「低炭素」への挑戦―あらゆる処方を動員して
挑战“低碳”——动用一切方法
地球の温度を上昇させる二酸化炭素(CO2)の排出量を、長期的にどこまで減らすか。北海道洞爺湖サミットを7月に控え、福田首相はその目標を打ち出そうとしている。
导致地球温度上升的二氧化碳(CO2)的长期减排目标是多少?随着7月份北海道洞爷湖峰会的临近,福田首相正在努力制定这一目标。
「地球全体の排出量を今世紀半ばまでに半減させる」ことで、主要国はほぼ一致している。豊かな社会を達成した先進国は、これをさらに上回る目標を掲げざるを得ない。
对于“到本世纪中期实现全球减排一半”的目标,主要各国的意见基本一致。发达国家在实现社会富裕的同时,必须提出更高要求。
■アメとムチを生かせ “糖果”与“鞭子”兼用
そんな大幅な削減はどうしたら実現できるだろうか。省エネ。石油などの化石燃料に代わる新エネルギーの開発と利用。そして産業や生活様式を「低炭素」型に変える。詰まるところ(最終的には)、この三つを徹底する以外にあるまい。
如何实现如此巨大的减排目标?节能、开发与利用新能源以取代石油等化石燃料、改变产业与生活方式向低碳社会转变。最终,我们只能采取这些办法来实现减排目标。
それができなければ、経済成長を抑えて豊かさを犠牲にしてでもCO2を減らしていくという、不本意な道を歩まねばならなくなるだろう。
如果不能做到,那么我们就只能通过抑制经济发展,牺牲社会财富这种违反初衷的方法来实现减排。
では、こうした低炭素への取り組みを社会をあげて進めるにはどうしたらいいのか。最も有力と考えられているのが、「低炭素を進めればそれだけ得をする。進めないと損をしてしまう」という仕組みをつくることだ。アメとムチを使って、低炭素の方向へ企業も家庭も誘導していくわけだ。
那么,全社会应该如何促进低碳社会的实现呢?最有用的方法便是建立一套“促进低碳有利,妨碍有害”的运营机制。“糖果”和“鞭子”兼用,引导企业和家庭朝着低碳社会方向转变。
第一の方法は「環境税」だ。CO2を出すエネルギー源に税金をかけて価格を引き上げる。それによって省エネやエネルギー転換の努力を促すのだ。環境税は、企業にも家庭にも幅広く低炭素の網をかけることができる。
第一,征收环境税。对释放二氧化碳的能源征收税金,提高能源价格。这有利于增强向节能型转变的力度。建立环境税征收网,广泛覆盖企业和家庭。
次に、生産の現場を変える手だてとして焦点になっているのが「排出量取引」である。工場や発電所、オフィスなどにCO2排出の枠を課す。それを超えて出すと、追加の枠を買わねばならないが、逆に努力して下回れば、余った枠を売ることもできる。
第二,作为改变生产现场的做法,碳排放贸易已成为焦点。对工厂、发电站、办公楼等设立碳排放标准。一旦超过,就必须用钱购买。相反努力减排后如有余额也可以自由出售。
これには産業界に強い抵抗感がある。枠の設定が企業の成長の制約になったり、やる気をそいだりすることにならないかと心配しているのだ。
对此做法,生产行业内出现强烈的抵触情绪,并产生了几个担忧。其中包括标准的设立会否约束企业的发展,会否降低企业的积极性。
■合理的で公平な「枠」を 建立公平合理的标准
欧州連合(EU)は05年から排出量取引を始めた。発電所や製鉄所といった大規模な施設を対象に、大半の枠を排出実績をもとに無償で割り当てる方法をとっている。だがこれだと、省エネを怠ってきた企業へ多めの枠が配分され、苦労せずに枠内に抑えられる可能性が出てくる。
欧盟从05年开始碳排放贸易。在给发电站、炼铁厂等大规模设施设立标准时,大多数采取按照实际排放量无偿分配的办法。但是如此一来,就有可能让一直疏于节能的企业分到较多配额而毫不费力地将排放量控制在标准范围内。
別の逆説も起こりうる。エコカーの需要が増えると、その自動車メーカーは増産によってCO2排出も増やし、かえって削減の負担が重くなる。一方で、燃費が悪い車しかつくれないメーカーは、減産に追い込まれはするものの、余った排出枠を売ってもうけられる。これでは、環境技術の開発にとってマイナスになってしまう。
在此问题上,也有可能出现其他不同观点。环保车需求增加的话,汽车生产商将加大生产环保车。这样就会导致二氧化碳排放增加,反而加重了削减负担。另一方面,只能生产费油汽车的生产商虽然要被迫减产,但是因为可以出售排放余额,所以也能接受。这对环境技术的开发很不利。
どうしたら合理的かつ公平に排出枠を企業に配分できるか。これが排出量取引での最大の課題だ。
怎样才能公平合理的分配企业排放标准呢?这是碳排放贸易面临的最大课题。
環境省の検討会が今月、四つの配分法を例示した。いくつかの工夫が盛り込まれている。さきの逆説を防ぐために、「鉄1トンあたりCO2何トン」というように生産単位で枠を設け、その後の効率向上も反映させていく方法がそのひとつだ。入札で枠を買わせるアイデアもあげられている。
在本月环境省召开的研讨会上,给出了4种分配方法。有几点内容是经过深思熟虑的。一是为防止上述观点现象的出现,规定生产单位标准,如“1吨铁产生几吨二氧化碳”,并将之体现到效率提高上。在投标时让对方购买标准也是一个方法。
本格的な排出量取引は今後、欧州から米国へも広がりそうだ。日本はより公平な方法を早くまとめて世界へ提案し、これから定まる国際的な標準に反映させていくべきだ。
今后正规的碳排放贸易也将从欧洲推广到美国。日本应该尽快向世界提出更为公平的分配方案,并将它体现到今后的国际标准上。
政府は、温室効果ガス削減の国別目標の設定について、「セクター別アプローチ」を提案している。鉄鋼や電力、化学といった産業ごとに削減可能な量を技術的に詰め、それを積み上げていく考え方だ。国別の目標値を定めるときだけでなく、企業に対する枠の配分にも応用できる。
有关按国家分别制定温室气体削减目标的问题,政府已提出“扇形接近”方案。即按钢铁、电力、化学等产业分类,依靠技术先削减可能的排放量,再逐渐累积扩大的想法。这个方法不仅可以在使用在制定国家目标时,也可以应用到企业配额分配中。
この手法には中国も前向きだ。効率のいい生産方式を学び、生産性を向上させることができるからだ。途上国をCO2削減の枠組みに取り込むには、こうしたアメも大いに活用すべきだ。
对于这个办法中国的表现也很积极。因为可以学习到高效的生产方式,也可以提高生产力。将发展中国家纳入二氧化碳削减的框架中,就需要活用这些“糖果”。 |