日経平均が一時1万6000円割れ、海外ファンド勢の売りに円高が追い討ち
2007年 08月 16日 17:50 JST
日经指数一度跌破16000 海外基金抛压逼高日元[東京 16日 ロイター] 米国のサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題に端を発した世界的な株安の連鎖は、16日の東京株式市場でも止まらなかった。日経平均は前日に続いて大幅安となり、取引時間中には2006年11月29日以来、約9カ月ぶりの1万6000円大台割れとなった。
[东京 16日 路透社]发端于美国次级房贷(面向低信用度贷款者的住房按揭)的世界性股市下跌之连锁反应,在16日的东京股市也同样一发而不可收拾。日经指数在继昨日大跌之后,盘中竟创出自2006年11月26日,距今已9个月以来的新低,跌破16000日元大关。
海外ファンド勢の換金売りや国内外機関投資家のヘッジ売りが殺到。1ドル115円台まで進んだ円高が追い討ちをかけ、企業業績に対する不安感も浮上している。
海外基金的变现抛售、国内外机构投资者的套保平仓蜂拥而至。逼高日元直至115日元水平,同时,针对企业业绩的忧虑也油然而起。
実体のつかみづらいサブプライムローン問題に対する不安心理がグローバルな投資資金を萎縮させている。15日の米国株式市場では、資金調達難のうわさを背景に住宅金融大手カントリーワイド・フィナンシャル(CFC)が大幅に下落。住宅ローン事業の健全性や、クレジット市場に与える影響に対する懸念が高まり、ダウ平均は節目の1万3000ドルを割り込んだ。
捉摸不透的次级房贷问题所引发的恐慌心理,已造成了世界性的投资资金萎缩。在15日的美国股市上,有着融资困难传言的房屋贷款机构Countrywide金融集团(CFC)的股价出现跳水。人们不禁大为担心:这是否会对房贷业务的健康发展以及整个信贷市场带来重大影响,为此,道琼斯指数也跌破了13000美元的关口。
これを受けて16日の東京株式市場でも寄り付きから売り一色の展開となった。「米系、欧州系とも大幅な売り越し。トヨタ自動車、新日鉄など流動性の高いコア銘柄への売り圧力が強まった」(大手証券エクイティ部)。日経平均は後場に入って下げ足を早め、一時は前日比600円を超す下げ幅を記録した。
受此影响,16日的东京股市从一开盘起就抛声一片。“就连美股、欧股也出现大幅的多换。丰田汽车、新日铁等龙头股也遭大幅抛压”(大证券公司投资服务部)。进入后半场交易后,日经指数加速下跌,一时创下了低于昨日600日元的跌幅记录。
主要国のなかでは金融機関、企業とも健全とみられていた日本株が売られた背景には、容赦の無いファンド勢の換金売りがある。「ローン会社やヘッジファンドの危機説などが相次ぎ、海外ファンドは解約に備えた換金売りを出さざるを得なくなっている。ファンド勢の不安心理が換金売りの悪循環になり、極端な需給悪化が起きている」(三菱UFJ証券シニア投資ストラテジストの吉越昭二氏)という。
在世界各主要国家,无论是金融结构还是企业都曾被认为是相当可靠的日本股票遭到了抛压,其缘由就在于基金毫不留情的变现操作。“借贷公司以及对冲基金的危机说不绝于耳,所以海外基金为对应赎回而进行变现也就在所难免了。基金的担忧造引发变现抛售的恶性循环,已造成了极度的需求恶化”(三菱UFJ证券资深投资顾问)。
国内外の機関投資家からは先物にリスクヘッジのための売りが出た。「先物売りが裁定解消売りを誘発し、スパイラル的な下げにつながった」(欧州系証券)。信用評価損率が拡大し、信用取引で株式を売買している個人には追い証も出たとみられている。
国内外的投资结构在股指期货上面也采取了锁定风险的抛售。“股指期货做空诱发解除套利的抛股,从而造成螺旋式下跌”(欧资证券)。同时认为,由于浮动亏损率的加大,已经出现进行信用交易买卖股票的个人追加保证金的情况。
草野グローバルフロンティア代表取締役の草野豊己氏は、リスク低減のためのポジションの手仕舞いの動きは今後も続くとみている。世界的な換金売りの連鎖が続くことにより、「マーケットニュートラル型のファンドの内容が急速に悪化。解約に備えるため、ポジションを手仕舞うことになる。最終的にはファンダメンタルズの良い銘柄を手掛けていた長期投資家が投げることになるだろう」という。
草野全球新域公司的社长草野丰己认为,为降低风险的平仓行为今后仍将持续下去。由于世界范围内的变现连锁反应的持续。“市场中立型基金的业务急速恶化。为应付赎回,就得斩仓。最终持有绩优股的长线投资者也将抛售吧”。
市場からは「根底には過剰流動性の巻き戻しが始まったのではないかという市場の不安心理がある。これを落ち着かせるためには、1998年のロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)の経営破たんに端を発した金融危機の時のように、金融当局による政策提示が必要となるかもしれない」(東海東京調査センターシニア・マーケットアナリストの矢野正義氏)との声も出ている。
市场方面也出现了“本质上的流动性过剩回潮的担心。为化解此担心,或许应该像1998年长期资本管理公司(LTCM)破产而引发金融危机时一样,金融当局有必要公示政策吧”(东海东京调查中心资深市场分析师矢野正义)之类的声音。
国内企業の4―6月期決算は、総じて予想を上回る利益成長となったが、足元の為替相場が円高方向に振れていることから、企業収益に対する懸念も浮上している。日本株が米国株以上の下げ幅を記録している要因でもある。
国内企业的4~6月份结算,总的来说赢利都超过了预期,但眼前的汇率市场方面呈日元升值趋势,因此产生了针对企业收益的担忧。这也是日本股市的跌幅大于美国股市的原因。
第一生命経済研究所主席エコノミストの嶌峰義清氏は「現状は対ドルだけでなく、他通貨に対しても円独歩高の様相で、このまま円高が進むと企業業績への懸念も強くなる。為替が落ち着かなければ日本株は買いにくい」という。
第一生命经济研究所首席经济学家嶌峰义清认为:“现在日元不仅仅是相对于美元,相对于其他货币也呈高位独步的态势,如此坚挺下去,有关企业业绩的担忧将加深。汇率不回调,日本的股票就很难买进了”。
16日の日経平均は、大引けにかけて先物や金融株への買い戻しなどで下げ渋り、終値は327円安の1万6148円となった。しかし、「サブプライム問題はまだ始まったばかりだ。もう一段の下げを覚悟する必要がある」(国内投信投資顧問ファンドマネージャー)との見方も出ている。ある外資系証券のトレーダーは「市場関係者の見方が総弱気に傾いていることだけが良い材料だ」(外資系証券)と皮肉交じりにコメントしていた。
16日,日经指数在收盘前因股指期货以及金融股回购的支撑下止跌,收盘价为下跌327日元的16148日元。但是,也有意见认为:“次级房贷的问题才刚刚开始。要有进一步下跌的思想准备”(国内投资信托投资顾问市场经理)。某外资证券的决议员不无揶揄地说:“市场相关者全都看空,这本身就是个很好的题材”(某外资证券)。 |