胡主席来日―ギョーザの影をはらえ
胡主席访日——扫除“饺子事件”阴影
中国の胡錦濤国家主席が5月のゴールデンウイーク明けに来日する。日中両国政府は、その方向で日程の最終調整を急いでいる。中国元首の来日は、98年の江沢民主席以来だ。10年ぶりの訪問を心から歓迎したいと思う。
中国国家主席胡锦涛将于5月黄金周结束后访问日本。中日两国政府就此事正在对最终日程安排作紧张地调整。这是自98年江泽民主席访日以来,中国国家领导人的首次访日。我从内心欢迎这事隔10年的来访。
しかし、ギョーザ中毒事件が主席の訪日に暗い影を投げかけている。
但是,饺子中毒事件却给胡主席访日蒙上了阴影。
日本から見ると、中毒事件をめぐる中国側のこれまでの対応には不満に感じる点が少なくない。「互いに連携して捜査を」と合意しあっていたのに、中国の捜査当局が記者会見を開き、強い姿勢で「中国で農薬が混入した可能性はきわめて低い」と発表した。
从日本来看,就中毒事件中方给出的对应态度颇感不满。双方明明就“相互合作调查”已达成一致意见,而中国调查部门却单独召开新闻发布会,以强硬姿态表示饺子“在中国境内混入农药的可能性极低”。
日本は逆に「国内で混入した可能性は低い」とみていたから、「中国はこのまま捜査から手を引いてしまうのか」と懸念する声が広がったのも無理はない。
与此相反,由于日本认为“在日本国内混入的可能性很小”,因此对“中国会不会就此撤出调查”的担忧加剧也是情有可原的。
外交当局同士は、この問題と訪日を絡めたくないと考えているようだ。確かに、この事件だけで両国の関係全体が損なわれることは避けなければなるまい。
但两国外交部门似乎不想把这个问题与胡主席访日牵扯到一起。确实,不能就因为这件事而损坏两国关系。
中国は経済的にも軍事的にも急速に台頭しつつある。そんな隣国と日本がどう向き合っていくのか。国際社会の様々な問題を解決するため、両国間でどんな協力ができるのか。ようやく軌道に乗り始めた首脳同士の意見交換は極めて大切だからだ。
现在,中国不论在经济上还是军事上均发展势头迅猛。日本应怎样面对这样一个邻国?为解决国际社会的各种问题,两国间应实现怎样的合作?这次终于开始步入正轨的两国首脑意见交换就显得极为重要了。
といって「日中関係とギョーザは別」と割り切ることもできない。なぜなら、ことは食の安全にかかわるからである。日本国民の関心はたいへん高い。なのに、中国当局はあいまいなまま幕を引こうとしているのではないか。日本側は中国側の誠意を疑っているのだ。
但是,我们不能认为“中日关系与饺子事件无关”。因为这是与食品安全密切相关的事,日本国民都非常关心。然而,中国政府这样做,不正是想就这样不清不楚地结束此事吗?日方很怀疑中方的诚意。
大事なことは、解決の道筋を見いだそうとする双方の努力だ。そうした明確な姿勢があれば、たとえすぐに問題が解決しなくとも両国の関係は前進する。
重要的是双方为寻找解决途径所作的努力。只要有这种明确的态度,即使不能马上解决问题,两国关系也能向前迈进。
しかし、それが見られなければ、せっかくの首脳交流もむなしいものに映るだろう。
但是,如果看不到这种明确的态度,好不容易坐到一起的首脑交流也就变得没有意义了。
中国にしてみれば、捜査が先行した日本が先に、中国での混入をうかがわせるような見解を示したことで、メンツをつぶされたと感じたのかもしれない。だが、万一それで捜査を投げ出すようなことがあっては、中国にとってもマイナスが大きすぎる。
在中国看来,可能是由于先进行调查的日本提出了怀疑农药在中国混入的看法,让他们觉得有失颜面吧。然而,万一双方都因此而放弃调查,那对中国来说负面影响也太大了。
現在の日中関係には東アジアにおける主導権争いの側面もある。ちょっとしたことがナショナリズムに火を付ける。下手をすれば、日本の中にある反中感情を刺激して小泉元首相の靖国参拝のときのような負のスパイラルに陥りかねない。
在现今的中日关系中,也牵涉到争夺东亚主导权的问题。一点小事就会点燃民族主义大火。因此一旦处理不当,可能会刺激在日本的反中情绪,使中日关系陷入如前首相小泉参拜靖国神社时那样的螺旋形上升时期。
幸い中国側は捜査員らを再度、日本に派遣する意向を示している。できるだけ早く両国の捜査担当者が顔を合わせて会議を開くことだ。捜査協力の進め方や検証のための実験方法などを率直に話し合い、打開の道を探ってもらいたい。
所幸的是中方表示会再派调查人员来日本。希望两国调查责任人能尽早会面召开会议,就调查合作的开展方法、检验等试验方法等问题敞开心扉,寻找出路。
せっかく立て直した日中関係だ。主席来日を念頭に、中国にも冷静で真剣な捜査を求めたい。
中日关系费劲周折才得以重建。希望以胡主席访日为念,中国对饺子中毒事件进行冷静、认真地调查。 |