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《龙马奔走》之《一 良驹登程(5)》

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发表于 2007-4-18 13:54:10 | 显示全部楼层 |阅读模式
竜馬がゆく

一 門出の花(五)

竜馬は、不思議な若者だった。なるほど見送りの衆に囲まれて歩いているのだが、ほとんど口を利かない。春猪が叔父の孤独な顔を見て、
 「竜馬おじさまは、一人で歩いているみたい」
 と笑った。しかも、ときどき、姿を消してはみんなをあわてさせるのである。「竜馬がまたおらぬ」というので一同道を引き返し、手分けして探してみると、河で一人で泳いでいるのを発見したりした。
「手のかかる変わりもんじゃ」
 領石の近くまで来ると、また姿が見えなくなった。
 「今度は、一本道じゃけん、分かりが早かろう」
 探すと、竜馬は見も知らぬ家に勝手に上がりこみ、上がり口に腹ばいになっていた。顎に両肘をつき、ぼんやり屏風を眺めている、
 「ここにいたか」
 屋敷は野村栄造という郷士の家である。野村家のほうでも、黙って上がりこんできたこの見知らぬの大男を気味悪がり、声をかけずにそっと捨てておいた。土居揚五郎が野村家の家人にあやまり、竜馬に、「おい、なにをしちょる」
 といった。
「屏風を見ちょる」
 二枚折の屏風で、壇ノ浦の源平船合戦が極彩色で描かれている。この屏風が街道からも見えるため、つい魅かれてふらふらとあがり込んでしまったらしい。
 「この絵が気に入ったのか」
 無言で、ニヤリと笑った。絵そのものが気に入ったのではなく、屏風いっぱいに展開されていた船合戦が気に入ったのだろう。
――むろん竜馬は、後年(こうねん)、私設艦隊をひきいてこの屏風の海とおなじ馬関海峡で幕府艦隊と海戦する運命になろうとは、かれ自身も夢にも想像できない。
竜馬が起き上がった時、野村家に足を止めていた僧が声をかけた。
 「お待ちなさい」
 振り向くと、五尺そこそこの小男の僧で、頭が不気味ほど大きかった。土佐ではこういう男を、ボラアタマという。魚のボラから来た連想に違いない。
 「異相じゃな」
と、僧はいった。竜馬は、相手にしなかった。一見して、旅から旅へと歩き、富家に足を止めては村人のために観相.占易(うらない)をして廻る乞食坊主で、竜馬はこういう手の占い師が本質的に虫が好かなかった。
 「あんたのお名は、なんと申される」
 「坂本竜馬だ」
 「眉間に不思議な光芒がある。将来、たった一人で天下を変貌させるお方じゃ」
 「うそをつけ」
 竜馬は笑った。
 「わしは、剣術師匠になる。この重い撃剣(げきけん)道具を見ろ」
 言い捨てて、竜馬は街道へ出た。
道中、晴天が続いている。
――竜馬は、阿波ざかいのいくつかの峠を越えて、吉野川上流の峡谷に分け入った。
 遠く石鎚山から発するこの峡谷は、東西二十里、地形は複雑で、途中、大歩危(おおぼけ)、小歩危(こぼけ)などの難所があり、時に一日歩き続けても人影を見ない。
 竜馬は、左手を懐に入れて歩くのが、くせである。右肩に竹刀、防具を担ぎ、これも癖で、左肩を少し落とし、一足、一足、軽く踏みしめるようにして歩いてゆく。そのわりに足が速い。
この癖は、四、五年前についてしまった。竜馬が十五歳のころ、当時若侍のあいだではやっていた座禅を軽蔑し、
 ――座るより歩ければよいではないか。
 とひそかに考えた。禅寺に行って、半刻、一刻の座禅をするよりも、むしろそのつもりになって歩ければよい。いつ、頭上(ずじょう)から岩石が降ってきても、平然と死ねる工夫をしながら、ひたすらにそのつもりで歩く。岩石を避けず、受け止めず、頭上に来れば平然と迎え、無に帰することができる工夫である。
 最初は、襲い掛かる岩石を空想し、むしょうにこわかった。十五歳から十八歳ごろまでの間、いつでも竜馬の念頭に、この岩石があった。
