中国語は漢字一字一字が「語」である。従って、語を略すときにも、漢字一字一字の意味を考えて慎重に行う。日本には「洋服」という言葉がある。本来は「和服」に対して作られた言葉なのに、着る物はすべて洋服だと思っている若い世代も多い。「洋服」は「西洋服」を略したつもりなのだろうが、「洋」は「うみ」ということなのだから、これではダイビング・スーツのようである。中国では「西服」というのだそうである。
話は変わるが、日本の航空業界で、海外線は長く日本航空の独占下にあった。これを最初に破ったのは全日空の香港便であった。全日空は香港のメディアに社名を売り込もうとしたのだが、なぜかこの社名は笑い話の種にされた。「全日空」は言うまでもなく、「全日本空輸」の略なのだが、中国人は漢字一字一字で判断する。まず、「全日」が「一日中」という意味であることは日本人にも容易に分かる。問題はつぎの「空」である。「そら」は現代中国語では「天空」であり、一字でいうなら「天」であり、「空」単独では「空白」の「空」、つまり「からっぽ」ととられやすい。「全日空」の飛行機に仱辘蓼筏绀Αⅳ趣いΓ茫亭稀ⅰ敢蝗罩肖椁盲荬物w行機に仱辘蓼筏绀Α工嚷劋长à郡铯堡扦ⅳ辍ⅳ膜证欷饯Δ驶嵘绀伪Qのように聞かれたのだと思う。 |