▼炎暑の街に、かば焼きの香の漂う土用が、今年も近い。万葉の昔から、日本人はウナギに目がない。だが生態には謎が多かった。どこで生まれるのかも分からない。形とぬめりの連想から「山芋変じてウナギになる」と言われたりした
在炎炎烈日的街道上飘散着烤鳗鱼香味的今夏伏天又临近了。从古老的万叶时代开始,日本人就对鳗鱼相当着迷。但是,对于鳗鱼的身世却有很多的谜团。不知道它是从哪里产生出现的。从它的体型和滑溜模样联开来想,有种说法是“由山芋变成鳗鱼”
▼古代ギリシャの哲人アリストテレスも首をひねった。悩んだ末に、泥の中の「大地のはらわた」から生まれると書き残している。はるか後世を騒がせるウナギの「素性問題」に、天上で驚いていることだろう
古希腊哲人亚里士多德也(为这个问题而)绞尽脑汁。苦思冥想之后,书写下是(鳗鱼)从泥土中的“大地的肠子”变来的(结论)。对于轰动于遥远后世的“出身问题”,在天国(的亚里士多德)也会大吃一惊吧。
▼きのう、中国産を国産と偽って売っていた業者に強制捜査の手が入った。「偽」の字ずくめの当節だが、今回の「偽」は目にあまる。手口は大胆、巧妙。隠蔽(いんぺい)は細心。さらには「口止め料」とかいう1千万円。「つい出来心」の悪事とはだいぶ違う
昨天,警察开始着手进行对将中国产鳗鱼伪装成国产鳗鱼的业者进行强制性搜查。在“伪”字当道的现在,对于这次“伪装”真是看不下去了。批发商们的大胆,巧妙。精心地隐藏。还有什么1千万日元的“封口费”之类。这绝对不是什么“无意的一时冲动”的恶行。
▼国産のかば焼きは中国産より2~3倍高い。表示を変えれば、在庫をさばけるばかりか、ぼろい利ざやが転がり込む。「国産」の安心感で財布のひもを緩めさせ、裏で舌を出していたか。詐欺と言っても言い過ぎではない
国产的烤鳗鱼(的价格)比中国产的高出2-3倍。只要变换标签,就不仅是在消化在库,而是从天而降的一本万利的买卖。“国产”的安心感让顾客送开了钱袋子,(他们会)在背后暗自窃笑吧,说是欺诈也豪不言过。
▼〈蒲焼(かばやき)は隣りだと知る靴を脱ぎ〉と川柳にある。帰宅したお父さんの鼻を、香ばしい匂(にお)いがくすぐる。勢いづいて玄関を開けると、匂いは残念、わが家ではなかった。そんな図を詠んだのだろう。かつてウナギは特別なごちそうだった
在川柳诗中有这么一首《串烧烤鳗鱼 才知道是邻家的 脱了鞋之后》。下班的父亲,闻到香味而鼻子开始痒痒。奋力打开大门,遗憾,鳗鱼香味不是我家的。所描写的就是这副场景吧。鳗鱼曾经是很特别的美味。
▼いつしか、ありがたみは薄れ、世界で食べる約7割が日本人の胃袋に収まる。そのまた7割が中国産だが、産地をごまかされたら、一般人の舌に違いはわかるまい。ほかは信用していいのか。暗雲は、梅雨が明けても晴れそうにない。
不知什么时候,(鳗鱼)的贵重感也变淡了,全世界中7成的鳗鱼都吞进进入了日本人的肚子。日本人消费的7成是中国产的,如果在产地上弄虚作假的话,一般人多舌头是辨别不出来的。然而别的东西就能相信吗?这(食品安全的)阴霾,即便是梅雨期结束也难见晴天吧。 |