しかし十八歳になったころ、これがばかばかしくなった。
 (自分で作った岩石に、自分が脅かされる馬鹿があるか)
 と、やめてしまった。
 いまではすっかり、そういう時期があったことも忘れているが、歩き方の癖だけは残っている。
 ある時、日根野道場の師範代土居揚五郎が、帯屋町の往来を行く竜馬の後姿を見て、
 「あいつは大きい。後ろが斬れぬわい」
 と、言ったことがある。
 ――竜馬自身は、この我流の修業やめてしまっていたが、自分でも気のつかぬ心のある部分で、「岩石」がひそかに生きつづけ、しらずしらず、竜馬を成長させていたのかもしれない。
 数日して、阿波の岡崎ノ浦に着いた。
 この浦は小鳴門(こなると)に臨み、ここから淡路(あわじ)の福良(ふくら)、大阪の天保山沖に便船が通っている。
 ――ああ、磯臭いなあ。
 土佐を出てから幾日目かでかぐにおいであった。
 浜へ出る狭い道の左右に船宿が並び、客引きの女が、お遍路、旅商人、雲水などに、声をからして呼びかけていた。
 竜馬を見て、
 「そこの若いお武家様。お天気は晴れていても沖は高浪じゃ。船は今日は出ませぬゆえ、お泊りなさンし」
客引きの女中に袖を挽かれるまま、竜馬は鳴門屋という船宿(ふなやど)の軒を潜った。
 (なるほど阿波女とは、親切なものだな)
 評判で聞くとおりだと思った。赤い襷に赤前垂れをつけた女中が、土間に竜馬を座らせ、足の指の股まで丁寧に洗ってくれるである。
 竜馬は二階へ案内された。
「ずいぶん、混んでおるな」
 「はい、三日も船待ちなされておるお人もいらっしゃいます。――ああお武家様のお部屋はこちらでございます」
 「その部屋は、いやだ」
 竜馬は、どんどん廊下を歩いて、別の部屋に入り込んでしまった。座るとすぐ、「酒をくれ」
 土佐者は酒を茶のように飲む。
 「あの、このお部屋は、もうすぐお着きなるお客様のお部屋ごございます」
 「俺は、ここだ」
 決めてしまっている。竜馬は、もともと頑固でなさ過ぎるほどの男だが、他人に決められたとおりにするのが、大嫌いなたちなのである。後年、かれは口癖のように言った――
 (衆人(しゅうじん)がみな善をするなら、己一人だけは悪をしろ。逆も、またしかり。英雄とは、自分だけの道を歩くやつのことだ)
 だまって、にこにこ笑っている
 「困ります」
 「頼む、酒だよ」
 竜馬は、東の障子を開けた。豁然として海の光景がひらけた。
 淡路島が近々とみえ、遠く紀州の山並みが、夕雲の下で薄桃色に息づいている。
「おれは、海と船の見える部屋が好きなんだよ」
 独酌で酒を飲み、酔いがほろほろと廻りはじめたころ、番頭が慌しく駆け込んできて、
 「若いお武家様。いま、この部屋のぬしがお着きになりました。あちらへお移りくださいますように」
 「あちらでは、海が見えないだろう」
 「左様で」
 「「ここにいる」
 「では、先様へはわたくしがお願いいたしまするゆえ、こちらで相宿はいかがでございましょう」
 「うむ、よい」
「ありがとうございます。念のために申し上げまするが、お女中方でございまするよ」
 「あ」
 竜馬は、起き上がった。
 「それはいかん。断ってくれ。国を出る時父上から、禁ぜられている」
 「なにが、でございまするか?」
 「女色(じょしょく)だ」
 「ご冗談を。相宿していただくだけで、女色は大げさすぎまする」
 「そうはいかぬ。俺の国には、福岡宮内様というご家老がいる。福岡様が、おれの兄の権平に申された所によれば、おれが屋敷に遊びに来ると、どうも女どもが騒いでならぬ」
 「恐れ入ります」
 「だから、女には近づくなと父上は申された」
 「実を申しまする、ここにお見えになるお客様は、その土佐のご家老福岡宮内様のお嬢様でごいまする」(続く)
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 楼主| 发表于 2007-4-18 13:54:45 | 显示全部楼层

