~ばかりに
動詞・形容詞:普通形<ナ形ーな> + ばかりに
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♪ 会話 ♪
李 :学歴がないばかりに、能力があっても認めてもらえないという不合理が、まだ残っているね。
山田:残っているどころか、それが偽らざる現実だよ。
李 :そうした古い学歴信仰が残っているばかりに、多くの才能が宝の持ちぐされになってるんじゃないの?
佐藤:確かに一芸に秀でることが問われている時代だね。
♯ 解説 ♭
「~ばかりに」は形容詞や動詞の完了形(「た」形)について、「~だけの理由で、(悪い結果になった)」という意味を表します。後悔や残念や不満といった感情が強く表れる原因・理由の表現で、後件ではいい事態の発生は表せません。
その点、「~だけで」も「~だけの理由で」という意味を表しますが、用法上の違いがあります。それが唯一の理由で悪い結果になったときは、「~ばかりに」が一番ぴったりします。下の例を見てください。
あなたが側にいてくれるだけで(×ばかりに)僕は幸せだ。
テストに名前を書くのを忘れたばかりに(△だけで)零点にされた。
§ 例文 §
1.彼は人がいいばかりに、人に騙されてばかりいる。
2.対戦相手を侮ったばかりに、敗北の憂き目にあった。
3.なまじ空手を習っていたばかりに、やくざとけんかをして刺し殺された。
4.出世したいばかりに、恋人を裏切り、社長令嬢と結婚するなんて男の風上にも置けない奴だ。
5.英語ができると言ったばかりに通訳をさせられ、赤恥をかく羽目に陥った。
★ 例題 ★
1) うっかり口を(滑った/滑らせた)(だけに/ばかりに)、相手を(怒って/怒らせて)しまった。
2) 指名手配の犯人に顔が(似た→ )ばかりに警察に(連行する→ )、取り調べを(した→ )。 |