朝日社论080605 美国总统候选人奥巴马

一心一译

オバマ候補―米国はどこまで変わるか
奥巴马---美国将何去何从
　
初の女性か、アフリカ系か。もつれていた米大統領選挙の民主党候補者選びが、ようやく決着した。ケニア人を父親に、米国人の白人を母親に持つオバマ上院議員が１１月４日の本選挙で、共和党のマケイン上院議員に挑む。
美国将出现史上第一位女总统，还是非洲裔总统？在甚为混乱的总统预选中，民主党候选人选举终于告一段落。父亲是肯尼亚人、母亲是美国白人的上议院议员奥巴马将在11月4日的最终选举中挑战共和党上议院议员麦凯恩。
　
予備選の序盤からオバマ氏が巻き起こした旋風に、読者の多くは半信半疑だったのではないか。「米国がそこまで変われるのだろうか」。黒人に対する人種偏見を本当に乗り越えられるのか、という疑問だ。
自预选之初，对于奥巴马掀起的政治旋风，多数读者应该都是半信半疑。“美国可以做到那些改变吗”，人们质疑他是否真可以跨越对黑人的种族偏见。
　
米国史をひもとけば、奴隷制が廃止されたのは１９世紀の南北戦争の結果だった。だが、過酷な差別は続き、南部では黒人の投票権も事実上、制限されていた。参政権を含め、一切の差別が禁止されたのは６５年になってからのことだった。
翻开美国历史即可得知，废除奴隶制度是19世纪南北战争的结果。但之后残酷的种族差别依然持续，南部黑人的投票权实际上也受到限制。包括参政权在内，真正消除一切差别是在1965年以后。
　
それから４０年余り。ついにアフリカ系が大統領の座に挑戦する時代になった。米国社会がそれだけ変わってきたことは間違いないだろう。
从那之后又过了40余年。终于非洲裔候选人挑战总统宝座的时代到来了。毫无疑问，美国社会的改变是如此之大。　

オバマ氏が脚光を浴びたのは０４年、党大会で「黒人の米国も、白人の米国もない。あるのはアメリカ合衆国だけだ」と結束を呼びかけた演説だった。
奥巴马赢得广泛关注是在04年民主党大会上，他发表了呼吁团结的演说，“没有黑人之美国，也没有白人之美国，只有美利坚合众国”。

０１年の同時多発テロからイラク戦争の泥沼にはまっていく過程で、ブッシュ時代の米国社会にはさまざまな亀裂や対立が生まれ、深まった。戦争の是非はもちろん、伝統的な価値観や宗教、貧富などをめぐるものだ。
从01年同期多发恐怖活动到陷入伊拉克战争泥沼的过程中，布什所领导的美国社会出现各种裂缝和对立，并逐步加深。战争的是非当然是围绕着传统的价值观、宗教和贫富差距。
　
オバマ氏が発したメッセージは、米社会の融和であり、旧来の政治からの「変化」だった。それが、黒人候補という不利に働いておかしくない要素を抱えながら、若者や高学歴の白人の熱狂的な支持を集めた理由だろう。
奥巴马提出的口号是美国社会的融合，这与以往美国政治相比是一大“改变”。这是他虽有黑人身份的不利因素，却依然获得年轻人和高学历白人狂热支持的原因。
　
途中から、その勢いにかげりも出た。オバマ氏が通っていたシカゴの黒人教会の牧師が、人種間の対立をあおる過激な説教をしたことが明るみに出て、イメージを傷つけた。
但中途也有人给这种气势蒙上了阴影。奥巴马参加的芝加哥黑人教会的牧师曾发表煽动种族对立的过激言论，言论被公开后，奥巴马的口号被质疑。
　
オバマ氏は、差別を受けてきた黒人たちの怨念（おんねん）とは距離を置きつつ、人種の融和を訴えてきた。被害者の立場を前面に出せば、分裂を強調することになりかねないと見たからだろう。
为此，奥巴马一直与饱受种族歧视的黑人们的仇恨思想保持距离，诉求种族融合。这是因为如果他站在受害者的立场，很容易让人认为他强调分裂。
　
終盤での支持のかげりは、黒人を候補者とすることに米国社会がたじろいだことを物語るようにも見える。
而在最终选举中，也有人认为美国社会将因其黑人候选人身份而退缩。
　
それでも民主党員はオバマ氏を選んだ。ブッシュ大統領の支持率は史上最低水準に低迷し、不満は米国社会に渦巻いている。人種のハンディがあっても、「経験」を掲げたヒラリー・クリントン上院議員に競り勝てたのは、米国を変えたいという人々の思いがそれだけ強かったということだろう。
尽管如此，民主党还是选了奥巴马。布什总统的支持率已达历史最低点，不满充斥着美国社会。就算有种族身份的不利因素，他之所以能战胜标榜经验的希拉里，就是因为改变美国的想法太过强烈吧。
　
イラクからの撤兵や経済の立て直しなど、マケイン候補との論戦は始まっている。人種問題を含め、米社会全体がどう変わり、変わっていくのか。今年の大統領選挙はいよいよ目が離せなくなった。
在伊拉克撤兵、经济重建等方面，奥巴马与麦凯恩的论战已经开始了。包括种族问题在内，如何改变美国社会，能否实现改变？今年的总统选举已经越来越吸引人眼球了。