった。宣教師たちとともにもたらされる南蛮貿易の利益に大きいに関心のあった大名たちが布教を歓迎したため、たちまち多数の信徒を獲得した。
1590年前後で信徒20万人は、当時の人口から言えば大変な比率である。しかし、蜜月時代は短く、豊臣秀吉のき禁教令(1587年) で突如終わる。江戸幕府はさらに弾圧を強化して、多くの殉教者を生み、悲劇は1673年の島原の乱で頂点に達する。
こうして日本が再キリスト教の信仰の自由を認めるのは1873年、明治維新政府になってからであった。その間、一部の信者は「隠れキリシタン」として細々と信仰の火を守った。
現在、キリスト教信者は約140万人。カトスック、プロテスタントハ元より既存のあらゆる宗派が入っている。ザビエルに始まる初期布教時代と比べ、この数字はあまりにも少ない。しかも、ほぼ横ばいである。結婚式は神式で、仏式でと、宗教に対してよく言えば寛容、悪くいえば無頓着な日本人にとって、キリスト教はしょせん根付かぬものなのだろうか。 |