中译

龙马是个让人捉摸不透的年轻人。这么多送行的人前后围着走路,他却不怎么开口。春猪看着她叔叔那孤独表情,笑道:
  “龙马叔好像是一个人在走路”
  更有甚者,他还常常不见了身影,叫人手忙脚乱地好找。“龙马又不见了”,于是人们再折回去,分头去找,结果发现他一个人在河里游泳。
  “真是个叫人操心的怪人”
  走到领石的附近时,他的人又不见。
  “这次是一条道走来,应该好找吧”
  一找,发现龙马擅自走上了一家陌生人家,门口趴着。两手支着下巴,正呆呆地望着一张屏风。
  “原来在这儿啊”
  这是一个名叫野村荣造的乡士的家。野村家的人看到这么个陌生大汉一声不响地进来,也觉得很不舒服,因此也不跟他打招呼,把他晾在那里。土居扬五郎给野村家的人道了歉,对龙马说道:
  “喂,你干嘛呢?”
  “看屏风呗”
  那是一面二折的屏风,上面彩绘着坛浦源 平海战○1。因为这面屏风在大街上也能看得到,所以,似乎龙马是看入了迷,晃晃悠悠地就走了进来。
  “喜欢这话吗?”
  问他他也不答,只是自得地一笑。恐怕他不是这画,而是喜欢画中战船密布的海战吧。

