おでん
田楽豆腐などの田楽を略して接頭語の〈お〉を付した語。田楽の意であるが,19世紀初めころからみそをつけて焼く本来の田楽に対し,その変形である煮込み田楽を〈おでん〉と呼ぶようになったようである。田楽に菜飯(なめし)が付き物であったように,おでんには茶飯が付き物とされた。江戸から始まったものらしく,関西では関東煮(かんとうだき)と呼ぶことが多い。鰹節とコンブでとっただし汁を薄味に仕立て,その中へつみいれ,はんぺん,ちくわ,すじ,醍摩揚げなどの練製品や,焼豆腐,がんもどき,こんにゃく,ダイコン,ゆで卵その他さまざまな種を入れ,煮立たぬ程度で長時間煮込む。庶民的であたたかい冬の料理である。薬味には溶きガラシを添える。〈上燗(じようかん)おでん〉の看板をかかげる屋台のおでん屋が江戸市中に多くなったのは幕末ごろのことで,黙阿弥は1870年(明治3)初演の《樟紀流花見幕張(くすのきりゆうはなみのまくはり)》の中で,丸橋忠弥に〈煮込みのおでんでやっちょろね〉といわせている。
↑故に、中国語と無関係じゃない? |