  ——当然,龙马做梦也不会想到,日后,他会带领着他的私人舰队,像那屏风中一样,在马关海峡与幕府的舰队进行海战的。
  龙马爬起身来时,一个在野村家前停住了脚步的和尚,和他打了招呼:
  “稍等片刻”
  回头一看,只见是一个身高五尺的小个子和尚,脑袋却大得瘆人。这种脑袋在土佐称作鲻鱼脑袋。当然是来自鲻鱼的联想。
  “你生就一副异相”
  那和尚说道。龙马没理会他。一望可知,这是个浪迹江湖,驻足富家,给村里人观相占卜以乞食的和尚,龙马天生就对这种算命先生没好感。
  “请教尊姓大名”
  “坂本龙马”
  “你眉宇间有股异样的光芒。将来能凭一己之力而撼动天下”
  “胡说八道”
  龙马笑道。
  “我要做剑术教头。看这些沉重的击剑护具”
  扔下这么一句,龙马就走上大道了。
  一路上,连日好晴。
  ——龙马翻过阿波地界的几道山梁后,就钻入了吉野川上流的峡谷之中。
  这条始于遥远的石锤山的峡谷,东西二十里,地形相当复杂,途中有大步危、小步危等险地,有时走上一天也见不到一个人影。
  龙马走路时有个左手藏入怀中的怪癖。右肩上抗着竹刀、护具,他左肩稍稍下垂,一步一步,轻柔又踏实地走着,这也是怪癖之一。尽管这样,却走得很快。
  他的这个怪癖,是四、五年前得上的。龙马十五岁上下时,年轻武士非常流行座禅,可他对此很轻蔑,心中暗忖:
  ——走不比座强吗?
  与其去禅寺坐上一个、半个时辰,还不如以此心境来行走。不论何时有岩石砸到头上,都能平静地死去,满怀着如此心境来行走。要修炼成,不避开岩石,也不接住,砸到头上则从容承受而归于无。
  开始时,他幻想着那块砸来的岩石,心里总是惴惴不安。从十五岁到十八岁,龙马的心上老有着那么块岩石。
  可长到了十八岁,他觉得这么很蠢,心想:
  (哪有用自己想象出来的石头来吓唬自己的这种傻瓜)
于是,他就把那块“石头”给撇开了。
  时至今日,他也完全玩了以前还有过这么挡子事儿了,却落下了走路时的这么个毛病。
  有一回,龙马走在带屋町的街上,日根野道场的教头土居扬五郎曾望着他的背影说:
  “这小子可了不起,从背后砍不了他”
  ——可能是龙马自己放弃了他自创的修炼,可那块“岩石”仍在他心里一个自己都不知道地方,不知不觉中,仍在促使他成长,亦味可知。
  数日后,他来到了阿波的冈崎浦。
  该海湾下临小鸣门海峡,在此有航船通往淡路的福良、大阪的天保山沖。
  ——啊,海腥扑鼻。
  自从土佐登程以来,已不知有多少天没闻到这种气味了。
  一条通向海滩的小路的两旁,水手客栈鳞次栉比,拉客的女拥用已经沙哑的喉咙,招呼着过路的香客、行商、行脚僧等客人。
  看到了龙马,就嚷嚷道:
  “那儿的年轻武士,即便天好浪头也高着呢。今儿是开不了船了,住下吧”
  龙马给拉客的女佣牵着袖子就进了一个名叫鸣门屋的水手客栈。
  (到底是阿波的女子,真热情啊)
  名不虚传。一个系着红色束衣带,扎着红色围裙的女佣,让龙马坐在门口帮他洗脚,很仔细,连脚丫子都洗得干干净净的。
  然后,龙马被让到了二楼。
  “真是顾客盈门啊”
  “是嘞,有的客人已经等了三天船了。——啊,武士您的房间在这儿”
  “这房间,我不要”
  龙马快步走到走廊上,走进另外一间房间。一屁股坐下来,说道:
  “拿酒来”
  土佐人喝酒如喝茶。
  “可是,这房间的客人就要来了呀”
  “我就住这里”
  他就这么定了。龙马远不是个顽固的人,可生来就最讨厌受制于人。后来他曾像口头禅似地说道——
  (若众人皆为善,仅我一人也为恶。反之亦然。英雄者,独行其道也)
  这时,他一言不发,脸上笑容可掬。
  “这叫我怎么办呢?”
  “拜托了,快拿酒来吧”
  龙马拉开东面的移门。一片海景,豁然展现在眼前。
  淡路岛近在眼前,远处纪州的群山,呈淡红色,静卧在夕阳薄暮之下。
  “我喜欢看得见海和船的房间”
  就在他自斟自饮,醺醺欲醉的当儿,掌柜的慌慌张张地跑进来,道:
  “武士少爷,这个房间的主人来了。相烦翻到那厢去吧”
  “那边看不见大海吧”
  “是的”
  “我就在这里”
  “如此,则我去恳求那位,要是合住,您意下如何”
  “嗯,无妨”
  “多谢。我多说一句,对方可是位女客”
  “啊”
  龙马跳将起来。
  “使不得。罢了罢了。出门时爹爹有训诫的”
  “什么训诫?”
  “女色”
  “开玩笑了。合住而已,怎么扯得上女色呢”
  “那可不成。俺家乡有位叫福冈宫内的家老。听他跟俺哥说,每次俺去他家玩的时候,他家的女眷个个都是心神不定的,跟丢了魂似的”
  “实在对不住”
  “所以,俺爹爹训诫道,不得近女色”
  “恕我如实禀告。要住这屋的客官,正是土佐的家老 福冈宫内老爷的千金”


○1坛浦源 平海战:1185年4月20日(日本文治元年三月二十四日),日本坛浦海战(下关海峡一带)爆发。源氏大军对平氏集团盘踞的最后据点发起猛攻,双方各出动数百艘战船和数万大军在海上激烈厮杀,平氏的军队最终彻底全军覆没,从而为“源 平合战”画上了句号。战斗中,作为平氏傀儡的年仅7岁的安德天皇也投海自尽,象征天皇皇权的三神器之一的宝剑也随之消失在大海中。

源平坛浦大合战屏风


[ 本帖最后由 华南虎 于 2007-4-18 13:55 编辑 ]
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